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従業員を雇うときの手続きのやり方・必要書類の書き方について解説!
公開日:2023.09.29
更新日:2024.05.16
書類の書き方については記載例とあわせて解説するので、提出する書類の書き方が分からないという方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
従業員を新たに雇う際の手続きの概要や流れについては、関連記事「従業員を雇うときの手続きのやり方や手順について詳しく解説」でも解説しています。従業員を雇う時に必要となる手続きの全体像の解説や雇用保険や社会保険の加入条件などを把握したい方は、上記の記事をご覧ください。
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従業員を雇うときに必要な書類①:雇用契約書
新しく従業員を雇う際にまず必要なことは、雇用契約書を交わすことです。雇用契約書を通して新しく雇う従業員へ労働条件の明示を行い合意します。雇用契約書を作成したら会社で保管しておきましょう。
雇用契約書とは
雇用契約書とは、会社(事業主)と従業員(労働者)との間で、雇用に関するルールを決めておくための書類です。労働条件をしっかりと定めていないと、会社と従業員間でのトラブルの原因になりかねません。トラブルを未然に防ぐためにも、雇用契約書にどのような事項を記載するのかを、事前に確認しておきましょう。
新しく雇う従業員が安心して働き始められるように、余裕をもって書類の作成を進めて従業員へ共有を行いましょう。
記載内容のポイント
雇用契約書には必ず明示しなければならない事項と、会社によって記載すべき事項があります。例えば、「退職手当」「従業員への食事の提供」など、従業員が働くにあたって、会社として制度を設けている場合はそれについての記載が必要となります。
雇用契約書を作成する際には、自分の会社がどのような事項を明記する必要があるのかを確認しながら作成を進めていきましょう。
まずは、雇用契約書に必ず明示しなければいけない事項について解説していきます。
- ・契約の期間
- ・就業場所・業務内容
- ・始業・終業の時刻、休憩時間、所定労働時間外労働の有無・休日・休暇
- ・賃金の決定・計算・支払い方法・締切・支払日
- ・昇給・賞与
- ・解雇の事由を含む退職についての事項
- ・契約更新の有無とその基準
契約の期間
契約期間については、そもそも契約期間があるのか、また契約期間がある場合にどのくらいの長さになるのかを記載します。
正社員の場合は「期間の定めはなし」、アルバイトやパートの場合は「期間の定めあり」と記載することが多く、アルバイト・パートの契約期間は、一般的に「3ヶ月」・「6ヶ月」・「1年」のいずれかを選択する場合が多いです。
就業場所・業務内容
<就業場所>就業場所については、それぞれ従業員が働く場所を記載します。設立からまだ日が浅く、支店などがない場合(本社のみで働く場合)は「本店」と記入すれば問題ありません。
その他、「東京都渋谷区〇〇」のように、正式な住所を記載しても問題ありません。
<業務内容>
業務内容については、新しく雇う従業員が実際に関わる業務を記載します。
営業職であれば「営業」、企画職であれば「企画」など、雇う従業員にあわせて業務内容の記載は異なります。
始業・終業の時刻、休憩時間、所定労働時間外労働の有無・休日・休暇
始業・終業の時刻
始業・終業の時刻として、1日に何時から何時まで働くのかを記載します。労働基準法で、1日の労働時間は8時間以内、1週間の労働時間は40時間以内と定められているので超えないように記載を行います。
休憩時間
休憩時間は、先ほど定めた労働時間が6時間未満の場合は設定する必要はありません。しかし労働時間が6時間を超える場合には45分以上、8時間を超える場合には1時間以上の休憩時間を定める必要があります。
「所定労働時間」という言葉を聞いたことがある方もいると思いますが、ここで定めた始業〜終業の時刻から、休憩時間を差し引いた時間が「所定労働時間」となります。
所定労働時間外労働の有無
次に、所定労働時間外労働の有無について記載します。少し馴染みのない単語ですが、上記で定めた「所定労働時間」以外で働く場合があるか。つまりは残業があるかどうかということです。
残業がある場合にはもちろん「あり」となりますし、早朝出勤などがある場合にも「あり」となります。
