労務 役員報酬

役員報酬と給与は両方もらえる?支給できるケースや使用人兼務役員の条件と注意点を解説

更新日:2026.04.25

役員報酬と給与は両方もらえるのか、会社設立後に役員報酬を決める場面や、役員が現場業務も担当している会社では迷いやすいポイントです。特に中小企業や家族経営の会社では、代表者や取締役が営業、経理、採用、現場管理などを兼務していることも多く、「役員報酬とは別に給与も支給できるのではないか」「役員報酬と給与を両方もらえるなら、その方が柔軟に報酬設計できるのではないか」と考えるケースもあります。

この記事では、役員報酬と給与は両方もらえるのか、役員報酬と給与を両方支給できるケース、使用人兼務役員の条件、役員報酬と給与の違い、損金算入や社会保険・雇用保険の注意点まで詳しく解説します。

IDEMAE編集部

役員報酬と給与を両方もらえるか判断したい方や、役員報酬と給与の支給方法で迷っている方は、まず自社の役員が使用人兼務役員に該当するかを確認しておきましょう。

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【結論】役員報酬と給与は両方もらえる?

役員報酬と給与は両方もらえるのかという疑問に対して、まず押さえておきたいのは「原則」と「例外」を分けて考えることです。原則として、役員報酬と給与は自由に両方もらえるものではありません。役員に対して支払われるお金は、基本的に役員としての職務に対する役員報酬として扱われます。

しかし、例外として使用人兼務役員に該当する場合は、役員報酬と給与を両方もらえる可能性があります。つまり、「役員報酬と給与は絶対に両方もらえない」のではなく、「誰でも自由に役員報酬と給与を両方もらえるわけではない」と理解するのが正確です。

役員報酬と給与を両方もらえるかは「名目」ではなく「実態」で決まる

役員報酬と給与を両方もらえるかを判断するうえで、もっとも重要なのは実態です。給与明細上で「役員報酬」と「給与」を分けていても、実際には役員としての仕事しかしていない場合、給与部分も実質的に役員報酬と判断される可能性があります。

反対に、役員でありながら部長や課長などの使用人としての立場を持ち、実際に日常業務へ継続的に従事している場合は、役員報酬と給与を両方もらえる可能性があります。

ケース 役員報酬と給与を両方もらえる可能性
代表取締役が現場業務も手伝っている 原則として難しい
専務や常務が部門管理もしている 原則として難しい
平取締役が営業部長として常時勤務している 条件次第で可能
平取締役が工場長として現場管理をしている 条件次第で可能
家族役員に形式的に給与を支給している 否認リスクが高い

役員報酬と給与を両方もらえるかどうかは、肩書きだけでなく、役職、職務内容、勤務実態、持株割合、給与水準、書類整備などを総合的に見て判断します。

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役員報酬と給与を両方もらえる場合でも経費処理には注意が必要

役員報酬と給与を両方もらえる場合でも、会社側がすべてを自由に経費にできるわけではありません。法人が役員に対して支給する給与は、定期同額給与、事前確定届出給与、一定の業績連動給与などに該当しない場合、原則として損金に算入できません。国税庁も、これらに該当しない役員給与は損金に算入されないと説明しています。

そのため、役員報酬と給与を両方もらえるかを考えるときは、「受け取れるか」だけでなく、「会社側で損金にできるか」「税務調査で説明できるか」まで確認する必要があります。

役員報酬と給与を両方もらえるように見えても、給与部分に使用人としての実態がなければ、給与ではなく役員報酬と見られる可能性があります。その結果、損金算入が認められなかったり、過大役員給与として問題になったりするリスクがあります。

役員報酬と給与の違い

役員報酬と給与を両方もらえるかを理解するには、まず役員報酬と給与の違いを整理する必要があります。役員報酬と給与は、どちらも会社から個人に支払われるお金であり、受け取る側から見ると「給料」のように感じるかもしれません。しかし、会社側の処理、決定方法、労働法上の扱い、損金算入のルールは大きく異なります。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関する参考記事:「役員報酬とは?役員賞与との違いや節税効果について解説!

役員報酬とは

役員報酬とは、取締役や監査役などの役員に対して、会社経営や役員としての職務執行の対価として支払われる報酬です。役員は会社と雇用契約を結ぶ従業員ではなく、会社から経営を委任される立場に近い存在です。

IDEMAE編集部

役員報酬は、労働時間や残業時間に応じて細かく変動する給与とは性質が異なります。

役員報酬は、原則として株主総会や取締役会などで決定し、毎月同額で支給する形が基本です。期中に自由に増額・減額すると、定期同額給与の要件から外れ、損金算入が問題になる可能性があります。役員報酬は、給与のように柔軟に変えられるものではないため、会社設立時や事業年度開始時に慎重に決める必要があります。

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役員報酬の種類①
定期同額給与

定期同額給与とは、毎月同じ時期に同じ金額で支給する役員報酬のことです。中小企業で役員報酬を損金算入する場合、もっとも一般的に使われるのが定期同額給与です。

たとえば、役員報酬を月額50万円と決めた場合、原則として毎月50万円を継続して支給します。役員報酬は、従業員の給与のように会社の業績や資金繰りに応じて自由に増減できるものではありません。期中に役員報酬を増額したり、減額したりすると、定期同額給与として認められない部分が発生し、損金算入できない可能性があります。

役員報酬と給与を両方もらえる使用人兼務役員の場合でも、役員報酬部分については定期同額給与のルールを守る必要があります。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関するポイント!

