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個人事業主の法人化にかかる費用はいくら?株式会社・合同会社の設立費用と維持費を比較
更新日:2026.10.15
個人事業主として事業を続け、売上や利益が増えてくると、「そろそろ法人化した方がよいのではないか」と考える機会が増えてきます。しかし、個人事業主が法人化する際には会社設立のための費用がかかるため、「実際にいくら必要なのか」「株式会社と合同会社ではどちらが安いのか」「法人化した後も費用がかかるのか」と不安に感じる方も多いでしょう。
個人事業主の法人化にかかる費用は、会社形態や設立方法によって大きく異なります。株式会社では登録免許税や定款認証手数料などが必要になる一方、合同会社では定款認証が不要なため、比較的少ない費用で法人化できます。
ただし、法人化の費用は会社を設立するときだけに発生するものではありません。個人事業主から法人へ事業を移す際には、資産や契約の名義変更などが必要になる場合があります。また、法人化した後には法人住民税、社会保険料、税理士費用、会計ソフト代などの維持費も発生します。
そのため、個人事業主が法人化を検討するときは、「会社設立時の費用」だけではなく、「法人へ移行する際の費用」「法人化後に毎年かかる費用」まで含めて考えることが重要です。
この記事では、個人事業主の法人化にかかる費用について、株式会社と合同会社の違い、設立費用の内訳、法人化後の維持費、費用を抑える方法、専門家へ依頼する場合の考え方まで詳しく解説します。
IDEMAE編集部
個人事業主の法人化にかかる費用について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
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個人事業主が法人化する費用はいくら?設立費用の総額を比較

個人事業主が法人化を検討する際、最初に知りたいのが「会社を作るために最低いくら必要なのか」という点です。法人化の費用は株式会社と合同会社で異なり、法定費用を中心に考えると、株式会社は十数万円以上、合同会社は6万円程度から設立できるケースがあります。
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ただし、会社印鑑や各種証明書、専門家への依頼費用などを含めれば、実際に必要となる金額はさらに増える可能性があります。また、個人事業主の法人化では、会社を設立するだけではなく、それまで個人として行っていた事業を法人へ移す必要があります。
そのため、法人化の費用は「設立」「移行」「維持」の3段階に分けて考えると分かりやすくなります。
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法人化の費用は「設立・移行・維持」の3つに分けて考える
個人事業主の法人化にかかる費用は、大きく3種類に分けられます。1つ目は、会社そのものを設立するための費用です。登録免許税、定款認証手数料、定款の印紙代、証明書取得費用などが該当します。
2つ目は、個人事業から法人へ事業を移すための費用です。個人名義の車両、機械、在庫、事務所、各種契約などを法人へ引き継ぐ際には、名義変更や再契約、税務上の処理が必要になることがあります。
3つ目は、法人化後の維持費です。法人住民税、社会保険料、税理士費用、会計ソフト、給与計算など、会社を続けていく限り発生する費用があります。
IDEMAE編集部
このうち、検索で「法人化 費用」と調べたときに目につきやすいのは会社設立時の費用ですが、実際の負担を判断するうえでは法人化後の年間費用の方が重要になることもあります。
例えば、会社設立時の費用を10万円抑えられたとしても、法人化後に毎年50万円の追加費用がかかるのであれば、長期的には年間維持費の影響の方が大きくなります。
個人事業主が法人化するときは、最初に支払う金額だけではなく、法人化後に継続して発生する費用まで含めて計算することが大切です。
株式会社の法人化費用は十数万円以上が目安
個人事業主が株式会社へ法人化する場合、合同会社よりも設立費用が高くなる傾向があります。株式会社の設立登記にかかる登録免許税は、原則として資本金の0.7%で計算されます。ただし、計算した金額が15万円を下回る場合は15万円となるため、小規模な株式会社では登録免許税15万円が一つの目安になります。
さらに、株式会社では会社の基本ルールを定める定款について、公証人による認証が必要です。定款認証手数料は資本金などに応じて異なり、一定の条件を満たす小規模な株式会社では1万5,000円となる場合があります。一方、資本金の金額や会社設計によっては3万円、4万円、5万円となるケースもあります。
ここがポイント!
