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会社設立の書類や手続きのやり方に関して
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会社設立の書類や手続きのやり方に関する士業の会話
はい、井上さんですね。会社設立を自分で行うことを考えているとのことですが、何かご質問がありますか?
はい、自分で設立を頑張っているのですが、 会社設立の書類に関して、いろんな書類があるのはわかるんですがその中でも、登記申請書って、具体的にどんなものなんですか?ここからまず知りたいです。
登記申請書は、会社設立の際に法務局へ提出する基本的な書類です。
この書類には、会社の商号(名前)、本店所在地、事業目的、資本金の額など、会社設立に必要な基本情報を記載します。また、登録免許税の金額や添付する書類一覧も含まれます。設立を自分で行う場合はこれらを自分で作成する必要があります。
なるほど、では登記申請書にはどんな項目を記入する必要があるんですか?
一応自分でも調べているのですが改めて教えてください。
主に、会社の商号、本店所在地、設立時の目的、設立日、資本金額、取締役の氏名と住所、代表取締役の情報、登録免許税の計算方法と金額、そして添付する書類の一覧が必要です。これらの情報を正確に記載し、法務局に提出することで、会社としての法的な存在が認められるわけです。これらは自分のことなので比較的用意だと思います。
登記申請は、設立後どれくらいの期間内に行う必要があるんですか?もちろん自分自身で申請をする前提で教えてください。
会社設立の登記申請は、設立手続きを完了した日から2週間以内に行う必要があります。この期間を過ぎてしまうと、遅延して登記したとみなされ、追加の手数料が発生することがあるので注意が必要です。これは人にやってもらっても自分でやってもかわりません。
申請方法についても(あくまでも設立書類は自分でやるので)教えてください。
登記申請は、基本的に法務局の窓口で直接行うか、郵送での提出が可能です。直接窓口に行く場合は、全ての必要書類を持参してください。郵送の場合は、書類が不備なく完全であることを確認し、必要な書類をすべて封筒に入れて送付します。どちらの方法も、書類の準備とチェックには十分注意してください。依頼する場合は全てやってもらえますが自分で設立準備をするとどうしても抜け漏れもあります注意してください。
理解しました。登記申請に関する詳細を教えてくれてありがとうございます。自分で準備をしっかりと進めて、期限内に申請できるようにします。
ただ、まだまだ知りたい書類があります。
例えば...これも自分一人で調べているとわかりにくいものだったのですが
登録免許税納付用台紙って、具体的にはどういうものなんですか?
登録免許税納付用台紙は、会社設立の際に必要な登録免許税を納付するための用紙です。この台紙には、購入した収入印紙を貼り付けます。収入印紙は登録免許税の金額に相当するものを用意し、それを納付用台紙に貼って法務局に提出する形になります。
登録免許税の金額はどうやって決まるんですか?
登録免許税の金額は、設立する会社の資本金に基づいて計算されます。基本的には資本金の1,000分の7、つまり0.7%が登録免許税として必要です。ただし、株式会社の場合、最低でも15万円、合同会社では6万円が必要な最低税額となっています。
納付用台紙に収入印紙を貼った後は、どうすればいいんですか?
収入印紙を貼り付けた納付用台紙は、会社設立登記の申請書類と一緒に法務局に提出します。窓口で直接提出するか、書類一式を郵送で送ることができます。いずれの方法を選んでも、正確に税額を計算し、適切な金額の収入印紙を用意することが重要です。
登録免許税を納付する期限はありますか?
登録免許税の納付は、会社設立登記を申請する際に一緒に行います。ですから、設立手続き完了後2週間以内に登記申請と一緒に納付用台紙も提出する必要があります。この期限を守ることで、スムーズに会社設立の手続きを進めることができます。
ありがとうございます。
ちなみに
定款は「会社の基本ルールや概要を記載した公式文書」というイメージなのですが、
あってますか?
そうですね、おおよそあってます。定款は、会社の基本ルールや概要を記載した公式文書です。ここには会社の商号、本店所在地、事業目的、資本金の額、株式の発行に関する規定、取締役や監査役の数や任期、株主総会の開催方法など、会社運営の基本的なルールが全て記されます。
定款の認証はどのように進めればいいんですか?
定款の認証を受けるためには、まず公証役場に連絡し、認証のための予約をします。予約日に公証役場を訪れ、定款原本と必要な印紙を持参して、公証人の前で認証手続きを行います。手続きが完了すれば、その場で認証された定款が手元に戻ってきます。
定款の認証後、何か期限はあるんですか?
定款の認証後、特に期限は設けられていませんが、認証された定款は会社設立登記の申請に必要となります。会社設立の登記は、設立手続き完了後2週間以内に行う必要があるので、認証された定款をもとに速やかにその他の設立手続きを進めることが望ましいです。
なるほど、定款の作成から認証、そして会社設立登記まで、スムーズに進めるための準備が大切なんですね。たしか一度作成してあとから事業内容を変えると都度費用が発生(印紙とか)すると聞いているので、。しっかりと計画を立てて進めたいと思います。ありがとうございました。
あとは、発起人の決定書について教えてください。
これはどのような内容を含む書類なんですか?
発起人の決定書は、会社設立に関わる重要事項を発起人が決定し、その内容をまとめた公式文書です。具体的には、会社の商号、本店所在地、事業目的、資本金の額、発起人による出資の内容、取締役や監査役(設置する場合)の選任に関する事項など、会社設立の基本的な枠組みを決定した内容が記載されます。
発起人の決定書は、どのタイミングで必要になるんですか?
発起人の決定書は、会社設立の手続きの初期段階、具体的には定款の作成や認証を受ける前に準備します。この文書は、会社設立登記を行う際に法務局に提出する書類の一つとなるため、登記申請の準備段階で用意しておく必要があります。
発起人の決定書の作成にあたって、特に注意すべき点はありますか?