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たとえば、取締役営業部長が役員報酬と給与を両方もらえる場合、営業部長としての給与部分とは別に、取締役としての役員報酬部分は毎月同額で支給することが基本です。

定期同額給与で注意すべき3か月ルール

定期同額給与では、役員報酬の変更時期にも注意が必要です。役員報酬の変更は、原則として事業年度開始の日から3か月以内に行う必要があります。この期間を過ぎて役員報酬を変更すると、特別な事情がない限り、増額部分や変更後の一部が損金算入できない可能性があります。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関する注意点

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たとえば、12月決算の会社が、1月から10月まで役員報酬を月50万円支給し、11月と12月だけ月80万円に増額した場合、11月と12月の80万円のうち、従来の50万円を超える30万円部分は定期同額給与に該当しない可能性があります。この場合、役員報酬の一部が損金算入できず、法人税の計算上、調整が必要になることがあります。

役員報酬、給与、両方もらえるという設計では、給与部分に目が向きやすいですが、役員報酬部分の定期同額給与ルールを守ることが前提です。役員報酬と給与を両方もらえる場合でも、役員報酬部分を給与のように自由に変動させることは避けるべきです。

役員報酬の種類②
事前確定届出給与

事前確定届出給与とは、あらかじめ税務署に「誰に、いつ、いくら支給するか」を届け出たうえで、その届出通りに支給する役員報酬のことです。主に、役員賞与を損金算入したい場合に使われる制度です。

通常、役員に対する賞与は、従業員のボーナスとは異なり、自由に支給して損金算入できるものではありません。決算後に利益が出たから役員へ賞与を出す、という形では、原則として損金算入が認められにくくなります。

IDEMAE編集部

そこで、役員賞与を損金算入したい場合には、事前確定届出給与として、支給日と支給額を事前に届け出る必要があります。

役員報酬と給与を両方もらえる使用人兼務役員の場合も、役員としての賞与を支給するなら、事前確定届出給与のルールを確認する必要があります。一方で、使用人としての職務に対する賞与、つまり使用人分賞与については、他の従業員と同じ賞与規程や評価基準に基づいて支給されていれば、通常の給与・賞与に近い形で損金算入できる可能性があります。

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事前確定届出給与で注意すべきポイント

事前確定届出給与は、届出を出せば自由に役員賞与を損金算入できる制度ではありません。届け出た支給日、支給額、支給対象者の通りに支給することが重要です。届出内容と実際の支給内容がズレると、損金算入が認められない可能性があります。

たとえば、事前に「6月30日に100万円を支給する」と届け出ていたにもかかわらず、実際には7月に支給した場合や、支給額を80万円に変更した場合は、事前確定届出給与としての要件を満たさなくなります。

役員報酬と給与を両方もらえる使用人兼務役員では、賞与の性質を分けることも重要です。取締役営業部長に賞与を支給する場合、それが取締役としての役員賞与なのか、営業部長としての使用人分賞与なのかを明確にする必要があります。

IDEMAE編集部

役員賞与であれば事前確定届出給与の手続きが必要になり、使用人分賞与であれば他の従業員と同じ基準で支給されているかが重要になります。

役員報酬の種類③
業績連動給与

業績連動給与とは、会社の利益、売上、株価など、一定の業績指標に連動して支給額が決まる役員報酬のことです。会社の業績に応じて役員報酬を決定できる仕組みで、上場企業などでは役員報酬制度の一部として使われることがあります。

ただし、業績連動給与は、一般的な中小企業が使いやすい制度ではありません。損金算入が認められるためには、対象法人、算定方法、開示要件などの条件があり、主に有価証券報告書を作成している会社などで利用される制度です。

IDEMAE編集部

一般的に業績連動給与は大企業で利用され、多くの中小企業では、役員報酬を損金算入する方法として、定期同額給与と事前確定届出給与を中心に考えることになります。

役員報酬と給与を両方もらえる使用人兼務役員であっても、中小企業では役員報酬部分を業績連動給与として処理するケースは多くありません。現実的には、役員報酬部分は定期同額給与として毎月同額で支給し、役員賞与を支給したい場合に事前確定届出給与を検討する流れが一般的です。

給与とは

給与とは、従業員が会社の指揮命令を受けて働くことに対する対価です。従業員給与は、雇用契約、就業規則、賃金規程などに基づいて支給されます。基本給、役職手当、通勤手当、残業手当、賞与などが給与に含まれることがあります。

給与は、労働の対価であるため、勤務時間、職務内容、責任範囲、評価、会社の給与規程などに応じて決まります。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関するポイント!

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従業員であれば、労働基準法の保護を受け、要件を満たせば有給休暇、残業代、最低賃金などの対象になります。

役員報酬と給与は決定方法も扱いも違う

役員報酬と給与の違いを整理すると、役員報酬と給与を両方もらえるかどうかを判断しやすくなります。

役員報酬は、役員としての地位や経営責任に対する支払いです。給与は、従業員としての労働に対する支払いです。つまり、役員報酬と給与を両方もらえるケースでは、役員としての職務と、従業員としての職務が実際に分かれている必要があります。

たとえば、取締役として経営会議に出席し、会社の重要方針を決める仕事は役員としての職務です。一方で、営業部長として部下の商談を管理し、営業目標を追い、顧客対応を行う仕事は使用人としての職務に近いと考えられます。このように、役員としての仕事と給与の対象となる仕事を分けて説明できる場合に、役員報酬と給与を両方もらえる可能性が出てきます。