紙の定款を作成する場合には、原則として4万円の収入印紙も必要です。電子定款にすれば、この印紙代を抑えることができます。
そのため、株式会社の法人化費用を考えるときは、「株式会社なら必ず24万円かかる」と固定的に考えるのではなく、資本金、定款の形式、会社の構成などを確認したうえで計算することが重要です。
合同会社の法人化費用は6万円程度から
個人事業主が法人化の初期費用をできるだけ抑えたい場合、合同会社は有力な選択肢です。合同会社の登録免許税も資本金の0.7%で計算しますが、最低額は6万円です。また、合同会社は株式会社と異なり、公証人による定款認証が必要ありません。
IDEMAE編集部
さらに電子定款を利用すれば、紙定款で必要となる4万円の印紙代もかかりません。そのため、資本金が大きくなく、電子定款を利用して自分で合同会社を設立する場合は、法定費用を6万円程度まで抑えられるケースがあります。
ただし、6万円という金額はあくまで最低限の法定費用に近い金額です。会社印鑑を作成する費用、証明書の取得費用、専門家への報酬、会計ソフトなどは別に発生する可能性があります。
したがって、「合同会社なら法人化に6万円しかかからない」と考えるのではなく、「株式会社より法定費用を抑えやすい」と理解しておくとよいでしょう。
株式会社と合同会社の法人化費用を比較
個人事業主が法人化する際の代表的な費用を比較すると、以下のようになります。
| 費用項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 最低15万円 | 最低6万円 |
| 定款認証 | 必要 | 不要 |
| 定款認証手数料 | 条件により発生 | 不要 |
| 紙定款の印紙代 | 4万円 | 4万円 |
| 電子定款の印紙代 | 不要 | 不要 |
| 初期費用 | 合同会社より高い | 抑えやすい |
法人化の費用だけを見ると、合同会社の方が有利です。しかし、個人事業主が法人化するときは費用の安さだけで会社形態を決めない方がよいでしょう。
IDEMAE編集部
個人事業主の法人化にかかる費用について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
今後取引する相手、会社としての知名度、将来の出資、事業承継、採用、事業規模などによっては株式会社の方が適しているケースがあります。法人化の費用は重要な比較項目ですが、「最も安い会社形態」と「事業に最も合う会社形態」は必ずしも同じではありません。
資本金は法人化の費用とは分けて考える
個人事業主が法人化する際、資本金についても準備が必要です。ただし、資本金は登録免許税や定款認証手数料のように、支払ったらなくなる費用とは異なります。
例えば資本金を100万円にしたからといって、「法人化費用が100万円増える」というわけではありません。資本金は会社へ払い込まれ、設立後は仕入れ、家賃、広告費、人件費など、会社の事業活動に使うことができます。
IDEMAE編集部
一方で、資本金を極端に少なくすると、設立直後の資金繰りが厳しくなる可能性があります。また、金融機関や取引先から見た会社の規模感にも関係する可能性があります。
したがって、個人事業主が法人化する場合は、「外部へ支払う設立費用」と「会社の運転資金になる資本金」を分けて考えることが重要です。
個人事業主が法人化するときにかかる費用の内訳

法人化の費用には、登録免許税や定款認証手数料のほかにもさまざまなものがあります。特に個人事業主から法人化する場合は、新規で会社を設立するだけではなく、これまで個人事業で使用していた資産や契約を法人へ移す必要があります。
ここでは、個人事業主が法人化する際に発生する費用の内訳を詳しく見ていきます。
登録免許税
会社を設立するときは、法務局で設立登記を行います。その際に必要となるのが登録免許税です。株式会社では資本金の0.7%、最低15万円、合同会社では資本金の0.7%、最低6万円となります。
例えば資本金100万円の場合、0.7%では7,000円ですが、最低額を下回るため、株式会社なら15万円、合同会社なら6万円が必要です。
ここがポイント!