発起人の決定書を作成する際には、記載内容が正確であることが最も重要です。会社設立の基本事項が全て網羅されているか、また、発起人全員の合意のもと決定された内容であるかを確認し、書類には発起人全員の署名や捺印が必要になります。また、この書類は公証人の認証は不要ですが、会社設立登記の際に法務局に提出するため、正確に作成し、保管しておく必要があります。
発起人の決定書の提出期限や方法についても教えてください。
発起人の決定書は、会社設立登記を行う際に、その他の必要書類と一緒に法務局へ提出します。提出期限は、会社設立の登記を行う2週間以内となっており、提出方法は直接法務局の窓口に持参するか、必要書類一式を郵送で送ることができます。書類は事前にしっかりと準備し、期限内に提出するようにしましょう。
詳しく教えていただき、ありがとうございました。
設立時取締役の就任承諾書 - 取締役がその役職に就任することを承諾した書類。
設立時代表取締役の就任承諾書 - 代表取締役がその役職に就任することを承諾した書類。
この二つはどういうものですか?意味がわからないのですが。
設立時取締役の就任承諾書は、取締役が会社設立時にその役職に就任することを承諾したことを示す書類です。同様に、設立時代表取締役の就任承諾書は、代表取締役がその役職に就任することの承諾を示す書類になります。これらは、会社設立登記の際に法務局に提出する必要があります。
これらの書類は、どのように作成するんですか?
設立時取締役と代表取締役の就任承諾書は、それぞれの役職に就任する人が、自らの手で署名または捺印を行います。書類には就任する人の氏名、住所、就任する役職、そして承諾の旨を明記し、署名または捺印をして完成させます。簡潔明瞭に、必要事項を記入することが大切です。
提出期限や方法はどうなっていますか?
設立時取締役と代表取締役の就任承諾書は、会社設立登記を行う際に、その他の設立に必要な書類と共に法務局に提出します。提出期限は、会社設立の登記を行う2週間以内です。提出方法については、直接法務局の窓口に持参するか、書類一式を郵送で送ることが可能です。登記申請の書類は全て揃えてから提出する必要があるので、事前に準備を整えておくことが重要です。
なるほどですねよくわかりました。
あとは印鑑と資本金の払込だけわかりません。
設立時に必要な印鑑は個人のものですよね?
会社設立時に必要な印鑑証明書は、設立時取締役個人のものです。 会社設立の登記申請をする際には、取締役として選任される全員の個人印鑑証明書を提出する必要があります。
これは、登記するために取締役の署名や捺印が本人のものであることを証明するためです。
一方、法人の印鑑証明書は、会社が正式に設立登記されてから発行されるもので、今回のような設立登記の際にはまだ存在しません。まだないので、個人ですよね。
資本金の払込みを証する書面とは具体的にどんなものですか?
黒塗りの通帳ですか?
資本金の払込みを証する書面は、発起人や株主が資本金を銀行口座に入金したことを証明するための書類です。 通常、資本金の入金が完了した後の銀行口座の通帳のコピーを使用します。この書面には、入金が確認できる部分のコピーが含まれ、資本金が実際に支払われたことを示すために必要とされます。
会社設立の登記申請時に法務局に提出し、資本金が適切に払い込まれたことを証明する役割を果たします。
あと。。
法務局へ提出する書類に関して、個人情報保護の観点から必要な情報以外を黒塗りして隠すことがあります。 特に資本金の払込みを証する書面、つまり銀行通帳のコピーに関しては、資本金の入金に関連する部分以外の情報、例えば口座の残高や他の取引情報などは、黒塗りして隠すことが推奨されます。
井上からの質問は以上です。
ありがとうございました。
ちなみにですが、税理士や司法書士などの専門家に会社設立を依頼したいと考える方もいらっしゃるかと思います。
そのような方には会社設立を税理士に依頼するべきかについて解説しているサイトなども参考になるかと思います。
なるほど。そういったサイトもあるのですね。参考にしてみます。
会社設立の書類や手続きのやり方に関する人気記事ランキング
会社設立の書類や手続きのやり方に関するまとめ
会社設立に必要な書類10種について詳しく解説!
「これから起業をして事業を展開していきたい」「個人で事業を進めてきたが、売上や規模の拡大に伴い、会社設立を検討している」
これから会社設立をしようと思っている方の中でも、会社を設立する際に何から始めればよいか分からない方も多いと思います。
この記事では、会社設立の際に必要な書類について解説していきます。複雑な手続きと思っている会社設立も、そこまで難しいものではありません。
これから会社設立を検討している方は、ぜひこの記事を参考に、会社設立に必要な書類の作成を進めていきましょう。
なお、この記事では株式会社を前提に会社設立の手続き時に必要な書類について解説していきます。
会社設立の流れ
会社設立に必要な書類について理解を深める前に、まずは会社設立を行う際の流れについて把握しておきましょう。会社設立に必要な手続きは、以下の流れに沿って進めていきます。
- 1. 会社の概要を決める
- 2. 会社用の実印を作成する
- 3. 定款を作成する
- 4. 作成した定款について公証役場で認証を受ける
- 5. 資本金の払い込みを行う
- 6. 会社設立に必要な書類を用意して、法務局で登記申請する
会社設立の流れについては関連記事「会社設立の流れとは?必要な手続きについて流れに沿って解説」でも解説しているので、気になる方はあわせてご覧ください。
会社設立に必要な書類とは
会社設立を行う際には、最終的に「登記申請」と呼ばれる手続きを行う必要があります。
登記申請を行う際には、10種類の書類の作成・提出が必要です。まずはどのような書類が必要なのかを把握しておきましょう。
書類名 | 書類の内容 |
---|---|
登記申請書 | 法務局へ登記申請を行うための書類 |
登録免許税納付用台紙 | 登録免許税分の収入印紙を貼付した用紙 |
定款 | 会社概要や会社としてのルールを記載した書類 |
発起人の決定書 | 発起人が決めた会社設立に関した事項をまとめた書類 |
設立時取締役の就任承諾書 | 会社設立時に際して、取締役への就任を承諾した書類 |
設立時代表取締役の就任承諾書 | 会社設立時に際して、代表取締役への就任を承諾した書類/td> |
設立時取締役の印鑑証明書 | 会社設立時に就任した、取締役全員の印鑑証明書/td> |
資本金の払込みがあったことを証する書面 | 通帳のコピーなど、資本金を支払ったことを証明するためのもの |
印鑑届出書 | 会社として使用する印鑑(会社実印)の印鑑登録をするために必要な書類 |
「登記すべき事項」を記載した書面、もしくは保存したCD-R | 会社設立時に登記事項として記載を行う項目をまとめた書類(データ) |
設立時代表取締役の就任承諾書 | 会社設立時に際して、代表取締役への就任を承諾した書類/td> |
それぞれの書類について、詳しく解説していきます。
会社設立に必要な書類① 登記申請書
登記申請書とは、登記申請を行うための基本となる書類で、商号(会社名)や本店所在地(会社住所)をはじめ、登録免許税の金額や添付する書類の一覧の記載を行います。登記申請書には主に以下の項目を記載します。記載すべき内容については、会社の規模や設立する会社形態によっても多少異なります。
- ・商号(会社名)
- ・本店所在地
- ・登記の事由
- ・登記すべき事項
- ・課税標準金額(資本金)
- ・登録免許税
- ・添付する書類の一覧