役員報酬と給与を両方もらえる例外が使用人兼務役員

役員報酬と給与を両方もらえる代表的な例外が、使用人兼務役員です。使用人兼務役員とは、役員でありながら、部長、課長、支店長、工場長などの使用人としての職制上の地位を持ち、実際に使用人としての職務にも常時従事している人を指します。

国税庁は、使用人兼務役員について、役員のうち部長・課長その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、常時使用人としての職務に従事する者と整理しています。

参考:国税庁「No.5205 役員のうち使用人兼務役員になれない人

つまり、使用人兼務役員に該当するには、単に役員が現場を手伝っているだけでは足りません。会社の組織上、使用人としての地位があり、実際にその職務に継続的に従事していることが必要です。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関する参考記事:「みなし役員とは?判定フローチャート付きで配偶者や給与の影響を解説

取締役営業部長のようなケースは両方もらえる可能性がある

役員報酬と給与を両方もらえる可能性がある典型例は、取締役営業部長です。取締役として経営判断に関与しながら、営業部長として営業部門の管理、部下の育成、顧客対応、売上管理などを日常的に行っている場合、役員報酬と給与を両方もらえる可能性があります。

この場合、役員としての経営責任に対する部分が役員報酬、営業部長としての実務に対する部分が給与です。

IDEMAE編集部

役員報酬と給与を両方もらえるといっても、全体を曖昧に支給するのではなく、それぞれの職務に応じて区分する必要があります。

取締役工場長や取締役経理部長も該当する可能性がある

取締役工場長や取締役経理部長も、使用人兼務役員として役員報酬と給与を両方もらえる可能性があります。たとえば、工場長として生産計画、品質管理、人員配置、安全管理などを日常的に行っている場合、使用人としての職務実態を説明しやすくなります。

また、取締役経理部長として、月次決算、資金繰り管理、請求書管理、経理チームのマネジメントなどを継続的に行っている場合も、使用人としての職務があると考えられます。ただし、経営判断としての財務戦略や役員会での意思決定と、経理部長としての実務は分けて整理しておく必要があります。

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肩書きだけでは役員報酬と給与を両方もらえる根拠にならない

重要なのは、肩書きだけでは使用人兼務役員とは認められないことです。たとえば、名刺に「取締役営業部長」と書いていても、実際には営業部長としての業務をしていなければ、役員報酬と給与を両方もらえる根拠としては弱くなります。

逆に、実際に営業部長として毎日勤務していても、組織図、職務分掌表、賃金台帳、勤怠記録、給与明細などが整っていなければ、後から説明しにくくなります。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関するポイント!

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役員報酬と給与を両方もらえる形にするには、実態と書類の両方を整える必要があります。

使用人兼務役員になれない人

役員報酬と給与を両方もらえる可能性があるのは、使用人兼務役員に該当する場合です。しかし、すべての役員が使用人兼務役員になれるわけではありません。どれだけ現場で働いていても、使用人兼務役員になれない役員がいます。

ここを曖昧にすると、役員報酬と給与を両方もらえると思って支給していたものの、後から給与部分が認められないというリスクがあります。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関する参考記事:「役員就任後いつから役員報酬を支給する?報酬額の決め方と注意点も解説!

使用人兼務役員になれない人①
代表取締役は原則として使用人兼務役員になれない

代表取締役は、基本的に使用人兼務役員になれません。代表取締役は会社を代表する経営者であり、会社の指揮命令を受けて働く使用人とは性質が異なります。

中小企業では、代表取締役が営業も経理も採用も現場管理も行っているケースが多くあります。しかし、代表取締役が現場で働いているからといって、役員報酬と給与を両方もらえるわけではありません。代表取締役の現場業務は、経営者として会社運営の一環で行っていると見られやすいため、使用人給与として分けるのは難しいです。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関する注意点

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代表取締役が「自分も従業員のように働いているから、役員報酬と給与を両方もらえるはず」と考えるのは危険です。代表取締役の場合は、基本的に役員報酬として設計するのが前提になります。

使用人兼務役員になれない人②
専務・常務・監査役なども注意が必要

専務や常務も、使用人兼務役員になれない範囲に含まれます。

IDEMAE編集部

専務や常務は、職制上、経営幹部としての性質が強く、使用人として会社の指揮命令を受ける立場とは見られにくいためです。

また、監査役も使用人兼務役員にはなれません。監査役は、取締役の職務執行を監査する立場です。監査する側が、同時に会社の使用人として業務執行側に入ってしまうと、監査の独立性に問題が生じるためです。

合同会社の業務執行社員も、使用人兼務役員になれない範囲に含まれます。合同会社で役員報酬と給与を両方もらえるかを考える場合、株式会社の平取締役とは異なる点に注意が必要です。

使用人兼務役員になれない主なケース

役員報酬と給与を両方もらえるかどうかを判断する際、まず以下に該当しないかを確認しましょう。

使用人兼務役員になれない主な立場 注意点
代表取締役 現場業務をしていても原則として難しい
副社長・専務・常務 経営幹部としての性質が強い
監査役・監事 監査する立場のため使用人性を認めにくい
合同会社の業務執行社員 使用人兼務役員になれない範囲に含まれる
同族会社の一定株主 持株割合によって対象外になる

役員報酬と給与を両方もらえるかを判断する際は、まず「使用人兼務役員になれる立場か」を確認し、その後に「使用人としての実態があるか」を確認する流れが安全です。

同族会社では役員報酬と給与を両方もらえないケースがある

役員報酬と給与を両方もらえるかを考えるうえで、中小企業や家族経営の会社では、同族会社の判定が重要になります。役員が実際に現場で働いていても、本人や親族の持株割合によって、使用人兼務役員になれないケースがあるためです。