個人事業主の法人化費用を株式会社と合同会社で比較した場合、この登録免許税だけでも最低9万円の差があります。そのため、法人化の初期費用を重視する人にとって、登録免許税は会社形態を選ぶ大きな判断材料になります。
定款認証手数料
株式会社を設立する場合、作成した定款について公証人から認証を受ける必要があります。定款認証手数料は資本金などの条件に応じて異なり、一定の条件を満たした小規模な株式会社では1万5,000円となるケースがあります。
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一方、合同会社では公証人による定款認証が必要ないため、定款認証手数料は発生しません。
個人事業主が一人で法人化し、小規模な株式会社を作る場合は、定款認証手数料がいくらになるか事前に確認しておくと、法人化の費用をより正確に把握できます。
定款の印紙代
紙で定款を作成する場合、原則として4万円の収入印紙が必要です。一方、電子定款で作成すれば、この4万円の印紙代はかかりません。これは株式会社でも合同会社でも同様です。
そのため、法人化の費用を抑えたい個人事業主にとって、電子定款を利用するかどうかは重要なポイントになります。
個人事業主の法人化にかかる費用に関するおすすめ記事:個人事業主が法人化(法人成り)すると増える費用【第4回】
例えば合同会社では、登録免許税6万円に加えて紙定款の印紙代4万円が必要になれば、法定費用だけでも10万円程度になります。電子定款なら4万円を抑えられるため、設立費用への影響は大きいといえます。
会社印鑑や各種証明書の費用
法人化するときは、法定費用以外にも細かな支出があります。代表的なのが会社印鑑や各種証明書の取得費用です。
会社実印、銀行印、角印などをセットで作る場合、材質や販売会社によって数千円から数万円程度かかります。また、法人口座の開設、融資、契約などの場面では、登記事項証明書や印鑑証明書などが必要になるケースがあります。
一つひとつの費用は大きくありませんが、法人化の費用を最低限の法定費用だけで見積もっていると、予想以上に支出が増えることがあります。
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個人事業主から法人化するときは、登録免許税などに加えて、ある程度余裕を持って資金を準備しておくとよいでしょう。
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個人事業の資産を法人へ移す際にも注意が必要
個人事業主から法人化する場合、会社を作っただけでは、これまで個人事業で所有していた資産が自動的に法人へ移るわけではありません。
法人へ引き継ぐことを検討する主な資産は以下のとおりです。
- 商品や在庫
- 自動車
- パソコン
- 機械設備
- 備品
- 売掛金
- 借入金
ここがポイント!
個人が所有している資産を法人へ売却する方法、個人が所有したまま法人へ貸し出す方法、現物出資する方法などが考えられます。方法によって所得税や消費税などの税務上の取り扱いが変わる場合があるため、単純な名義変更と考えないことが重要です。
資産が多い個人事業主ほど、法人化の際に検討すべき項目は増えます。そのため、法人化の費用を計算する際は会社設立費用だけでなく、個人事業から法人へ資産を移すための費用や税務処理まで考慮しましょう。
契約の切り替えにも費用が発生することがある
個人事業主が法人化すると、これまで個人名義で契約していたサービスを法人名義へ切り替える必要がある場合があります。
対象となりやすい契約は以下のとおりです。
- 事務所の賃貸借契約
- 携帯電話
- インターネット
- 決済サービス
- クラウドサービス
- リース契約
- 各種保険
契約によっては単純な名義変更で済む場合もありますが、一度解約して法人名義で再契約する必要があるケースもあります。
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再契約時に保証金、事務手数料、初期費用などが発生すれば、それも法人化に伴う実質的な費用になります。こうした費用は一般的な会社設立費用の料金表には出てこないため、個人事業主が法人化する際に見落としやすいポイントです。
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法人化後に毎年かかる維持費・ランニングコスト

個人事業主が法人化するときに、本当に重要なのは設立費用よりも法人化後の維持費です。登録免許税や定款認証手数料は基本的に最初の1回ですが、法人住民税、社会保険、税理士費用などは毎年発生する可能性があります。
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法人化すべきか判断する際には、「最初にいくらかかるか」だけではなく、「年間でいくら費用が増えるか」を確認しましょう。
