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事業目的を変更した場合に必要な登記手続きと必要書類について解説!

更新日:2026.01.16

会社設立時には、定款や登記事項に事業目的を記載する必要がありますが、基本的には最初に定めた事業目的以外の事業を行うことはできません。しかし会社設立から時間が経過して、定款や登記事項に記載がない新規事業を開始することも珍しくありません。

事業目的の追加や変更を行う場合には、定款の変更をはじめ、法務局にて登記手続きを行う必要があります。この記事では、会社の事業目的を変更した場合に行うべき登記手続きや、登記手続きを行うために提出が必要な書類について解説していきます。

会社の事業目的の変更や追加を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしながら事業目的を変更する場合に必要な登記手続きを進めていきましょう。

株式会社の事業目的とは

まずは、法人の事業目的とはどのようなものなのかについて理解を深めておきましょう。名前の通りではありますが、会社における事業目的とはどのような事業を行うかの「事業内容」のことを指します。

前述の通り、会社設立を行う際には、商号(会社名)や本店所在地(会社住所)などとあわせて「事業目的」も定める必要があります。ここで定めた事業目的は会社の基本情報や規則などをまとめた「定款」や、法務局で管理されている「登記簿謄本」の登記事項の1つとして必ず記載を行なう必要があります。

法人として様々な事業を行なっていくうえで、定款や登記簿謄本に記載されている「事業目的」以外の事業を行うことはできません。そのため、新しく事業を開始する際やすでに行なっている事業が変わる場合には、定款や登記簿謄本に記載されている事業目的を変更する必要があります。

これから会社設立を行う方は、すぐに行わない事業だとしても、将来的に行う可能性のある事業であれば設立の段階で定款や登記の際に記入しておくことをおすすめします。会社設立時の事業目的の設定については、こちらの記事(定款の事業目的の書き方は?会社設立時の事業目的を設定する際のポイント)も参考にしてみてください。

事業目的が変わる場合には株主総会の特別決議が必要

上記の通り、会社の事業目的が変わる場合には「定款」に記載されている内容を変更する必要があります。定款の記載事項を変更する場合には、株式会社であれば「株主総会」での特別決議が必要となるため、株式会社が事業目的の変更を行う際には株主総会を開催する必要があります。

この記事では、株式会社が事業目的を変更した際に必要な登記手続きについて解説を行いますが、合同会社が事業目的を変更する場合は提出する書類が異なります。

合同会社で事業目的を変更する場合はこちらの記事(合同会社の目的変更とは?定款の変更や登記に必要な手続きについて)を参考にしてください。

事業目的の変更を行った場合に必要な手続き

株式会社が事業目的の変更を行う際には「法務局」と「税務署」の2つの役所にて手続きを行う必要があります。

事業目的は登記事項の1つでもあるため登記事項の変更を行うために法務局への届出を行います。また、登記事項(事業目的)の変更を行なった後には、事業目的を変更した旨を税務署へも届け出る必要があります。

株式会社が事業目的を変更する場合には、以下の流れでそれぞれの役所への手続きを進めていきましょう。

  1. 事業目的変更後の定款作成
  2. 収入印紙の購入
  3. 法務局へ書類の提出
  4. 税務署へ書類を提出

事業目的を行う際に必要な手続きについて、それぞれやるべきことを詳しく解説していきます。

1.事業目的変更後の定款を作成する

株式会社が事業目的を変更する場合には、まず定款に記載している事業目的の項目を変更するところから始めます。会社設立の際には必ず定款を作成しているので、過去に作成した定款内の事業目的を変更します。

定款の記載例

2.収入印紙を購入する

この記事では、事業目的の変更に伴う登記申請の手続きについて解説していますが、事業目的の変更だけでなく、登記申請の手続きを行なう際には「登録免許税」という国税を必ず支払う必要があります。

登録免許税を支払う際には、法務局の窓口で直接支払うわけではなく、支払う登録免許税の金額分の収入印紙を購入して、提出書類に貼付することで支払いを行います。

登記手続きの内容や会社の資本金の額によっても異なりますが、事業目的の変更に伴う登記申請を行なう際には、3万円の登録免許税がかかるため、3万円分の収入印紙を購入する必要があります。(参考:登録免許税の税額表|国税庁

こちらの記事(収入印紙はどこで買える?購入できる場所や買い方について)でも解説されていますが、収入印紙は法務局や郵便局で購入することが可能です。電子マネーやクレジットカードでの購入はできず、現金でのみ購入が可能なので注意してください。

3.法務局へ書類を提出する

定款の変更や収入印紙の購入が済んだら、必要書類を作成して法務局への提出を行います。事業目的の変更に伴う登記手続きを行う際には、以下の書類を法務局へ提出する必要があります。

  • 登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト

法務局へ提出するそれぞれの書類について、詳しく解説していきます。

登記申請書

登記申請書は法務局で登記手続きを進める際に、必ず提出を行う書類です。

登記申請書には、会社法人等番号や本店所在地、日付、申請人などの情報の記載を行います。今回は、会社としての事業目的を変更するため、登記申請書の「登記すべき事項」の欄に、変更後の事業目的と原因年月日(株主総会を開催した日)の記入を行います。

