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従業員を雇うときの手続きのやり方や手順について詳しく解説
公開日:2023.09.29
更新日:2024.01.25
従業員を雇う際に必要な入社手続きは、従業員の生活と密接に関係しています。従業員の方に気持ちよく働き始めてもらうためにも、正確に手続きを進めていきましょう。
この記事は従業員を雇う場合に必要な手続きの全体像を解説している記事になりますので、各書類の詳しい記載内容は関連記事「従業員を雇うときの手続きのやり方・必要書類の書き方について解説! 」をご覧ください。
- ・これから従業員を雇おうと思っている
- ・従業員を雇ったが、まだ手続きを済ませていない
従業員を雇うときの手続きのやり方の流れ
まずは、従業員を雇うときに行うべき手続きの流れを把握しておきましょう。
従業員を雇うときに必要な手続きは、以下の流れで進めていきます。
1. 労働条件の明示(雇用契約書の作成)
従業員を雇う際には、労働時間や賃金などの労働条件を明示しなければならないことが労働基準法で定められています。明示した情報は書面に記載し、新たに雇う従業員へ交付する必要があるため、「雇用契約書」という書類の作成を行います。2. 雇用保険・社会保険への加入手続き
雇用契約書の締結後は、従業員の保険への加入手続きを行います。雇うすべての従業員が対象となるわけではありませんので、注意しておきましょう。新たに雇う従業員が、それぞれの保険の加入条件に当てはまるかを事前に確認する必要があります。保険への加入手続きを行う際は、役所へ提出する書類の記入・提出を行います。(雇う従業員が労働保険や社会保険の加入対象となるかの判定については後述します。)3. 各種書類の提出
最後に作成した書類の提出を行います。雇用契約書は提出する必要はありませんが、雇用保険や社会保険への加入手続きを行う際は、ハローワークや日本年金機構の事務センターなどの管轄の役所へ書類を提出する必要があります。
書類を提出する際には、自社の管轄の役所がどこかを事前に確認しておきましょう。
1. 労働条件を伝えるため、雇用契約書を必ず提示しましょう
まずは、労働条件の明示を行うために、労働条件をまとめた「雇用契約書」の作成を行います。雇用契約書は会社と従業員の間で労働条件を確認・合意するための書類です。
雇用契約書に記載すべき事項は労働基準法で定められています。そのため、書類として不備がないように注意して雇用契約書の作成を進めていきましょう。
雇用契約書と似た書類で、「労働条件通知書」という書類があります。この書類は雇用契約書と同様に、労働条件を記載した書類(労働条件の通知が目的となる書類)です。
雇用契約書と労働条件通知書の違いを紹介している記事や作成時のポイントを解説している記事もありますので、参考にしてみてください。
雇用契約書に記載すべき事項
雇用契約書には、以下の事項を必ず記載しなければなりません。
雇用契約書に記載する事項
- ・労働契約の期間
- ・就業場所、業務内容
- ・始業時刻・終業時刻、残業の有無、休憩時間、休日、休暇(交替制勤務を指せる場合には就業時転換に関する事項)
- ・賃金、昇給について
- ・退職(解雇)について
「退職手当」や「賞与」、「休職」などに関する事項については、会社として制度を設けている場合に雇用契約書へ記載を行います。
制度を設けている場合に記載すべき事項
- ・退職手当について
- ・賞与、最低賃金について
- ・従業員に負担させる食費や作業用品等について
- ・安全及び衛生について
- ・災害補償や傷病扶助について
- ・表彰および制裁について・
- ・休職について
雇用契約書には、会社実印と新たに雇う従業員の押印が必要となります。雇用契約書の作成や締結をスムーズに進めるためにも、事前に従業員の方に押印が必要な旨を伝えておきましょう。
参考までに雇用契約書の記載例を示しておきます。
2. 社会保険・労働保険への加入手続き
雇用契約書の作成を終えたら、次に従業員が加入する社会保険・労働保険の手続きを行います。前述の通り、新しく雇うすべての従業員が強制的に加入するわけではなく、契約期間や所定労働時間など、新しく雇う従業員労働条件によって加入するかどうかが異なるので注意しましょう。
まずは、「社会保険」と「労働保険」がどのような保険なのか、それぞれの保険の加入条件もあわせて解説していきます。
社会保険とは
社会保険とは、健康保険や厚生年金保険、介護保険の総称です。従業員が病気や怪我をした際や、高齢、介護が必要となった際に備えるための保険です。
従業員が社会保険に加入する場合は、社会保険料の支払いが発生します。支払いが発生した社会保険料は、会社と従業員が折半して支払いを行います。
加入義務のある事業者