会社設立に必要な書類② 登録免許税納付用台紙
会社設立を行う際には、「登録免許税」と呼ばれる税金の支払いが必要です。登録免許税は法務局へ現金で支払うわけではなく、事前に登録免許税分の金額の収入印紙を購入しておきます。購入した収入印紙は、登録免許税納付用台紙へ貼付を行い提出します。
購入する収入印紙の金額(登録免許税の金額)は、設定する資本金と会社形態によって異なります。
基本的なルールとして「資本金の1,000分の7(0.7%)」とされています。株式会社を設立する場合に、上記の金額が15万円に満たない場合は一律で15万円の支払いが必要となり、合同会社の場合は6万円に満たない場合は一律で6万円の支払いが必要となります。
「資本金の1,000分の7(0.7%)」という条件を満たす場合は、非常に高額な資本金を設定した場合(株式会社:約2,145万円以上、合同会社:約857万円以上)となるので、基本的には株式会社の場合は15万円、合同会社の場合は6万円の登録免許税がかかると覚えておきましょう。
会社の商業登記に必要な登録免許税については、関連記事「会社設立にかかる費用は?株式会社と合同会社それぞれの場合を解説」で解説しています。
また、国税庁のホームページである「会社の商業登記に必要な登録免許税の税額表|国税庁」など会社設立時にかかる費用を紹介しているサイトもあわせてご覧ください。
会社設立に必要な書類③ 定款
定款とは、会社の基本情報をはじめ、会社としてのルールをまとめたものです。関連記事「会社設立の流れとは?必要な手続きについて流れに沿って解説」にて、定款の作成から認証について解説していますが、定款は作成と認証だけでなく、法務局へ登記申請を行う際にも提出が必要です。
定款を作成する際には、必ず記載しなければならない事項(絶対的記載事項)があることに注意してください。
会社法27条では
一 目的
二 商号
三 本店の所在地
四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
五 発起人の氏名又は名称及び住所
定款を作成する際は、関連記事「会社設立の流れとは?必要な手続きについて流れに沿って解説」や会社設立時の定款の作成方法について解説している記事が参考になるかと思います。
会社設立に必要な書類④ 発起人の決定書
発起人の決定書とは、商号や本店所在地を発起人全員で決定したことを証明するための書類です。
「定款に掲載している本店所在地が番地を含めて記載している」という条件に当てはまらない場合は提出が必要となるので、作成を行いましょう。
会社設立に必要な書類⑤ 設立時取締役の就任承諾書
前提として、取締役の就任は会社の委任を受けて就任するため、会社設立時に就任承諾書という書類が必要となります。この書類は、取締役に就任する方が就任について承諾したことを証明する書類です。取締役が複数人就任する場合は、その人数分の就任承諾書が必要となります。
設立時取締役の就任承諾書は、以下の項目を記載します。
- ・日付
- ・就任する設立時取締役の住所
- ・就任する設立時取締役の氏名
- ・会社名
- ・就任する設立時取締役の押印
会社設立に必要な書類⑥ 設立時代表取締役の就任承諾書
設立時取締役の就任承諾書と同様に、設立時代表取締役の就任承諾書も作成を行います。記載する内容は、設立時取締役の就任承諾書と基本的には同じ内容です。もし、1人で会社を設立し、取締役と代表取締役を兼任する場合は、就任承諾書は1枚のみ提出すれば問題ありません。
会社設立に必要な書類⑦ 設立時取締役の印鑑証明書
設立時取締役の印鑑証明書については、発起人が取締役に就任する場合に提出が必要となります。定款には、発起人の氏名や住所の記載および押印がされています。この押印の証明を行うために、定款に押印したものと同じ印鑑の証明書が必要となります。会社設立に必要な書類⑧ 資本金の払込みがあったことを証する書面
会社設立の際には、資本金を用意する必要があります。その資本金が準備されたことを証明するために、この資本金の払込みがあったことを証する書面の提出が必要となります。
会社設立の手続きを行った際に、発起人の個人口座(会社設立前は法人の銀行口座がないため)に資本金の振込を行います。
この振込を行った銀行口座の通帳をコピーして、登記申請の際に提出を行います。通帳をコピーする際は、「通帳の表紙」「1ページ目(口座番号や名義人が記載されているページ)」、「資本金の振込が記載されているページ」のコピーを行います。
会社設立時の資本金の払込手続きについて手順を解説している記事もありますので、詳しい内容について知りたい方はご覧ください。
会社設立に必要な書類⑨ 印鑑届出書
会社設立を行う際には、会社の印鑑(法人実印)の登録を行います。記入用紙は以下のページからダウンロードすることが可能です。印鑑(改印)届書|法務局
以下の記載例を参考に、記入を進めていきましょう。
会社設立に必要な書類⑩ 「登記すべき事項」を記載した書面もしくは保存したCD-R
最後に、「登記すべき事項」を記載した書面かCD-Rの作成を行います。この書類は紙での提出でも、データ(CD-R)で提出でも、どちらでも問題ありません。
CD-Rで提出を行う際は、記録の方法が定められていますので、こちらのページ(登記すべき事項を記録した、電磁的記録媒体の提出について)を確認してから作成を行いましょう。
会社設立に必要な書類の綴じる順番と提出方法
これまでご紹介した10種の書類を提出することで登記申請の手続きを行うことができますが、ただまとめて提出すればいいわけではなく、作成した書類を順番に綴じて提出する必要があります。会社設立に必要な書類の綴じる順番
会社設立の登記申請を行う際には、以下の順番に書類を綴じていきましょう。(※数字が小さい書類を前にして綴じていきます)- 1. 登記申請書
- 2. 登録免許税納付用台紙
- 3. 定款
- 4. 発起人の決定書
- 5. 就任承諾書(取締役・代表取締役)
- 6. 印鑑証明書
- 7. 資本金の払込みを証する書面
会社設立に必要な書類の提出先と提出方法
会社設立に必要な書類を順番通りに綴じた後は、本店所在地の管轄の法務局へ提出を行います。管轄の法務局はこちらのページ(管轄の法務局のご案内)でも確認することができます。
法務局へ必要書類を提出する際は、法務局の窓口へ直接持参するか、郵送でも可能です。スケジュールとの兼ね合いもあると思うので、自分にあった方法で提出を行いましょう。
会社設立に必要な書類を郵送する際の注意点
会社設立に必要な書類を郵送する際には、以下の点に注意しましょう。- 会社設立日は書類が法務局へ到着し、受理された日となる
- 可能であれば「書留」で郵送する
- 「登記申請書在中」と封筒に明記する
- 書類に不備がないよう、念入りにチェックを行う
まとめ
以上で、会社設立に必要な登記申請の手続きは完了です。法務局へ会社設立に必要な書類を提出した後は、不備がなければ2週間前後で登記が完了します。
会社設立の際には10種類の書類が必要と少し量が多いですが、ぜひこの記事を参考に会社設立に必要な書類の準備を進めていただければと思います。書類に不備があると再提出が必要となるため、会社設立の時期は遅れてしまいます。
会社設立は事業のスタートとなる非常に重要な手続きです。気持ちよくスタートを切るためにも、1つ1つの書類の準備を丁寧に行いましょう。
会社設立の費用や手続きのやり方に関して
会社設立の費用や手続きのやり方に関する記事一覧
会社設立の費用や手続きのやり方に関する士業の会話
会社の設立の費用は記事を見てわかってきましたが
一般的に言われない落とし穴のようなものはありますか?