登記申請書に必要事項を記入した後は、会社実印を「捨印」や「契印」として該当箇所へ押印します。また、購入した3万円分の収入印紙は登記申請書に貼付を行います。

実際に作成する際には、こちら(変更登記申請書の申請書様式|法務局)から申請書をダウンロードできるので、以下の記載例を参考に必要事項の記入を進めていきましょう。

株式会社変更登記申請書の記載例

株主総会議事録

前述の通り、事業目的を変更する際には「定款」の変更を行う必要があり、定款を変更するためには「株主総会」での特別決議が必要となります。

株主総会が適切に開催されて特別決議を取ったことを証明するために「株主総会議事録」を登記申請書とあわせて法務局へ提出します。

株主総会議事録には、

  • 株主の総数、出席株主の議決権の数
  • 定款の条数
  • 変更後の定款の内容
  • 役員の氏名

の記載を行いましょう。

実際に株主総会議事録を作成する際には、以下の記載例を参考にしてください。また、こちらの記事(会社の目的変更における株主総会議事録の書き方)で、詳しい書き方が解説されているのであわせてご覧ください。

株主総会議事録の記載例

株主リスト

事業目的の変更に伴う登記手続きでは、株主総会議事録とあわせて「株主リスト」という書類も提出する必要があります。株主リストとは、自社の株主の構成を示した書類です。

株主リストには基本的にすべての株主の情報を記載しますが、もし記載する株主が10人(社)を超える場合には、株主リストに記載されている議決権数が、自社の議決権数の総数の3分の2に達していれば、すべての株主の記載を行う必要はありません。

株主リストを作成する際には、以下の記載例を参考にしてください。また、株主リストの記載事項や内容については、以下のページからもご覧いただけます。

参考記事

株主リストについて|法務省

登記で必要な株主リストの書き方

「登記申請書」「株主総会議事録」「株主リスト」の3つの書類を法務局へ提出することで、事業目的に伴う登記手続きは完了します。これらの書類は株主総会の開催日から2週間以内に提出を行う必要があります。

事業目的の変更だけに関わらず、登記申請の手続きを期限を過ぎてから行なってしまうと、登記懈怠とみなされ過料を課される可能性もあります。余裕をもって登記申請の手続きを進めていきましょう。

4.税務署へ書類を提出する

法務局への登記手続きが完了した後は、税務署へ必要書類の提出を行います。税務署には「異動届出書」という書類を提出します。異動届出書は、商号や本店所在地、代表者の変更があった際に提出を行い、事業目的の変更があった場合も例外ではありません。

異動届出書

税務署へ提出を行う「異動届出書」には、

  • 法人の基本情報
  • 異動年月日、登記年月日(株主総会の開催日、登記申請日)
  • 異動事項等(事業目的の変更点)

の記入を行います。

異動届出書の記入書類は、はこちらのページ(異動事項に関する届出|国税庁)からダウンロードすることが可能です。以下の記載例を参考にして、書類の作成を進めてください。

異動届出書の記載例

事業目的の変更手続きにかかる費用

法務局への登記申請手続きと、税務署への「異動届出書」を提出することで、事業目的の変更に伴う登記手続きは完了します。

記事内でも少し触れていましたが、最後に事業目的の変更に伴う登記手続きを行う際に発生する費用について解説していきます。自分で手続きを行うのか、手続きを専門家に依頼するのかによっても発生する費用は大きく異なります。

事業目的を変更する際の登記手続にかかる費用については、こちらの記事(事業目的を変更する際にかかる費用とは?)でも解説されているので、あわせてご覧ください。

登録免許税(収入印紙)

前述の通り、事業目的の変更だけに限らず、登記申請を行なう際には「登録免許税」という国税を支払う必要があります。この記事で解説している事業目的の変更に伴う登記手続きを行なう際には、登録免許税(収入印紙)として3万円の費用が必要となります。

郵送費用

必要書類を法務局や税務署へ提出する際には、別途郵送を行うための費用が発生します。すべての書類を郵送しても、数百円程度だと思いますが、発生する費用として認識しておきましょう。

また、郵送ではなくても直接窓口での提出も可能です。時間がある方は提出書類を直接窓口へ提出しても問題ありません。

司法書士に支払う報酬(登記手続きの代行を依頼する場合)

事業目的を変更に伴う登記手続きを自分ですべて行う場合には、上記の費用のみで済みますが、この登記手続きを専門家へ依頼する場合には、別途報酬が発生します。

登記手続きを専門家へ依頼する場合には、司法書士と呼ばれる専門家へ依頼を行います。

事業目的の変更に伴う登記手続きを司法書士に依頼する場合には、相場として2〜3万円の報酬を支払う必要があります。

司法書士に登記手続きを依頼する場合には、登録免許税などとあわせると、5,6万円ほどの費用がかかることになります。

司法書士に依頼することで、事業目的の変更に伴う登記手続きをすべて丸投げすることが可能とはなりますが、自分で行う場合と比べて倍くらいの費用がかかってしまうことは把握しておきましょう。

自分で行う場合の時間や労力との兼ね合いもあると思うので、自社にあったやり方で事業目的に伴う登記手続きを進めていただければと思います。

司法書士に依頼するメリットやデメリットについては、こちらの記事(登記手続を司法書士に依頼するメリット・デメリット)もあわせてご覧ください。

まとめ

この記事では、事業目的の変更を行う場合に必要な、登記手続きと提出書類について解説を行いました。

事業目的の変更に伴う登記手続きを行う際には、法務局と税務署へ届出を行う必要があります。届出を行なう際には、以下の4つの書類を提出します。

  • 登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 異動届出書

登記手続きを自分で行う場合には、3万円前後の費用で済むのに対して、専門家(司法書士)に登記手続きを依頼する場合には合計で5,6万円くらいの費用がかかります。

これから事業目的の変更を予定している方は、ぜひこの記事を参考に必要な登記手続きを進めてください。登記手続きを自社で行うか外注するかは、それぞれの会社の状況にあわせて判断していきましょう。

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