法人住民税の均等割
法人化すると、法人住民税の均等割が発生します。法人住民税の均等割は、法人の利益に応じて計算する税金とは異なり、赤字でも原則として発生します。
一定規模以下の法人では、年7万円程度が一つの目安になるケースがあります。ただし、均等割の金額は会社の所在地、資本金等の額、従業者数などによって異なります。
IDEMAE編集部
そのため、「法人化すると全国一律で7万円」と考えるのではなく、自社の所在地に応じた金額を確認する必要があります。個人事業主にはこの法人住民税の均等割はないため、法人化によって新しく発生する代表的な固定費です。
社会保険料
個人事業主が法人化したときに負担が大きくなりやすい費用の一つが社会保険料です。法人事業所では、一定の条件のもとで健康保険と厚生年金への加入が必要になります。
経営者一人だけで運営する会社でも、役員報酬を受け取る場合には社会保険の対象となることがあります。法人化すると、役員本人が負担する社会保険料だけでなく、会社側にも保険料負担が発生します。
個人事業主の法人化にかかる費用に関するおすすめ記事:フリーランスが法人化する目安とは?個人と法人の違いやメリットを解説
例えば個人事業主時代に国民健康保険と国民年金へ加入していた場合、法人化後は健康保険と厚生年金へ切り替わることで負担額が変わります。一方、社会保険への加入によって厚生年金の給付なども変わるため、社会保険料を単純な損失として考えるのも適切ではありません。
重要なのは、法人化による節税額だけを見るのではなく、税金と社会保険料を合わせて比較することです。
税理士費用・決算申告費用
法人化すると、税務や会計処理が個人事業主より複雑になる傾向があります。そのため、法人化をきっかけに税理士へ依頼する個人事業主も多くいます。
IDEMAE編集部
税理士費用は、売上、仕訳数、従業員数、面談回数、記帳代行の有無などによって異なります。また、月額の顧問料だけではなく、法人税申告の決算料、年末調整、給与計算などが別料金になっている場合もあります。
したがって、「月額顧問料が安い事務所」を選ぶだけでは、年間費用を抑えられるとは限りません。法人化後に必要となる業務全体を確認し、年間でいくらかかるのか比較することが重要です。
会計ソフト・給与計算などの費用
法人化すると、日々の経理や給与管理にも費用がかかることがあります。
代表的なものは以下のとおりです。
- 法人向け会計ソフト
- 給与計算ソフト
- 勤怠管理システム
- 請求書発行システム
- 経費精算システム
気をつけておきたい注意点
個人事業主時代は無料または低料金のサービスだけで対応できていても、法人化後に従業員が増えたり、管理すべき業務が増えたりすると、上位プランが必要になる場合があります。
また、自分で処理する場合には料金だけでなく作業時間もコストです。法人化後の費用を考える際には、外部へ支払う金額に加えて、自社で処理する業務量まで含めて判断しましょう。
法人化前後の年間費用を比較することが重要
個人事業主が法人化する際は、年間単位で費用を比較すると判断しやすくなります。
法人化後に増える可能性のある代表的な費用は以下のとおりです。
- 法人住民税
- 社会保険料の会社負担
- 税理士費用
- 決算申告費用
- 会計ソフト
- 給与計算
- 労務管理
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個人事業主の法人化にかかる費用について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
例えば、設立時の費用を15万円抑えられたとしても、法人化後の維持費が毎年40万円増えるのであれば、3年間では120万円の差になります。
そのため、個人事業主が法人化するときは、初期費用よりも継続費用を重視して判断することが大切です。
個人事業主の法人化費用を抑える方法

法人化には一定の費用が必要ですが、方法を工夫すれば初期費用を抑えることができます。ただし、法人化の費用を安くすることだけを目的にすると、事業に合わない会社形態を選んだり、必要なサポートを受けられなかったりする可能性があります。
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費用を抑える際は、削減しても問題が少ない費用と、慎重に判断すべき費用を分けることが重要です。
合同会社を選ぶ
法人化の初期費用を抑える代表的な方法が合同会社を選ぶことです。株式会社では登録免許税が最低15万円ですが、合同会社は最低6万円です。
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さらに合同会社は定款認証が不要なため、株式会社よりも設立費用を抑えやすくなります。