家族役員は特に慎重に確認する必要がある

家族経営の会社では、社長の配偶者、子ども、親族などが取締役として登記されているケースがあります。このような家族役員に対して、役員報酬と給与を両方もらえる形で支給したいと考えることもあるでしょう。

しかし、家族役員の場合は、同族会社の持株割合や勤務実態が厳しく見られやすいです。たとえば、社長の配偶者を取締役経理部長としているものの、実際には勤務実態が曖昧で、給与水準も他の従業員より高い場合、給与部分が否認される可能性があります。

IDEMAE編集部

役員報酬と給与を両方もらえるかを考える場合、家族役員については、単に「経理を手伝っている」「たまに会社の仕事をしている」という程度では不十分です。

勤務日数、勤務時間、担当業務、職務権限、給与水準、他の従業員との比較まで説明できるようにしておく必要があります。

持株割合によって使用人兼務役員になれないことがある

同族会社では、本人が属する株主グループや本人・配偶者などの所有割合によって、使用人兼務役員になれない場合があります。国税庁は、同族会社の役員について、株主グループの所有割合、本人が属する株主グループの所有割合、本人や配偶者等の所有割合を判定要素として示しています。

IDEMAE編集部

この判定は複雑なため、役員報酬と給与を両方もらえるかを自社だけで判断するのは危険です。可能であれば税理士などの専門家に相談しておくと安心です。

特に、親族で株式を持ち合っている会社、創業者一族が大半の株式を保有している会社、配偶者や子どもを役員にしている会社では、株主名簿をもとに確認する必要があります。

役員報酬と給与を両方もらえるかを検討する際、同族会社では「その人が実際に働いているか」だけでなく、「その人が税務上、使用人兼務役員になれる立場か」を確認することが重要です。

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役員報酬と給与を両方もらう場合の金額の分け方

役員報酬と給与を両方もらえるケースでも、金額をどのように分けるかは非常に重要です。使用人兼務役員に該当する場合、役員としての職務に対する役員報酬と、使用人としての職務に対する給与を区分して支給できます。しかし、金額を自由に分けてよいわけではありません。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関する参考記事:「役員賞与とは?役員報酬との違いや節税効果について徹底解説

役員報酬分は役員としての責任に対して支給する

役員報酬分は、取締役としての経営判断、会社の方針決定、取締役会への参加、経営責任などに対する報酬です。役員報酬は、株主総会や取締役会などで決定し、原則として毎月同額で支給します。

役員報酬を低く設定し、給与部分を大きくすれば柔軟に支給できると考えるのは危険です。給与部分が実質的に役員としての職務に対する支払いであれば、役員報酬と見られる可能性があります。

給与分は使用人としての職務に対して支給する

給与分は、使用人としての職務に対する支払いです。営業部長としての部下管理、工場長としての生産管理、経理部長としての経理実務など、具体的な業務に対する対価として支給します。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関するポイント!

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給与分を決める際は、他の従業員や同じ職位の給与水準と比較することが重要です。たとえば、他の部長職が月40万円程度であるにもかかわらず、使用人兼務役員の給与分だけ月100万円になっている場合、なぜその金額が妥当なのかを説明できなければ、税務上問題になる可能性があります。

役員報酬と給与の分け方で見るべきポイント

役員報酬と給与を両方もらえる場合は、次のような観点で金額を決めます。

確認項目 内容
役員報酬分の根拠 経営責任、会社規模、役員としての職務内容
給与分の根拠 使用人としての職務内容、勤務時間、責任範囲
他の従業員との比較 同じ職位や同じ業務の給与水準と比べて妥当か
社内規程との整合性 給与規程や役職手当のルールと矛盾しないか
証拠資料 議事録、賃金台帳、給与明細、職務分掌表を残しているか

役員報酬と給与を両方もらえる設計では、「いくらなら得か」だけでなく、「いくらなら説明できるか」が重要です。役員報酬と給与を両方もらえる場合でも、給与部分の根拠が曖昧だと、税務調査で否認されるリスクがあります。

役員報酬と給与を両方支給するときに必要な書類

役員報酬と給与を両方もらえる場合でも、必要な書類を整備していなければ、税務調査や労務調査で説明が難しくなります。役員報酬と給与を両方支給する場合は、実態を作るだけでなく、その実態を証明できる資料を残しておくことが重要です。

議事録で役員報酬と給与の区分を残す

まず、役員報酬については、株主総会や取締役会の議事録に決定内容を残します。誰に、いつから、いくらの役員報酬を支給するのかを明確にしておく必要があります。

使用人兼務役員として給与も支給する場合は、役員報酬分と使用人給与分の区分も記録しておくとよいでしょう。たとえば、「取締役営業部長として、役員報酬月額〇万円、営業部長としての給与月額〇万円を支給する」といった形で、支給区分を明確にします。

組織図や職務分掌表で使用人としての地位を示す

役員報酬と給与を両方もらえる根拠として、使用人としての職制上の地位を示す資料も重要です。組織図において、取締役営業部長、取締役工場長、取締役経理部長などの位置づけを明確にします。

また、職務分掌表を作成し、役員としての業務と使用人としての業務を分けておくと、説明しやすくなります。

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たとえば、取締役としての業務は経営方針の決定や取締役会出席、営業部長としての業務は部下の管理、営業計画の実行、顧客対応といった形です。