より詳しい内容を知りたい方は所定労働時間外労働の定義や計算方法について解説しているサイトなどが参考になるかと思います。
休日・休暇
労働基準法で労働時間が定められているように、休日についても「週に1日以上」と定められています。一般的な週休2日のスケジュールを設けている会社の場合は「毎週土曜日・日曜日、国民の祝日」などといった記載をしておきましょう。
正社員ではなくアルバイトの方で、シフト制によって休日が不定期の場合は「シフトによる」と記載を行います。
休暇については、年末年始や夏季休暇などの休暇があれば記載をしておきましょう。
賃金の決定・計算・支払い方法・締切・支払日
賃金の項目では、「基本給(アルバイトの場合は時給)」や「賃金の計算期間」、「支払日」、「支払方法」の記載を行います。また、注意しなければいけないのは「割増賃金」についてです。所定労働時間外、法定外休日、深夜労働は最低でも25%以上、法定休日は35%以上の賃金の割増を行うことが法律で定められています。
アルバイトなどで深夜(22時〜5時)に働く場合なども考慮して、雇用契約書に定めておくと良いでしょう。
昇給・賞与
昇給や賞与については、どちらも「あり」か「なし」かを明記して、「あり」の場合は時期や金額の記載を行います。昇給の場合は「入社から3ヶ月ごとに能力等を勘案し改定」や、賞与の場合は「業績による」などの記載を行います。この部分は会社によって異なるので、自社で決めた規定をもとに記載を進めていきましょう。
昇給や賞与について決める際のポイントを解説している記事も参考になるかと思います。
解雇の事由を含む退職についての事項
退職については、定年制や解雇事由、また自社都合によって退職する場合の手続きなどについて記載します。
契約更新の有無とその基準
契約更新の有無とその基準については、そもそも契約の更新があるのか、また自動的に更新されるのかなど、更新の有無について明示します。そして契約更新がある場合には、どのような基準で判断を行うのかを記載する必要があります。厚生労働省が出している「有期労働契約の締結、更新について」では、
- ・契約期間満了時の業務量により判断する
- ・労働者の勤務成績、態度により判断する
- ・労働者の能力により判断する
有期雇用と無期雇用の違いについて解説している記事なども参考になるかと思います。
記載例
これまで解説した事項は以下の記載例にまとめていますので、実際に記入を行う際に参考にしてください。
記載例にもある通り、雇用契約書の作成を終えた後には会社実印と従業員個人の押印が必要です。押印によって雇用契約書を両者が確認し同意したこととなるため、両者でしっかりと内容を確認してから押印を行いましょう。
雇用契約書の書き方について詳細に解説している記事もありますので、詳しく知りたい方はご覧ください。
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従業員を雇うときに必要な書類②:雇用保険被保険者資格取得届
雇用契約書の締結を終えたら、次に従業員が加入する保険手続きを進めていきます。雇用保険と社会保険の加入が必要となるので、以下を参考に手続きを進めていきましょう。
まずは、雇用保険の加入に必要な、雇用保険被保険者資格取得届について解説していきます。
雇用保険被保険者資格取得届とは
雇用保険とは従業員が失業した際や、育児休業の際など、生活の雇用の安定・就職の促進のための保険です。「失業給付」や「育児休業給付」などを受け取れるのは、雇用保険に加入しているためです。
雇用保険に加入するためには、雇用保険被保険者資格取得届という書類を管轄の公共職業安定所(ハローワーク)へ提出します。
正社員を新しく雇う際には、必ず雇用保険に加入する必要がありますが、アルバイトやパートを雇う際は、条件に応じて加入するか判断する必要があります。
その条件とは以下の3つです。
- 1. 勤務から最低31日以上の雇用が見込まれている
- 2. 労働時間が1週間あたり「20時間以上」
- 3. 学生ではない
記載例
雇用保険被保険者資格取得届は、以下の記載例を参考に記入を進めましょう。記入用紙はこちらのページ(雇用保険被保険者資格取得届|ハローワーク)からダウンロードが可能です。
雇用保険被保険者資格取得届の提出期限は、入社日の翌日から11日以内となっています。提出を忘れることがないように注意しましょう。自社の管轄のハローワークが分からない場合は、以下のサイトが便利ですので活用しましょう。
自社の各種役所判定|SoVa Tool
従業員を雇うときに必要な書類③:健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届