一方で、会社形態は将来の事業計画によって向き不向きがあります。取引先から株式会社であることを求められる可能性がある、将来的に出資を受けたい、株式を活用した資本政策を考えているといった場合は、株式会社が向いていることもあります。
法人化の費用だけで会社形態を決めないようにしましょう。
電子定款を利用する
電子定款を利用すると、紙定款に必要となる4万円の印紙代を抑えられます。法人化の費用を抑える方法の中でも、比較的効果が分かりやすい方法です。
株式会社でも合同会社でも電子定款を利用できるため、特別な理由がない場合は検討する価値があります。
ただし、自分で電子定款を作るために必要な環境を整えると、機器や作業の負担が発生する場合があります。専門家や設立サービスへ依頼する際は、電子定款に対応しているか確認するとよいでしょう。
自分で会社設立手続きをする
個人事業主が自分で定款作成や登記申請を行えば、専門家への依頼費用を抑えることができます。会社構成がシンプルな場合は、自力で法人化することも可能です。
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ただし、法人化では会社を設立した後にも税務署等への届出、社会保険、個人事業の廃業手続きなどがあります。さらに、個人事業で所有していた資産の引継ぎや役員報酬の設定まで考えると、単純な登記手続きだけでは終わりません。
個人事業主が自分で法人化する場合は、削減できる専門家費用と、手続きにかかる時間やミスのリスクを比較することが大切です。
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設立費用だけでなく3年・5年単位で比較する
法人化の費用を抑えるときに最も重要なのは、初年度だけを見ないことです。法人化後は、社会保険、法人住民税、税務申告などの費用が継続します。
例えば設立費用が10万円安い方法を選んでも、年間維持費が20万円高ければ、長期的には大きな差になります。
IDEMAE編集部
そのため、「最初の法人化費用」ではなく、「3年間」「5年間」で総額がいくらになるかを考えると、本当に費用を抑えられる方法を判断しやすくなります。
法人化を自分でする場合と専門家に依頼する場合の費用を比較

個人事業主が法人化するときは、自分で設立手続きを行う方法と、司法書士や税理士などの専門家へ依頼する方法があります。自分で行えば費用を抑えやすい一方、専門家へ依頼すれば手間を減らし、法人化後の税務や経理まで相談できる場合があります。
重要なのは「どちらが安いか」だけではなく、「何を任せられるか」で比較することです。
自分で法人化する場合
自分で法人化する最大のメリットは、専門家報酬を抑えられることです。特に合同会社を電子定款で設立する場合は、法人化の初期費用をかなり抑えられる可能性があります。
一方、自分で法人化する場合は、定款作成、登記申請、税務届出、社会保険手続きなどを自分で調べる必要があります。
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個人事業主として本業が忙しい場合、手続きに時間を使うことで売上機会を失うことも考えられます。自分で法人化したときに削減できる費用と、自分の作業時間の価値を比べて判断するとよいでしょう。
司法書士へ依頼する場合
会社設立登記を専門家へ依頼したい場合は、司法書士が代表的な相談先です。司法書士への費用は、会社形態や設立内容、事務所によって異なります。
ここがポイント!
見積もりを比較するときは、単に「会社設立○万円」といった価格だけを見るのではなく、どこまでサービスに含まれているか確認することが重要です。
主な確認項目は以下のとおりです。
- 定款作成
- 電子定款への対応
- 登記申請
- 設立書類の作成
- 証明書取得
- 設立後の登記相談
また、登録免許税などの法定費用は専門家報酬とは別に必要です。法人化の費用を正確に比較するためには、「専門家報酬」と「実費」を分けることが大切です。
税理士へ法人化を相談する場合
個人事業主が法人化を検討している段階では、税理士へ相談するメリットもあります。税理士には法人化前後の税金だけでなく、役員報酬、社会保険、消費税、資産の引継ぎ、法人化後の経理や決算などを相談できます。
つまり、「会社を作れるか」ではなく、「法人化した方が実際に得なのか」を検討しやすいことが特徴です。
IDEMAE編集部
特に利益が増えて法人化を検討している個人事業主は、節税額だけではなく、社会保険や維持費を含めて試算した方がよいでしょう。
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費用ではなく対応範囲で専門家を比較する
法人化の専門家を選ぶ際には、料金だけでなく対応範囲を確認することが重要です。法人化後に発生しやすい主な業務は以下のとおりです。
- 税務
- 経理
- 法人決算
- 給与計算
- 年末調整
- 社会保険
- 労働保険
- 従業員の入退社手続き