社会保険は従業員の生活に密接する保険のため、原則としてすべての法人事業者が加入しなければなりません。例外として農林漁業やサービス業などの事業者は加入する必要がない場合もありますが、基本的に「法人事業者は、社会保険には加入しなければならない」ということは覚えておきましょう。加入対象となる従業員
常時雇用される従業員を雇う際には、必ず社会保険に加入する必要があります。正社員だけが社会保険の加入対象となるわけではなく、「1週間の所定労働日数と1ヶ月の所定労働日数が、正社員の4分の3以上の場合」には、アルバイトやパートなどの契約でも加入対象となります。基本的には上記を押さえておけば問題ありませんが、日本年金機構のホームページのように社会保険の加入条件について詳しく説明しているサイトもありますので、より詳しい内容を知りたい方はご確認ください。
労働保険とは
先ほど解説した社会保険が「健康保険」や「介護保険」など生活に密接した保険に対して、労働保険は名前の通り労働(仕事)にまつわる保険です。
労働保険とは、「労災保険」と「雇用保険」の2つの保険の総称で、従業員が仕事中に怪我をするリスクや失業するリスクに対応した保険です。
加入義務のある事業者
厚生労働省がこちらのページ(労働保険とは?|厚生労働省)でも解説している通り、従業員(アルバイト・パート含む)を一人でも雇っていれば、労働保険の適用事業者となります。加入対象となる従業員
前述の通り、労働保険は「労災保険」と「雇用保険」に分けられますが、それぞれ加入条件が異なります。労災保険は、パート・アルバイトを含むすべての従業員が加入しなければなりません。
一方で雇用保険は、
- ・31日以上の雇用が見込まれている
- ・1週間の所定労働時間が20時間以上
- ・学生ではない
雇用保険の加入条件や加入に際して必要となる手続きは、こちらの記事(雇用保険の加入条件や手続き、必要書類について解説します。)でも解説しています。あわせてご覧ください。
社会保険と労働保険の加入条件についてよくわからないという方は、以下の画像を参考にしてみてください。それぞれの保険の加入条件について、分かりやすくまとめています。
3.各書類の提出
新たに雇う従業員がどの保険に入るべきかを確認したら、保険の加入に必要な書類を提出します。社会保険と労働保険に必要な書類と提出先について、それぞれ解説していきます。
社会保険への加入手続きと提出書類
社会保険に加入する際には、日本年金機構の事務センター(年金事務所)への手続きが必要です。以下の2つの書類の準備を行いましょう。
- ・健康保険・厚生年金被保険者資格取得届
- ・被扶養者異動届
家族の中でどこまでが被扶養者の対象となるかについては、こちらの記事(被扶養者とは?|全国健康保険協会)もあわせて見ておきましょう。
労働保険への加入手続きと提出書類
労働保険に加入する際には、管轄のハローワークへの手続きが必要です。
ハローワークへ、以下の2つの書類を提出します。
- ・雇用保険被保険者資格取得届
- ・雇用契約書
ハローワークへの必要書類の提出を終えると、「雇用保険被保険者証」と「雇用保険資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」が交付されるので、今回加入した従業員へ渡しましょう。
上記の流れで、雇用保険に関する加入手続きは完了です。
従業員に提出してもらう書類
従業員を雇う際には、上記のような流れで必要な書類を提出しますが、従業員からも書類をいくつか提出してもらう必要があります。従業員に提出してもらう書類の例を、以下にまとめておきます。忘れずに提出をしてもらいましょう。
新卒入社か中途入社か、また扶養者の有無によっても、従業員から提出してもらう書類は異なるので、注意しましょう。
- ・住民票記載事項証明書
- ・源泉徴収票(前職で給与収入がある場合)
- ・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
- ・マイナンバーカードもしくは通知カード
- ・年金手帳
- ・被扶養者(異動)届(扶養者がいる場合)
- ・雇用保険被保険者証(以前に雇用保険に加入していた場合)
- ・給与の振込依頼書
- ・通勤手当申請書
まとめ
この記事では、従業員を雇う時に必要な手続きや、手順について解説しました。会社の経営を進めていくと、売上や規模の拡大を目指して従業員を雇うことも増えていきます。この記事でご紹介した手続きの進め方や手順を参考に、行うべき手続きをしっかりと把握しておきましょう。
従業員を雇う際に必要な手続きは「社会保険」や「雇用保険」など、従業員の生活に関わります。手続きを忘れることがないように注意しましょう。
提出必要書類の一覧
- 健康保険・厚生年金被保険者資格取得届
- 被扶養者異動届
- 雇用保険被保険者資格取得届
- 雇用契約書
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