賃金台帳・給与明細・勤怠記録も重要

役員報酬と給与を両方もらえる形にする場合、賃金台帳や給与明細も重要です。給与明細上で、役員報酬と使用人給与を分けて記載しておくと、支給区分が分かりやすくなります。

また、使用人としての実態を示すためには、勤怠記録も重要です。役員には原則として勤怠管理が不要なケースもありますが、使用人兼務役員として給与を支給する場合は、使用人部分の勤務実態を示す資料が必要になることがあります。

役員報酬と給与を両方もらえるかどうかは、最終的に実態で判断されます。しかし、実態があっても書類がなければ説明しにくくなります。役員報酬と給与を両方支給する場合は、議事録、組織図、職務分掌表、賃金台帳、給与明細、勤怠記録を整えておくことが大切です。

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役員報酬と給与を両方もらう場合の税務上の注意点

役員報酬と給与を両方もらえる場合でも、税務上の注意点は多くあります。

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特に重要なのは、給与として支給している部分が、本当に使用人としての職務に対する給与といえるかどうかです。

使用人兼務役員の給与は法人税で損金算入できる?

使用人兼務役員に支給する給与は、すべてが同じ扱いになるわけではありません。役員報酬と給与を両方もらえる使用人兼務役員の場合、まず「役員として受け取る役員報酬」と「使用人として受け取る給与」を分けて考える必要があります。

結論として、使用人兼務役員に支給する給与のうち、使用人としての職務に対応する給与部分については、法人税上、損金算入できる可能性があります。つまり、役員報酬と給与を両方もらえるケースであっても、給与部分が実際に従業員としての労働の対価であれば、通常の従業員給与に近い形で経費計上できるということです。

一方で、使用人兼務役員に支給する金額のすべてが、自由に給与として損金算入できるわけではありません。役員報酬と給与を両方もらえる場合でも、役員としての職務に対する役員報酬部分は、通常の役員報酬と同じルールで判断されます。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関する注意点

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役員報酬は、定期同額給与や事前確定届出給与など、法人税上の要件を満たさなければ損金算入が認められないため注意が必要です。

たとえば、取締役営業部長が役員報酬と給与を両方もらえる場合、取締役として経営判断や取締役会への参加に対して支給される部分は役員報酬です。一方で、営業部長として部下の管理、営業活動、顧客対応、売上管理などを行うことに対して支給される部分は、使用人としての給与に該当する可能性があります。このように、役員報酬と給与を両方もらえるケースでは、どの業務に対する支払いなのかを明確に分けることが重要です。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関する参考記事:「役員報酬とは?会社設立前に知っておくべきルールや金額の決め方を解説

使用人兼務役員の給与を損金算入するうえで特に大切なのは、単に給与明細上で「役員報酬」と「給与」を分けることではありません。実際に使用人としての勤務実態があり、他の従業員と比較して給与額が不自然に高くなく、役員報酬部分と給与部分の区分を説明できる状態にしておく必要があります。

IDEMAE編集部

名目だけ給与にしていても、実態が役員としての報酬であれば、税務上は役員報酬と判断される可能性があります。

役員報酬と給与を両方もらえる使用人兼務役員については、会社側も「どこまでが役員報酬で、どこからが給与なのか」を整理しておくことが大切です。使用人給与部分は損金算入できる可能性がありますが、役員報酬部分は定期同額給与などの要件を満たす必要があります。この区分が曖昧なままだと、税務調査で給与部分の損金算入が否認されるリスクがあります。

つまり、使用人兼務役員の給与は、役員報酬と給与を両方もらえるからといって一括で判断するのではなく、役員報酬部分と使用人給与部分に分けて考える必要があります。使用人としての職務に対する給与部分は法人税上損金算入できる可能性がある一方、役員としての職務に対する役員報酬部分は通常の役員報酬と同じく、税務上の制限を受けます。役員報酬、給与、両方もらえるという設計を行う場合は、支給額の区分、職務内容、勤務実態、議事録や賃金台帳などの資料を整え、税務上説明できる状態にしておきましょう。

給与名目でも実態が役員報酬なら問題になる

税務上は、名目よりも実態が重視されます。給与明細で「給与」と書いていても、実際には使用人としての勤務実態がなく、役員としての職務に対する支払いであれば、役員報酬と判断される可能性があります。

役員報酬は、定期同額給与などの要件を満たさなければ損金算入が制限されます。さらに、不相当に高額な部分は損金算入できないとされています。 そのため、役員報酬と給与を両方もらえるように見えても、給与部分が実質的な役員報酬と判断されれば、会社側の経費処理に影響が出る可能性があります。

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家族役員への給与は否認リスクが高くなりやすい

家族役員に役員報酬と給与を両方支給する場合は、特に注意が必要です。家族役員への給与は、勤務実態や金額の妥当性が厳しく見られやすいです。

たとえば、社長の配偶者が取締役になっており、経理を担当しているとします。この場合、実際に毎日勤務し、経理業務を行い、他の従業員と同じように給与水準が合理的であれば、説明できる可能性があります。しかし、勤務実態が曖昧で、給与額だけが高い場合は、給与部分が否認されるリスクがあります。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関するポイント!