「そういうこと先に教えておいてほしい」というようなテクニックというか備えがあったら教えてください。
会社設立を自分でやろうとしているので、いろいろな記事をみているのですが何か落とし穴があるような気がします。自分でやるとリスクもあるのでそのような通常では書いていないような話をお願いします。
会社設立を自分で行うことは理論上可能ですがそれなりに大変です。頑張っていただきたいと思います。これからいう話はあくまでもビジネスを順調に成長させるという視点で聞いて欲しいのですが、
基本的に定款に書かれているビジネスしか請求書にはかかれないはずですよね?
例えば、
内装工事を行う会社の請求に「webデザイン」という請求があるのはおかしいですよね
定款とはその行う事業内容も書かれているので
とはいえ、ビジネスをしているとその業務の形態を広げておいたほうが有効な請求書が増えるという意味でよかったということになることもある会社さんもいます。
そして補助金や経費生産時に実態として定款以上のサービスをしているのにそれが書かれていないのでそのメリットを受けられない時、定款の変更をすると、それだけで印紙などまた登録料等の費用が発生します。
このようなことにならないためにも設立時の定款には気をつけてください。
将来的な費用が少ないように設定をすることをおすすめします。
会社設立の費用や手続きのやり方に関する人気記事ランキング
会社設立の費用や手続きのやり方に関するまとめ
この記事では、会社設立にかかる費用をはじめ、株式会社と合同会社による費用の違い、会社設立の手続きを代行した場合にかかる費用について解説していきます。
・これから会社設立を検討している方
・株式会社と合同会社のどちらで会社設立を行うべきか迷っている方
上記に当てはまる方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
会社設立にかかる費用とは
まずは、株式会社や合同会社といった会社形態に関わらず、会社設立にかかる費用について解説していきます。
会社設立を行う際には、主に以下の3つの費用が必要となります。
・法定費用
・資本金
・印鑑や印鑑証明書などの費用
それぞれの費用について、詳しく解説していきます。
法定費用
会社設立にかかる費用の1つ目は、法定費用と呼ばれるものです。法定費用とは、定款の作成や認証、法人登記の手続きの際にかかる費用(登録免許税)などを指します。定款に必要な収入印紙代や認証手数料、謄本手数料といった費用が法定費用には含まれます。
会社設立を行うことで、必ずこの法定費用は発生しますが、株式会社か合同会社かによってかかる費用は異なります。費用の違いについては、後ほど詳しく解説していきます。
資本金
会社設立にかかる費用の2つ目は、資本金です。よく会社の資本金が〇〇円ということを聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、会社を設立する際には1円以上の資本金を用意する必要があります。
株式会社や合同会社といった会社形態に関わらず、資本金は1円以上であれば自由に設定することができます。
会社設立に伴い、資本金をいくらにするか迷っている方は、こちらの記事で解説されている資本金の平均額などが参考になるかと思います。
印鑑や印鑑証明書などの費用
会社設立にかかる費用の3つ目は、印鑑や印鑑証明書などにかかる費用です。
会社を設立する際には、会社の印鑑を準備して法務局で登録を行う必要があります。印鑑の登録を行うことで正式な印鑑として認められ、契約書などに押印を行う際にその印鑑が法律上の効力をもちます。
印鑑が登録されていることを証明する書類を「印鑑証明書」と言いますが、この書類は会社設立の手続きを行う際に必要となります。印鑑証明書の発行にかかる手数料は、300円〜500円程度です。印鑑証明書の発行費用については法人の印鑑証明書の発行費用や取得方法についての記事や印鑑証明書や登記簿謄本などの取得費用を紹介しているサイトでも詳しく解説されています。
また、必要な印鑑は1つだけでなく
・会社実印
・銀行印
・角印
の3つが必要です。
会社設立や起業時に必要な印鑑の種類や費用について解説されているサイトもありますので、詳しい内容を知りたい場合にはそちらをご覧ください。
会社設立の際に必要な印鑑はインターネットでも販売されています。
株式会社と合同会社の会社設立費用の違い
会社設立にかかる費用を把握できたところで、株式会社と合同会社それぞれの会社設立費用を解説していきます。
先ほど説明した「法定費用」にかかる金額が違うため、株式会社か合同会社によって会社設立にかかる費用が大きく異なります。
では、詳しく見ていきましょう。
株式会社設立時に必要となる費用
株式会社を設立する際には、約24万円ほどの費用が発生します。すべての会社が一律にかかるわけではなく、会社の規模や資本金によってもこの金額は変動します。