例えば税理士費用が安くても、経理、給与計算、社会保険をそれぞれ別の専門家やサービスへ依頼すると、トータルの費用が増える可能性があります。
IDEMAE編集部
一方、税務・労務・経理を一つの窓口で対応できれば、連絡先を一本化でき、管理負担を減らしやすくなります。
個人事業主が法人化するときは、顧問料の安さだけでなく、「法人化後に必要となる業務をどこまで対応できるか」という視点で比較しましょう。
費用を払ってでも法人化した方がよい?判断基準を解説

個人事業主の法人化には費用がかかります。そのため、「費用が増えるなら個人事業主のままの方がよい」と考える方もいるでしょう。
しかし、法人化すべきかどうかは設立費用だけでは判断できません。税金、社会保険、信用力、融資、採用、取引などを含めて考える必要があります。
IDEMAE編集部
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法人化によって増える費用よりも、法人化によるメリットが大きければ、法人化を検討する価値があります。
利益が増えてきたとき
個人事業主の所得税は累進課税であるため、所得が増えるほど高い税率が適用される仕組みです。事業利益が大きくなってくると、法人化によって税負担を見直せる可能性があります。
ただし、法人化すると法人住民税、社会保険、税理士費用などが増えるため、「税率だけ」を比較して法人化を決めるのは適切ではありません。
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個人事業主のままの場合の税金と、法人化後の法人・個人双方の税金や社会保険料を比較する必要があります。
売上1,000万円前後になったとき
「売上1,000万円になったら法人化した方がよい」と聞くことがあります。売上が1,000万円前後になれば、消費税を含めて法人化を検討するきっかけにはなります。
しかし、売上1,000万円だから必ず法人化した方が得になるわけではありません。インボイス登録の状況や消費税の納税義務、利益額、社会保険料などによって判断は変わります。
また、「売上1,000万円」と「利益1,000万円」では意味が大きく異なります。法人化の目安を見る際は、売上だけでなく利益を重視しましょう。
法人化前後の手取りを比較する
法人化による損得を判断するときは、最終的な手取りで比較することが重要です。例えば法人化によって所得税などが年間50万円減ったとしても、社会保険料や法人維持費が年間60万円増えれば、最終的な負担は増えています。
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反対に、法人化による節税や事業上のメリットが年間100万円あり、追加費用が50万円であれば、差額は50万円になります。法人化による年間メリットから年間追加費用を差し引き、その差額がどの程度あるのか確認すると判断しやすくなります。
取引や融資、採用も考慮する
法人化の価値は節税だけではありません。取引先によっては法人であることが取引条件になっていたり、法人の方が契約しやすかったりするケースがあります。
また、従業員を採用する、金融機関から融資を受ける、事業を組織化するといった場面でも、法人化が有利になる可能性があります。
IDEMAE編集部
例えば法人化によって年間の維持費が増えても、新しい取引先を獲得し売上が大きく増えるのであれば、法人化の費用を負担する価値があります。
したがって、個人事業主が法人化する際は、税金だけでなく今後の事業計画まで含めて判断しましょう。
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法人化費用を回収できるか考える
法人化すべきか迷った場合は、「法人化にかかる費用を何年で回収できるか」という視点も役立ちます。
例えば法人化の初期費用が20万円、個人事業主時代より年間維持費が30万円増える場合、初年度の追加負担は50万円です。一方、法人化によって税負担の減少や事業上のメリットが年間80万円あるなら、初年度でも30万円のメリットが残ります。
反対に、法人化によるメリットが年間20万円程度しかなければ、費用面だけで考えると急いで法人化する必要はないかもしれません。
ここがポイント!
個人事業主の法人化は、「会社を作れるか」ではなく、「法人化した後も含めて費用対効果があるか」で判断することが重要です。
個人事業主の法人化費用に関するQ&A

個人事業主が法人化を考える際は、設立費用だけでなく、年収、売上、社会保険、専門家への依頼などさまざまな疑問が出てきます。ここでは、個人事業主の法人化と費用について、特に疑問になりやすいポイントをQ&A形式で解説します。
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Q.個人事業主の法人化には最低いくら必要ですか?