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役員報酬、給与、両方もらえるという設計では、親族だからこそ丁寧な書類整備が必要です。

税務調査で見られやすいポイント

役員報酬と給与を両方もらえる設計では、税務調査で次のような点を確認される可能性があります。

役員報酬と給与をなぜ分けているのか、給与部分はどの業務に対する対価なのか、他の従業員と比べて給与水準は妥当か、勤務実態はあるか、議事録や賃金台帳は整っているか、同族会社の持株割合に問題はないか、といった点です。

このような質問に答えられない場合、役員報酬と給与を両方もらえる形で支給していても、給与部分が否認されるリスクがあります。役員報酬と給与を両方もらえるかを検討する際は、税務調査で説明できる状態を前提に設計しましょう。

使用人兼務役員なら賞与・ボーナスももらえる?

役員報酬と給与を両方もらえるかを考える際、賞与・ボーナスの扱いも重要です。通常の役員賞与は、事前確定届出給与などの要件を満たさなければ、損金算入が難しくなります。業績が良かったからといって、役員に自由に賞与を支給して経費にできるわけではありません。

一方、使用人兼務役員の場合、使用人としての職務に対する賞与、つまり使用人分賞与については、他の従業員と同じ基準で支給されている場合、損金算入できる可能性があります。

使用人分賞与は他の従業員と同じ基準が重要

使用人兼務役員に賞与を支給する場合は、他の従業員と同じ賞与規程や評価基準に基づいているかが重要です。営業部長としての成果、部門目標の達成度、勤務実績などに応じて、他の部長職と同じ基準で賞与を支給している場合は、使用人分賞与として説明しやすくなります。

一方で、その役員だけに特別な賞与を支給している場合や、賞与規程がない場合、実態は役員賞与ではないかと見られる可能性があります。役員報酬と給与を両方もらえる場合でも、賞与まで自由に支給できるわけではありません。

役員賞与と使用人分賞与を混同しない

役員賞与と使用人分賞与は、税務上の扱いが異なります。役員賞与は事前確定届出給与などの要件が重要ですが、使用人分賞与は使用人としての職務に対する支払いであることが前提です。

つまり、役員報酬と給与を両方もらえる使用人兼務役員であっても、賞与の中身を分けて考える必要があります。

IDEMAE編集部

役員としての功績に対する賞与なのか、使用人としての業績に対する賞与なのかを明確にしましょう。

役員報酬と給与を両方もらう場合の社会保険

役員報酬と給与を両方もらえる場合、社会保険の扱いも確認が必要です。役員報酬と給与を会計上・税務上分けていても、社会保険では報酬月額としてどのように扱うかが重要になります。

日本年金機構は、厚生年金保険の標準報酬月額について、基本給のほか残業手当や通勤手当などを含めた税引前の給与を一定の幅で区分した報酬月額に当てはめ、保険料や年金額の計算に用いると説明しています。

役員報酬と給与を分けても社会保険料に影響する

役員報酬と給与を両方もらえる使用人兼務役員の場合、社会保険では、役員報酬部分と給与部分の合計が報酬月額に影響する可能性があります。単に「給与部分だけが社会保険の対象になる」と考えるのではなく、会社から受ける報酬全体をもとに標準報酬月額を確認する必要があります。

たとえば、役員報酬月額30万円、使用人給与月額20万円であれば、合計50万円の報酬を前提に社会保険料を確認する必要が出てきます。役員報酬と給与を両方もらえる設計にする場合、本人の手取りだけでなく、会社負担の社会保険料も含めて考えることが大切です。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関する参考記事:「役員報酬と従業員給与、両方もらえるケースがある~使用人兼務役員の基本と注意点~

報酬変更時は月額変更届にも注意する

役員報酬や給与を変更した場合、標準報酬月額の変更が必要になることがあります。特に、役員報酬を増額・減額した場合、給与部分を新たに設定した場合、固定的賃金が大きく変わった場合は、月額変更届の対象になる可能性があります。

IDEMAE編集部

役員報酬と給与を両方もらえるかを考えるときは、税務だけでなく、社会保険料への影響も確認しておきましょう。

使用人兼務役員は雇用保険に入れる?

役員報酬と給与を両方もらえる使用人兼務役員の場合、雇用保険に入れるかどうかも重要な論点です。通常、役員は経営側の立場であり、労働者とは扱われにくいため、雇用保険の対象外となるのが基本です。

しかし、使用人兼務役員のように、役員でありながら使用人としての勤務実態がある場合は、使用人部分について雇用保険の対象になる可能性があります。

雇用保険は使用人としての労働者性が重要

雇用保険に入れるかどうかは、役員報酬と給与を両方もらえるかと同じく、名目では判断されません。重要なのは、使用人としての労働者性があるかどうかです。

具体的には、会社の指揮命令を受けているか、勤務時間が管理されているか、使用人としての職務が明確か、給与が労働の対価として支払われているかなどが判断材料になります。

代表取締役は雇用保険も難しい

代表取締役は、使用人兼務役員になりにくいだけでなく、雇用保険の対象にもなりにくいです。代表取締役は会社を代表する経営者であり、会社から指揮命令を受ける労働者とは考えにくいためです。

一方、平取締役兼営業部長のように、役員でありながら使用人としての勤務実態が強い場合は、雇用保険の加入可否を検討する余地があります。

IDEMAE編集部

実務上は、ハローワークに兼務役員雇用実態証明書などを提出し、労働者性を確認するケースがあります。

役員報酬と給与を両方もらう場合、有給休暇はある?