株式会社を設立する際には、先ほど解説した「法定費用」と呼ばれるものに、以下の費用が含まれます。
・定款費用
・登録免許税
それぞれの費用について、詳しく解説していきます。
定款費用
株式会社では会社設立を行う際に、定款の作成と認証を行う必要があります。
定款の作成は、紙で行うか電子で行う場合の2通りの方法があります。
定款を紙で作成する場合は、収入印紙代として4万円がかかってしまいますが、電子定款の場合はこの収入印紙代は不要となり0円で定款を作成できるので、電子定款で手続きを進めてもよいかもしれません。
定款の作成を終えたら、次に定款の認証を行います。
定款の認証を行う際には認証手数料がかかり、資本金によっても異なりますが資本金が100万円未満の場合は3万円となっています。
資本金を100万円以上で検討している方は、認証手数料の費用が異なりますので、以下を参考にしてみてください。
<資本金ごとの認証手数料>
100万円未満の場合は、3万円
100万円以上300万円未満の場合は、4万円
その他の場合は、5万円
認証手数料の詳細や注意点については、「会社の定款認証手数料について|日本公証人連合会」も参考になるかと思います。
定款の作成・認証を行ったあとには謄本の作成も必要となるため、謄本手数料が必要となります。作成した定款のページ数にもよりますが、おおよそ2,000円程度の費用がかかることを覚えておきましょう。
会社設立時の定款に関する費用について解説しているサイトもありますので、詳しく知りたい方はご覧ください。
登録免許税
定款の作成と認証、謄本作成の手続きを行ったあとは、会社設立の登記申請を法務局にて行います。登記を行う際には、登記を行う者に「登録免許税」という国税を納付する必要があります。この登録免許税の費用も資本金の金額によって異なる場合がありますが、多くの場合は15万円の費用がかかるということを把握しておきましょう。
資本金によっては15万円以上かかる場合もありますが、約2,145万円以上の資本金を設定した場合から金額が変わるので、登録免許税は基本的に15万円となることが多いです。
会社設立時の登録免許税についてわかりやすく解説している記事もありますので、詳しく知りたい方はご覧ください。
株式会社設立時にかかる費用のまとめ
株式会社として会社設立を行う際にかかる費用をまとめると、・定款費用 90,000円
└定款の作成(収入印紙代):40,000円(※電子定款の場合は0円)
└定款の認証手数料:30,000円
└定款の謄本手数料:約2,000円
・登録免許税:15万円
・その他費用(印鑑・印鑑証明書等):約10,000円
・資本金:1円〜
合計で約24万円ほどの費用となります。これに加えて、設定する資本期に応じて費用が必要となります。
合同会社設立時に必要となる費用
次に、合同会社設立時に必要となる費用について解説していきます。
定款費用
合同会社として会社設立を行う場合も、株式会社を設立した時と同様に「定款費用」がかかります。しかし、株式会社と違い、合同会社を設立する際には定款の認証は必要ないため「認証手数料」はかかりません。定款の作成自体は必要なので、紙で作成する場合は収入印紙代として40,000円の費用がかかりますが、株式会社と同様に、定款の作成を紙ではなく電子で行えば定款を作成する費用はかからないため、合同会社は定款費用にかかる費用を0円にすることも可能です。
登録免許税
合同会社で会社設立を行う際にも、株式会社と同様に登録免許税が必要となります。株式会社の場合は最低でも15万円の費用が必要でしたが、合同会社の場合は最低でも6万円と、株式会社よりも低い金額で登記申請を行うことができます。
合同会社設立時にかかる費用のまとめ
合同会社として会社設立を行う際にかかる費用をまとめると、・定款費用 40,000円
└定款の作成(収入印紙代):40,000円(※電子定款の場合は0円)
・登録免許税:6万円
・その他費用(印鑑・印鑑証明書等):約10,000円
・資本金:1円〜
合計で約11万円ほどの費用が必要となります。株式会社の会社設立と同様、これに加えて設定する資本金の金額が必要です。こちらの記事や株式会社と合同会社の会社設立時に必要な費用を比較しているサイトも参考になるかと思います。
会社設立の手続きを代行を依頼する場合の費用
会社設立を行う際には様々な手続きや書類の提出が必要であり、手続きをすべて代行してもらいたいと考えている方もいらっしゃると思います。
専門家への外注を行うことで、会社設立の手続きを代行してもらうことも可能です。会社設立の手続きの代行を依頼する場合、手続きの漏れを防げたり時間の節約にも繋がる一方で、外注費として費用がかさんでしまいます。
そのあたりのメリット・デメリットのバランスを考えながら、会社設立の手続きを自分で行うか、外注するのかを検討していきましょう。
会社設立の手続きは誰に依頼する?