合同会社を電子定款で設立する場合は、登録免許税の最低額である6万円程度から法人を設立できるケースがあります。
株式会社では登録免許税が最低15万円で、さらに定款認証手数料などが必要です。ただし、これらは主に会社設立時の法定費用です。
気をつけておきたい注意点
個人事業主が実際に法人化する際には、会社印鑑、各種証明書、専門家報酬、資産・契約の移行費用、法人化後の社会保険なども考える必要があります。
Q.法人化する一番安い方法は?
法人化の設立費用だけを考えると、合同会社を電子定款で設立し、自分で手続きを行う方法は比較的費用を抑えやすい方法です。
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ただし、一番安い方法が一番適した法人化方法とは限りません。将来的に株式会社の方が事業に合っている場合、設立費用だけを理由に合同会社を選ぶと、後から会社形態について見直す可能性があります。
法人化では費用だけでなく、将来の事業計画まで考えて会社形態を選びましょう。
Q.法人化費用は経費にできますか?
法人設立前後に支払った費用は、内容によって会計・税務上の処理が異なります。設立のために直接支出した費用の中には創立費として扱われるものがあり、設立後の事業開始までに特別に支出した費用が開業費に該当する場合もあります。
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一方、すべての法人化費用を同じ方法で経費処理できるわけではありません。個人事業主が設立前に支払った費用を法人側でどのように処理するか迷う場合は、支出内容ごとに確認する必要があります。
Q.一人会社でも社会保険料はかかりますか?
法人化して役員報酬を受け取る場合、一人会社でも社会保険の対象となることがあります。法人事業所では健康保険・厚生年金への加入が必要となるケースが多く、役員本人だけでなく会社側にも社会保険料負担が発生します。
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個人事業主の法人化にかかる費用について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
そのため、個人事業主から一人会社へ法人化する場合も、社会保険料を法人化後の費用として計算しておくことが重要です。
Q.法人化は税理士や司法書士へ依頼した方がいいですか?
シンプルな会社設立であれば、自分で手続きを進めることも可能です。一方、個人事業主の法人化では、登記だけでなく、役員報酬、資産の引継ぎ、税務届出、社会保険、経理など複数の論点があります。
ここがポイント!
特に事業利益が大きい、従業員がいる、資産や在庫が多い、消費税の影響を確認したいといった場合は、専門家への相談を検討するとよいでしょう。
依頼先を選ぶときは法人化の費用だけではなく、税務・労務・経理をどこまで対応してもらえるか比較することが重要です。
会計事務所SoVaでは、記帳業務や給与計算だけではなく、社会保険などの役所手続き、さらには助成金・補助金や節税アドバイスを 29,800円〜丸ごとお任せいただくことが可能 です。バックオフィス業務が面倒だと感じている方は、ぜひ会計事務所SoVaにお任せください!
まとめ|個人事業主の法人化は設立費用だけでなく年間維持費まで比較しよう

個人事業主の法人化にかかる費用は、株式会社と合同会社で大きく異なります。株式会社では登録免許税が最低15万円で、定款認証手数料なども必要になります。一方、合同会社は登録免許税が最低6万円で、定款認証も不要なため、法人化の初期費用を抑えやすいことが特徴です。
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ただし、個人事業主が法人化するときに確認すべき費用は、会社設立時の費用だけではありません。個人事業で使用していた資産や契約を法人へ移す費用、法人住民税、社会保険料、税理士費用、会計ソフトなど、法人化後にもさまざまな費用が発生します。
そのため、法人化では「設立費用」「個人事業から法人への移行費用」「法人化後の年間維持費」の3つに分けて考えることが重要です。
IDEMAE編集部
また、法人化するか迷っている場合は、節税額だけではなく、社会保険や維持費まで含めて個人事業主のままの場合と比較しましょう。
専門家へ法人化を依頼する場合も、料金の安さだけでなく、会社設立後の税務・労務・経理までどこまでサポートしてもらえるかが重要です。個人事業主から法人化した場合に年間の費用と手取りがどの程度変わるのかを事前にシミュレーションし、自分の事業にとって最適なタイミングで法人化を判断しましょう。
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