役員報酬と給与を両方もらえる場合、有給休暇の扱いも気になるポイントです。原則として、役員は労働基準法上の労働者ではないため、有給休暇の対象にはなりません。役員報酬は、労働時間に対する賃金ではなく、役員としての職務執行や経営責任に対する報酬だからです。

ただし、使用人兼務役員として従業員部分の実態が強い場合は、有給休暇の付与や勤怠管理が必要になる可能性があります。提供情報でも、使用人兼務役員は従業員としての実態が強い場合に労働者性が認められ、有給休暇の付与義務が生じる可能性があると整理されています。特に、指揮命令下にあるか、勤務時間管理がされているか、賃金が支払われているかが判断ポイントになります。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関する参考記事:「役員報酬の給与明細は必要?テンプレートをもとに書き方を解説

使用人としての実態があるなら有給管理も必要になる

取締役営業部長が、他の従業員と同じように出退勤を管理され、営業部長として業務指示を受け、給与規程に基づいて給与を受け取っている場合、使用人部分について労働者性が認められる可能性があります。この場合、役員だから有給休暇は一切不要と処理すると、労務上の問題が生じる可能性があります。

役員報酬と給与を両方もらえる設計にする場合は、給与部分を作るだけでなく、勤怠管理、有給管理、雇用保険、社会保険まで一体で確認することが重要です。

役員報酬と給与を両方もらう設計が向いているケース

役員報酬と給与を両方もらえる設計は、すべての会社に向いているわけではありません。使用人兼務役員としての実態があり、税務・労務の書類管理ができる会社であれば、役員報酬と給与を分ける設計を検討しやすくなります。

平取締役が部長職として常時勤務しているケース

もっとも検討しやすいのは、平取締役が部長職として常時勤務しているケースです。たとえば、社員から取締役に登用されたものの、引き続き営業部長や工場長として日常業務を担当している場合です。

このような場合、役員としての経営責任と、使用人としての現場業務を分けて説明しやすいため、役員報酬と給与を両方もらえる可能性があります。

組織図や職務分掌を明確にできるケース

役員報酬と給与を両方もらえる設計は、組織図や職務分掌が明確な会社と相性が良いです。誰がどの部署を管理しているのか、使用人兼務役員がどの職務を担当しているのか、役員としての仕事と使用人としての仕事がどう分かれているのかを説明しやすいためです。

IDEMAE編集部

逆に、組織図がなく、職務分掌も曖昧で、日々の業務内容を説明できない場合は、役員報酬と給与を両方もらえる設計にしても、後から根拠を示しにくくなります。

税務・労務をまとめて管理できるケース

役員報酬と給与を両方もらえる設計では、税務だけでなく労務も関係します。損金算入、定期同額給与、使用人給与の相当性、社会保険、雇用保険、有給休暇、勤怠管理などをまとめて管理できる会社であれば、制度設計を進めやすくなります。

役員報酬と給与を両方もらう設計が向いていないケース

一方で、役員報酬と給与を両方もらう設計が向いていないケースもあります。使用人兼務役員としての実態がないにもかかわらず、税務上有利そうだからという理由で役員報酬と給与を分けるのは避けるべきです。

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代表取締役本人に給与も出したいケース

代表取締役本人に、役員報酬とは別に給与も支給したいケースは注意が必要です。代表取締役は使用人兼務役員になりにくく、役員報酬と給与を両方もらえる設計には向いていません。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関する参考記事:「役員報酬とは|決め方や相場、給与との違いなどをわかりやすく解説

代表取締役が営業や経理をしている場合でも、それは代表者として会社運営をしている一環と見られやすいです。役員報酬を低くして給与を別枠で支給するような設計は、税務上リスクが高くなります。

家族役員に形式的に給与を支給したいケース

家族役員に形式的に給与を支給したいケースも、役員報酬と給与を両方もらえる設計には向いていません。勤務実態がない、出勤記録がない、業務内容が説明できない、給与水準が高すぎるといった場合、給与部分が否認されるリスクがあります。

役員報酬と給与は両方もらえるかに関するポイント!

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家族役員の場合は、役員報酬と給与を両方もらえるかどうか以前に、本当に勤務実態があるのか、職務内容に対して金額が妥当なのかを慎重に確認する必要があります。

書類整備ができないケース

役員報酬と給与を両方もらえる設計では、議事録、組織図、職務分掌表、賃金台帳、給与明細、勤怠記録などの書類が重要です。これらを整備できない場合、役員報酬と給与を両方支給していても、後から説明できなくなる可能性があります。

「実際に働いているから大丈夫」と考えるのではなく、「実際に働いていることを資料で説明できるか」まで確認しましょう。

役員報酬と給与の両方で迷ったら税理士・社労士に相談すべき理由

役員報酬と給与を両方もらえるかどうかは、税務だけで判断できる問題ではありません。使用人兼務役員に該当するか、役員報酬と給与をどう分けるか、損金算入できるか、社会保険料にどう影響するか、雇用保険に加入できるか、有給休暇の管理が必要かなど、税務・労務・社会保険の複数の論点が関係します。

税理士に相談すべき内容

税理士には、役員報酬の金額設定、定期同額給与のルール、使用人給与の相当性、使用人分賞与の扱い、会計処理、議事録の整備などを相談するとよいでしょう。

IDEMAE編集部

特に、役員報酬と給与を両方もらえる形にする場合、給与部分が本当に使用人給与として説明できるか、役員報酬と給与の区分に無理がないか、同族会社の持株割合に問題がないかを確認することが重要です。

社労士に相談すべき内容

社労士には、雇用保険の加入可否、有給休暇の付与、勤怠管理、社会保険の標準報酬月額、給与計算の実務などを相談するとよいでしょう。

役員報酬と給与を両方もらえる使用人兼務役員の場合、税務上は給与として扱えても、労務上どのように管理すべきかを確認する必要があります。特に、雇用保険や有給休暇は労働者性が関係するため、税理士だけでなく社労士の確認も重要です。