会社設立の手続きの代行を依頼する場合の費用を解説する前に、そもそも会社設立の手続きを誰に依頼するべきかについて解説していきます。
会社設立の手続きを依頼する場合には、基本的には「司法書士」に代行を依頼する形となります。会社設立の登記に関する手続き代行は、司法書士の独占業務の基本的には司法書士へ代行を頼むことになります。
しかし司法書士と提携している税理士や行政書士などが窓口となって、会社設立手続きの代行を行っている場合もあります。
会社設立時の手続きを専門家に依頼する場合の費用などを解説しているサイトもありますので、代行を検討されている方は参考になるかと思います。
インターネット上で簡単に会社設立の手続きを行うことができるサービスなどもあるので、そういったサービスについても調べてみて、自分にあった会社設立のやり方で手続きを進めていきましょう。
会社設立後に生じる費用
ここまで、会社設立にかかる費用や、会社形態(株式会社・合同会社)による費用の違いについて解説しました。
これから会社設立を検討している方に知ってもらいたいのは、会社設立だけにお金が必要なわけではないということです。会社設立を行ったあとにも様々な費用がかかるため、会社設立後にも継続的にかかる費用(ランニングコスト)もしっかりと見据えたうえで、資本金の決定や会社としてのお金の使い道を検討していきましょう。
以下が会社設立後にかかる代表的な費用です。
・税金
・社会保険料
・専門家報酬
・家賃や光熱費
それぞれ詳しく見ていきましょう。
税金(法人税、法人住民税、法人事業税、固定資産税など)
個人として所得税や住民税を支払っているように、会社設立を行った後は法人として税金を支払う必要があります。
法人として
・法人税
・法人住民税
・法人事業税
・固定資産税
などの税金として支払う必要があります。
上記の税金はいずれの会社も支払う必要があるため、事前にどのくらいの税金を支払う必要があるのか、費用はどのくらいかかるのかを調べておきましょう。
社会保険料(健康保険、介護保険、固定資産税など)
2つ目は、健康保険をはじめとする社会保険料です。会社を運営するにあたり、一定の要件を満たすと社会保険への加入が求められます。健康保険や介護保険、厚生年金保険など、雇用している従業員の人数によっても変動するので、会社設立後に従業員の雇用を検討している場合は社会保険料がいくらくらいになるかを事前に計算しておきましょう。
税理士や社労士に支払う専門家報酬
3つ目は、税理士や社労士などの専門家への報酬です。強制ではありませんが、会社設立を行った後は、多くの会社が税理士などの専門家と顧問契約を結ぶことが多いです。
毎月の顧問料や決算報酬については会社の売上高や取引件数によって異なります。
オフィス家賃や水道光熱費などの費用
最後は、オフィスの家賃や水道光熱費などの費用です。この費用については、会社によって大きく異なりますが、家賃や水道光熱費以外にも、Wi-Fiの料金や福利厚生にかかる費用など、細かい費用が毎月かかります。こういった費用は金額自体は少ないものの、年単位で見ると大きな費用としてかさみます。使用しているサービスの見直しを定期的に行ったりと、どれだけコストを抑えられるかを日々考えながら会社の経営を行っていきましょう。
こちらの記事でも会社設立後にかかる費用について紹介されていますので、詳しく知りたい方はご覧ください。
会社設立には設立費用だけでなく、様々な費用がかかる
この記事では、会社の設立費用をメインに解説しましたが、これから会社設立を検討している方が、会社設立にどのくらいの費用がかかるかを理解できていたら嬉しく思います。
会社設立は事業のスタートとして華々しい一面もありますが、会社設立時だけでなく、会社設立を行ったあとにも様々な費用がかかります。
会社の経営を行っていくなかで、事業の前進や事業を大きくすることだけに注視せず、どのくらいの費用がかかっているのかといった部分についても、計画的に考えながら会社の経営を行っていきましょう。
会社設立の資本金や手続きのやり方に関して
会社設立の資本金や手続きのやり方に関する記事一覧
会社設立の資本金や手続きのやり方に関する士業の会話
会社を立ち上げようと思っているんですけど、資本金って最低どれくらい必要なんですか?
実は、現在の会社法では資本金の最低限度額が撤廃されていて、理論上は1円からでも会社設立が可能ですよ。
へえ、そうなんですね!でも、1円で本当に大丈夫なんでしょうか?
実際のところ、会社設立直後は決算書がないため、金融機関や取引先は資本金の額をもって信用度を判断することが多いです。ですから、ご自身が始めるビジネスの内容や規模に応じて、社会的な信用を得られる適切な資本金額を設定することが重要になります。
なるほど、ビジネスの規模や将来の展望を考えて、資本金を決める必要があるわけですね。
その通りです。資本金は会社の財務安定性や成長潜力を示す一つの指標ともなりますから、慎重に決める必要があります。もし不安な点があれば、経営計画を練り直すことも考慮に入れてみてくださいね。
了解しました。ありがとうございます。しっかりと計画を立てて、適切な資本金を決めたいと思います。
次の方山本さんどうぞ〜会社設立の資本金に関する質問なら何でも答えますよ。
資本金をどうやって集めればいいか悩んでいるんですが、何かいい方法はありますか?
資本金の調達方法には大きく分けて3つの方法があります。一つ目は、発起人や投資者からの出資を受けること。自己資金を含めて、他の人たちにも出資してもらう方法ですね。
他にはどんな方法があるんですか?
二つ目は、事業で得た利益を資本金に回す方法です。利益を再投資して資本金を増やすことができます。
利益を再投資するのもいいですね。他には?
三つ目は現物出資という方法です。これは、現金ではなく不動産や有価証券、設備などの物品を資本金として会社に提供することを指します。現物出資の価額は通常、裁判所が選任した検査役による調査で決まりますが、出資の総額が500万円以下ならその調査は不要です。
現物出資も選択肢に入れられるんですね。ただ、借入金をそのまま資本金にすることはできないんですよね?
その通りです。融資などの借入金は負債として扱われるため、資本金にはできません。資本金を増やすには、出資を受ける、利益を再投資する、現物出資を行う、といった方法を考える必要があります。
なるほど、会社設立の資本金集めでも色々な方法があるんですね。じっくり考えてみます。ありがとうございました!
次の方どうぞ〜会社設立と資本金の関係の話に限定していますが何でも答えることができますのでどんどんおねがいします
井出と申します。
資本金って、借入金とは違って自由に使えるんですか?
はい、その通りです。資本金は返済義務がない自己資本なので、銀行からの借入金とは異なります。会社の運転資金や設備投資など、基本的には自由に使うことができます。
じゃあ、資本金を使って個人の支出を賄うこともできるんですか?
実は、資本金は会社のお金なので、個人的な支出に使用することはできません。もし個人的な支出に資本金を使ってしまうと、それは代表者への貸付金として扱われることになります。特に、一人法人の場合はこの点に注意が必要です。
なるほど、資本金は会社のためにしか使えないんですね。個人と会社のお金はしっかり分けて考えないといけないんですね。
正解です。会社の資金と個人の資金は明確に分けることが、法人としての信頼性を保つ上で非常に重要です。資本金の使い方には、その点を十分に考慮する必要がありますよ。
分かりました。うっかり全部使っちゃうところでした(無自覚横領)。資本金の管理には気を付けます。ありがとうございました!
次の方はいらっしゃいますか?会社設立と資本金に関して質問がある方〜
なみと申します。
設立と資本金のところだと思うので質問させてください。
資本金が多いと、会社の安定性や信用度に影響するんですか?
はい、その通りです。資本金に余裕があると、借入金や利子の返済能力、人材の雇用、仕入れや設備投資のための資金力があり、倒産リスクに対する備えもあると見なされます。これらは会社の安定性を示す重要な指標であり、社会的な信用度を高め、顧客や取引先からの印象を良くする効果があります。
でも、資本金が多いだけで会社がうまくいってるとは限らないんですよね?