雇用保険被保険者資格取得届の作成を終えたら、次に「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」という書類の作成を行います。
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届とは
雇用保険被保険者資格取得届は、雇用保険へ加入するための書類に対して、健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届は、名前の通り社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入するために必要な書類です。正社員として従業員を雇う場合は、必ず社会保険に加入する必要があります。また、正社員以外のアルバイトやパートなども条件によっては加入対象となります。
具体的には「1週間の所定労働日数と1ヶ月の所定労働日数が、正社員の4分の3以上の場合」には、アルバイトやパートの場合でも社会保険の加入対象となります。
記載例
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届の記入は、以下の記載例を参考に進めていきましょう。記入用紙はこちらのページ(健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届|日本年金機構)からダウンロードが可能です。この書類は、従業員の入社日から6日以内に提出を行う必要があります。雇用保険被保険者資格取得届(従業員の入社日の翌日から11日以内)とは、提出期限が異なりますので注意しましょう。
従業員を雇うときに必要な書類④:被扶養者異動届
最後に被扶養者異動届の作成を行って、従業員を雇う際に必要な書類の作成は完了します。この書類は、新しく雇う従業員に扶養対象がいる場合に提出が必要となり、いない場合は提出の必要はありません。
被扶養者異動届とは
前述の通り、被扶養者異動届は新しく雇う従業員に扶養対象がいる場合に提出が必要となります。扶養対象とは、自分の稼ぎで生計を立てていない「配偶者」や「子ども」「両親」などが該当します。
被扶養者の対象範囲などについては、こちらの記事(被扶養者とは?被扶養者の概要や範囲を解説|協会けんぽ)もあわせてご覧ください。
また、従業員のご家族が社会保険の扶養に該当するかどうかは、以下の画像で簡単に判断することが可能です。あわせてご活用ください。
記載例
被扶養者異動届の記入は、以下の記載例を参考に行ってください。記入用紙はこちらのページ(被扶養者異動届|日本年金機構)からダウンロードが可能です。被扶養者異動届は、従業員の入社日から6日以内に提出を行う必要があります。また、添付書類として90日以内に発行された戸籍謄本か住民票のどちらかが必要です。提出の際は添付を忘れずに注意しましょう。
被扶養者異動届の書き方についてさらに詳しく解説しているサイトもありますので、詳細に知りたい方はご覧ください。
従業員入社の手続きを、早く終わらせる方法
本記事で解説した通り、従業員が入社した際には多くの書類を提出する必要があります。従業員入社時の手続きは、「時間をかけて自分で行う」か「司法書士へ依頼する」の2通りの方法があります。
司法書士へ依頼する場合は、費用がかかってしまうためなるべくコストを抑えて手続きを終わらせたいという方も多いでしょう。
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まとめ
この記事では、従業員を雇う際に必要な- 雇用契約書
- 雇用保険被保険者資格取得届
- 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届
- 被扶養者異動届
この手続きは、従業員を新たに雇用する度に必ず行う手続きです。雇う従業員によって提出する書類も異なるので、入社してくる従業員にどのような手続きが必要かを確認しながら、手続きを進めていきましょう。
また、提出するすべての書類に提出期限が定められています。提出が遅れることのないように注意しましょう。
提出必要書類の一覧
- 雇用契約書
- 雇用保険被保険者資格取得届
- 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届
- 被扶養者異動届
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