税務・労務・経理を一元管理できると安心

役員報酬と給与を両方もらえるかを検討する場合、税務、労務、経理を別々に考えると確認漏れが起きやすくなります。税務上は損金算入、労務上は雇用保険や有給休暇、経理上は給与計算や記帳処理が関係するためです。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関する参考記事:「役員報酬と給与の両方をもらえるケース

税務・労務・経理をまとめて相談できる体制であれば、役員報酬の設定、給与計算、社会保険手続き、記帳処理まで一体で確認しやすくなります。役員報酬と給与を両方もらえるか不安な場合は、支給を始める前に相談しておくと安心です。

役員報酬と給与は両方もらえるかに関するよくある質問(FAQ)

代表取締役は役員報酬と給与を両方もらえる?

代表取締役は、原則として役員報酬と給与を両方もらえる使用人兼務役員にはなれません。代表取締役は会社を代表する経営者であり、会社の指揮命令を受ける使用人とは考えにくいためです。代表取締役が営業、経理、採用、現場管理などをしていても、役員報酬とは別に給与を支給できると安易に判断しない方が安全です。

取締役営業部長なら役員報酬と給与を両方もらえる?

取締役営業部長の場合、役員報酬と給与を両方もらえる可能性があります。ただし、肩書きだけでは不十分です。営業部長としての職制上の地位があり、実際に営業部門の管理や営業実務に常時従事している必要があります。

IDEMAE編集部

役員報酬と給与を両方もらえる形にする場合は、役員報酬分と使用人給与分を明確に区分し、議事録や賃金台帳などを整備しておくことが重要です。

家族役員に役員報酬と給与を両方支給できる?

家族役員に役員報酬と給与を両方支給する場合は、特に注意が必要です。同族会社では、本人や親族の持株割合によって使用人兼務役員になれないケースがあります。また、勤務実態がない家族役員に給与を支給している場合、税務上否認されるリスクがあります。家族役員に役員報酬と給与を両方もらえる形で支給したい場合は、株主構成、勤務実態、給与の相当性を確認しましょう。

役員報酬と給与を分けると節税になる?

役員報酬と給与を分けること自体が節税になるわけではありません。使用人兼務役員としての実態があり、役員報酬分と使用人給与分を合理的に区分できる場合に、結果として適切な損金算入につながることはあります。

IDEMAE編集部

しかし、節税目的だけで役員報酬と給与を分けると、税務調査で否認されるリスクがあります。

使用人兼務役員は賞与ももらえる?

使用人兼務役員は、使用人としての職務に対する賞与をもらえる可能性があります。ただし、他の従業員と同じ賞与規程や評価基準に基づいて支給されていることが重要です。実態が役員賞与であるにもかかわらず、使用人分賞与として処理している場合、損金算入が認められないリスクがあります。

使用人兼務役員は雇用保険に入れる?

使用人兼務役員は、使用人としての労働者性が認められる場合、雇用保険に入れる可能性があります。ただし、代表取締役や専務・常務など経営者性が強い立場では難しいです。雇用保険の加入可否は、職務内容、勤務時間、指揮命令関係、給与の支払い実態などをもとに判断されます。

役員報酬と給与は両方もらえるのかに関する参考記事:「役員報酬と給与は両方支給できる?基本的にNGだがOKの場合も

役員報酬と給与を両方もらう場合、有給休暇はある?

役員としての立場だけであれば、原則として有給休暇の対象ではありません。ただし、使用人兼務役員として従業員部分の実態があり、労働者性が認められる場合は、有給休暇の付与や勤怠管理が必要になる可能性があります。役員報酬と給与を両方もらえる場合は、給与部分を作るだけでなく、有給休暇の扱いも確認することが大切です。

役員報酬と給与は両方もらえるかに関するよくある質問(FAQ)

まとめ|役員報酬と給与は両方もらえる?

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税理士に記帳代行業務のみを依頼する場合、1万円~3万円程度が相場です。給与計算の代行も依頼すると4万~5万円程度になることも少なくありません。

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役員報酬と給与は、原則として自由に両方もらえるものではありません。役員に対して支給するお金は、基本的には役員報酬として扱われ、税務上も定期同額給与などのルールに注意する必要があります。給与という名目にすれば、役員報酬とは別に自由に支給できるわけではありません。

ただし、使用人兼務役員に該当する場合は、役員報酬と給与を両方もらえる可能性があります。取締役営業部長や取締役工場長のように、役員でありながら、部長や工場長として日常的に使用人業務へ従事している場合です。

一方で、代表取締役、専務、常務、監査役、合同会社の業務執行社員などは、使用人兼務役員になれない範囲に含まれます。

IDEMAE編集部

同族会社では、本人や親族の持株割合によって、役員報酬と給与を両方もらえる設計が難しくなるケースもあります。

役員報酬、給与、両方もらえるというテーマでは、「両方支給できるか」だけでなく、「両方支給しても税務・労務上説明できるか」が重要です。使用人兼務役員に該当するかどうかは、役職、職務実態、持株割合、給与の相当性、証拠書類によって判断されます。

役員報酬と給与の設計を誤ると、給与部分が役員報酬とみなされたり、損金算入が認められなかったり、社会保険や雇用保険、有給休暇の管理に漏れが生じたりする可能性があります。役員報酬と給与を両方もらえるか迷った場合は、税理士や社労士に相談し、税務・労務・経理をまとめて確認しながら進めることが大切です。