合理的に考えてそうですよね。
合理的に考えるとそうですね。資本金は会社の安定性や信用度の一つの指標に過ぎず、直接的に収益性を示すものではありません。資本金が多くても、それが効率的に活用されていなければ、経営状況は必ずしも良好とは言えません。資本金だけでなく、財務状況全体や事業の成長性、収益性を総合的に評価することが重要です。
そうですよね。資本金は大事だけど、全体の経営状況を見る必要があると常々思っていました。何も考えずに設立して何も考えずに資本金を設定している人もいるので心配していました。
その通りです。資本金はあくまで経営の基盤の一部であり、持続可能な事業運営には収益の確保や成長戦略が不可欠です。資本金の額とともに、経営の質や事業計画の実現性にも目を向けることが、健全な企業運営につながります。
ありがとうございます。資本金と経営状況のバランスに注意して、計画を立てていきますね。鋼鉄の心臓を持って周りにも忠告しようと思います。
次の方〜はい、そこのゆうきさんお願いします。
先ほど、会社設立時の資本金についての質問はでていたのですが、どのような基準でどれくらいに設定するのかデファクトスタンダードとしてはどうなんですか?
資本金の額を決めるには、いくつかの基準を考慮することが重要です。まず、必要な運転資金と初期投資額を基本にします。初期投資に加えて、最初の3ヶ月から6ヶ月分の運転資金を見込んで設定するのがデファクトスタンダードですね。
設立時の資本金で、資金繰りが悪化したときのリスクも考えないとということですね。
その通りです。資本金が少なすぎると、資金繰りに苦しくなり、結果として会社の信頼性に影響を与える可能性があります。また、税金や手数料の面でも、資本金の額によって負担が変わります。資本金が多ければ多いほど、定款の認証手数料や登録免許税などのコストが増えることも念頭に置く必要があります。
許認可や補助金の条件も関係ありそうですがどうですか?
はい、事業に必要な許認可を取得するための基準として資本金が設定されている場合があります。例えば、一般建設業許可を得るには自己資本が500万円以上必要です。また、補助金や助成金を受ける条件として、資本金の額が基準になっていることもあります。これらの要件を満たすためにも、適切な資本金の設定が求められます。
なるほど、事業の規模や将来の計画に合わせて、運転資金や税金、許認可、補助金の条件を総合的に考えて資本金を決める必要があるわけですね。
正確にはそのとおりです。資本金の設定は事業計画の重要な部分なので、慎重に検討しましょう。不明点があれば、専門家(例えばSoVa)の助言を求めることも一つの方法ですよ。
ありがとうございます。資本金の設定について、もう少し考えてみます。
会社設立の資本金や手続きのやり方に関する人気記事ランキング
会社設立の資本金や手続きのやり方に関するまとめ
これから新しく会社設立を検討している方や、個人事業主から法人成り(会社設立)を予定している方で、会社設立を行う際にどのくらいの「資本金」を設定しようか迷われている方もいらっしゃると思います。
会社設立を行う際には、資本金を必ず設定しなければいけません。この記事では、そんな会社設立を行う際には必要不可欠な「資本金」の最適な金額について、資本金の平均額や設定方法を交えながら解説していきます。
これから会社設立を控えている方や会社設立を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしていただければと思います。
資本金とは事業を行うための元手
まずは、そもそも「資本金」とはどのようなものなのかについて解説していきます。
こちらの記事(資本金とは何?資本金の基礎知識)でも解説されていますが、資本金とは会社として事業を行うための元手となるお金です。
会社設立を行い、事業を進めていくためには様々な資金が必要となります。前述の通り、会社設立を行う際には必ず資本金を設定する必要があります。会社設立から間もない場合には、すぐに利益が出ないことも多くあります。そのため、この最初に設定した「資本金」が会社設立後の運転資金の基本となるのです。
資本金は最低1円からでも会社設立できる
2006年以前であれば、会社法により資本金の下限が規定されていましたが、現在は資本金の下限は定められておらず、資本金が1円以上あれば会社設立を行うことが可能です。
(参考:会社設立の資本金にまつわる会社法の改定について)
資本金の下限規定がなくなったため会社設立のハードルは下がったものの、低い資本金で会社設立を行うことは会社設立後のリスクにも繋がるため、あまりおすすめできません。詳しくは後述しますが、会社設立後の運転資金として、一定以上の資本金を設定するようにしましょう。
なお、資本金1円でも会社が設立できるようになった経緯については独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しているJ-Net21というサイトでも解説されています。
資本金はその会社の信用力を表す
こちらの記事でも紹介されている通り、会社設立時に設定する資本金は、会社としての信用力に繋がります。もちろん会社の事業内容や実績によって会社としての信用力を得ることも可能ですが、特に会社設立の際には資本金の金額が会社としての信用力に大きく関わってくるので、注意しておきましょう。
会社設立時の資本金の額は、主に以下のタイミングで見られることが多いです。
- 会社として取引を開始する際
- 金入機関から借り入れを行う時
会社同士の取引が始まる際には、多くの会社(特に大企業)で「与信調査」が行われます。与信調査とは会社として信用できるかを目的に調査を行うことで、取引時にお金をしっかりと払ってもらえそうか、商品の納品をしっかり行なってくれそうかなどを判断します。
会社設立を行なった後に、金融機関から借り入れる形で資金の調達を行いたいと考えている方も多いと思います。金融機関から借り入れを行う際には、返済能力が見込める会社の方が高い金額を借り入れることが可能です。
あくまで目安ではありますが、金融機関から借り入れを行う際の金額は「資本金と同額から2倍程度まで」と言われることがあります。
もちろん事業内容や事業の収益性によっては、借りれない場合や多く借りられる場合もありますが、資本金の金額が借り入れを行う際の1つの目安となっていることが多いので、会社設立を行う際には把握しておきましょう。
※日本政策金融公庫の創業融資など、それぞれの制度で融資限度額が定められている場合もあります
会社設立時の資本金と借入の関係性や、資金調達方法については以下の記事もあわせてご覧ください。
参考記事
「借入による資金調達は資本金が関係する?会社設立時に知っておきたい資本金について」
資本金が低い場合のリスク
会社設立時に設定した資本金が低い場合には、上記のような取引・融資に関するリスクや、会社設立時は多くの利益を残せない場合も多々あるため、会社の資金がなくなってしまう(資金のショート)といったリスクも考えられます。
もちろん無理のない範囲で資本金を設定するべきですが、会社設立時に資本金を設定する際にはこういったリスクなども考慮しましょう。
会社設立時に資本金が低い場合のリスク
- 取引をしたい会社と取引ができない
- 希望通りの融資額を調達できない
- 会社設立時に利益を残せず、資金がショートしてしまう
資本金が低い場合のリスクについては、こちらの記事(少ない資本金で企業は大丈夫?起業に必要な資本金の金額とは)も参考になるかと思います。
資本金の平均額は300万円程度
では、会社設立時にはどのくらいの資本金を設定するべきなのでしょうか。
すでに設立されている会社の資本金を見てみると、会社の資本金の平均額は300万円程度です。(参考:法人数および資本金の内訳|国税庁)
会社設立を行う際は、この300万円を基準に資本金を設定しても良いですが、会社設立を行なった際の状況や予想される費用によっても最適な資本金は異なります。
会社設立時の資本金の平均額についてはこちらの記事でも詳しくまとめられていますので、気になる方はぜひご覧ください。
それぞれの会社によって最適な資本金は異なりますので、最適な資本金の設定方法や注意点について詳しく解説していきます。
資本金の設定方法と注意点
会社設立を行なった際に、自社にとって最適な資本金を設定するために、以下の項目を検討してから、資本金の設定を行いましょう。
- 初期投資と半年分の運転資金を資本金として用意する
- 許認可を得るための最低資本金額で決める
- 消費税の納税義務が発生しない金額で決める
最適な資本金を設定するにはいくつかの観点から設定することになります。
この記事では上記の3点を中心に解説しますが、その他の観点については以下の記事も参考になるかと思います。
参考記事:
資本金はどう決める?会社設立時に知っておきたい資本金の基礎知識
会社設立時の資本金はいくらにすべき?金額の決め方、払込方法を解説!
初期投資と半年分の運転資金を資本金として用意する
会社設立を行なった際には、設立初期から大きな「売上」や「利益」を上げることは難しいでしょう。そのため、会社設立を行なってから、ある程度の期間は売上などがないことを予め想定して、資本金の額を決めることも重要です。
会社設立時に3ヶ月から6ヶ月ほどの運転資金として、資本金の額を決定することも一つの選択肢です。
参考:「会社設立時に必要な資本金の金額について」
会社設立時には、毎月どのくらいの費用が最低限発生するのかを考慮して、資本金の金額の検討を進めていきましょう。
許認可を得るための最低資本金額で決める
基本的には、会社設立や運転資金として資本金の金額を決めれば問題ありませんが、特定の業種の場合には、設定する資本金の下限が決められていることに注意してください。
例えば、「建設業」や「有料職業紹介事業」などの場合には、500万円以上の資本金が必要となり、「労働派遣事業」を行う場合には2,000万円以上の資本金が必要となります。
建設業における資本金について解説している記事や有料紹介事業における資本金について解説している記事もありますので、該当する方はあわせてご覧ください。
業種によって必要な資本金が異なる場合があるので、自社の業種に資本金のルールが定められているのかを事前に確認しておきましょう。
消費税の納税義務が発生しない金額で決める
会社設立の際に設定する資本金の金額によっては、「課税事業者」の扱いとなってしまうため、消費税の納税の免除を受けることができません。
具体的には、会社を設立した際の資本金が1,000万円以下の事業者の場合は、消費税の納税義務が免除されます。(参考:消費税の納税義務の免除について|国税庁)
他方、会社設立時に1,000万円以上の資本金を設定してしまうと、会社設立初年度から消費税を支払う必要があります。会社設立時の資本金を1,000万円以上に設定する場合には消費税の納税義務が発生することに注意しましょう。
会社設立後には、期間内の売上によって消費税が免税されるかどうかが判断されます。会社設立後の消費税の免税については、こちらのページ(消費税の納税義務の免除について|国税庁)も参考にしてください。
会社設立時の資本金の払込方法は?
会社設立を行う際には、資本金の金額を決めた後に実際に払込を行う必要があります。また、会社設立の手続きの中で資本金を払込んだことを証明する書類を提出する必要があります。
資本金の払込についてはこちらの記事も参考になるかと思います。
会社設立のなかで、資本金にまつわる手続きについて詳しく見ていきましょう。
発起人個人の口座を用意して資本金を払い込む
資本金の金額を決定したあとは、まず資本金の払込を行います。資本金の払込を行う段階では、会社としての銀行口座を開設することはできません。そのため、発起人(会社を設立し出資した人)の個人口座へ、資本金の払込を行います。
発起人個人の銀行口座・通帳のコピーをとる
発起人個人の銀行口座へ資本金の払込を行なった後は、その払込を証明するために
- 通帳の表紙
- 通帳の1ページ目(口座番号や名義人が記載されているページ)
- 振り込んだ内容が記載されたページ
のコピーをとりましょう。
払込証明書を作成する
資本金を振り込んだ口座の通帳のコピーをとった後は、「払込証明書」の作成を行い、管轄の法務局へ提出を行います。
払込証明書には、払込を行なった日付や金額などの基本的な情報をはじめ、通帳のコピーも添付します。払込証明書を作成する際には、こちらの記事(払込証明書の作り方とは?作成方法を解説)や以下の記載例もあわせてご覧ください。
払込証明書に押印する印鑑については会社実印です。印鑑についての詳細はこちらの記事でも解説されておりますので、詳しく知りたい方はご覧ください。
また、ネット銀行などを利用していて紙の通帳がない場合は、以下の画像を参考にWebの振込明細ページを印刷して、提出を行いましょう。
まとめ
]この記事では、会社設立の際に必要不可欠な資本金の最適な金額や平均額、設定方法について解説を行いました。
1円以上であれば会社設立は行うことはできますが、解説した通り資本金の額が低い場合には様々なリスクがあります。一方で、消費税の納税免除や許認可を受ける際の資本金のルールが決まっています。
会社にとって最適な資本金の額は異なりますが、自社の状況や将来を考えたうえで、資本金の金額を決めていきましょう。
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