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従業員入社

従業員を初めて雇う場合に必要な手続きや書類について解説

公開日:2023.11.27

更新日:2024.01.25

会社の規模が大きくなると、初めて従業員を雇う場合も出てきます。初めて従業員を雇った際には、こちらの記事でも紹介されている通り、労働保険(労災保険・雇用保険)や社会保険(健康保険・厚生年金保険)など、役所への手続きが必要です。

 

この記事では、従業員を初めて雇用する会社に向けて、従業員を初めて雇う場合に必要な手続きや提出するべき書類について詳しく解説していきます。

 

これらの手続きは、正社員を雇う場合だけではなく、アルバイトやパートなどの従業員を雇う際にも必要な場合があります

初めて従業員を雇う際には、この記事を参考に必要な手続きを進めていきましょう。

従業員を雇う場合には役所への手続きが必要

こちらの記事でも解説されていまが、従業員を雇う際には、

  • 労災保険への加入手続き
  • 雇用保険への加入手続き
  • 社会保険への加入手続き

などの、従業員が各種保険に加入するために様々な手続きが必要となります。

 

また、従業員をはじめて雇う際には、従業員に関しての手続きだけではなく、会社としても各種保険に加入するための手続きが必要となります。

労災保険への加入手続き

労災保険は、従業員が業務中に病気やケガなどをした場合に医療費が補償される制度です。アルバイトやパートといった雇用形態に関わらず、労働者を一人でも雇用した場合には労災保険に加入する必要があります。労災保険の概要については、こちらの記事(労災保険とは|厚生労働省)も参考にしてください。

 

労災保険への加入手続きは、初めて従業員を雇う場合のみに必要な手続きです。初めて従業員を雇う際にだけ手続きが必要なので、その後従業員が増えるタイミングで手続きを行う必要はありません

 

労災保険への加入手続きを行う場合は、

  • 労働保険関係成立届
  • 概算保険料申告書
  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)

の3つの書類を提出します。それぞれの書類について、詳しく解説していきます。

労働保険関係成立届

労災保険への加入手続きの際には、会社が労働保険の適用事業となるため「労働保険関係成立届」という書類を提出します。書類の提出先は、管轄の労働基準監督署です。

 

「労働保険関係成立届」という書類は、専用の複写式用紙に記入を行います。インターネット等でダウンロードをすることはできないので、自社の管轄の労働基準監督署から複写式の専用書類を取り寄せる必要があります

労働保険関係成立届を作成する際は、以下の記載例を参考に書類の作成を進めていきましょう。


 

労働保険関係成立届の記載例は厚生労働省も公開しています。

参考:保険関係成立届の記入見本

また、こちらの記事でも上記書類について解説されています。

 

労働保険関係成立届を労働基準監督署へ提出後には、労働保険番号が付与された「労働保険関係成立届の事業主控え」が返送されます。この書類は、後ほど解説する雇用保険の加入の際に提出する書類に添付が必要な書類なので、大切に保管しておきましょう。

概算保険料申告書

労働保険関係成立届とあわせて、概算保険料申告書という書類の作成も必要です。概算保険料申告書は、概算で算出した労働保険料を申告するために必要な書類です。概算保険料の納付については、こちらの記事(労働保険料の納付について)もチェックしておきましょう。

 

概算保険料申告書も同様に、専用の複写式用紙に記入を行います。インターネット等でダウンロードをすることはできないので、労働基準監督署から複写式の専用書類を取り寄せる必要があります

 

以下の記載例を参考に書類の記入を行い、先にご紹介した労働保険関係成立届とあわせて、管轄の労働基準監督署へ提出を行いましょう。

 

添付書類

労災保険への加入手続きを行う際は、上記の2つの書類とあわせて、添付書類として「登記簿謄本(履歴事項全部証明書)」という書類の提出が必要です。提出する登記簿謄本(履歴事項全部証明書)は、90日以内に取得したものでなければならないので注意しましょう。

 

登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の取得については、こちらのページ(登記事項証明書を取得したい方|法務局)をご覧ください。

 

また、従業員を雇う際には労働条件を明示する必要がありますが、労働条件についてはこちらの記事が参考になると思います。

雇用保険への加入手続き

雇用保険は、従業員が失業した際や育児休暇の際などに備えておく保険の制度です。「失業給付」や「育児休業給付」と呼ばれる給付金は、雇用保険に加入しているため受け取ることができます。

 

労災保険と同様に、雇用保険への加入手続きについては、会社としての手続きは、従業員を初めて雇う場合にのみ手続きを行えば問題ありません

一方で、従業員に関する手続きについては、従業員を雇う度に手続きが必要なので注意してください。

 

雇用保険への加入手続きについては、会社として必要な手続きと従業員ごとに必要な手続きに分けて解説していきます。従業員に関する手続きについても、会社側で書類の作成から提出まで行う必要があるので、忘れずに対応しましょう。

会社に関する手続き

雇用保険の会社に関する手続きを行う際は、以下の3つの書類を管轄のハローワークへ提出します。

  • 雇用保険適用事業所設置届
  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 労働保険関係成立届の事業主控え

雇用保険適用事業所設置届

雇用保険適用事業所設置届は、会社が雇用保険の適用事業所になった時(従業員を初めて雇った場合)に提出が義務付けられている書類です。

 

正社員として従業員を雇う場合は、必ず雇用保険へ加入する必要がありますが、アルバイトやパートとして従業員を雇う場合には、雇用する従業員の状況によって雇用保険への加入有無が変わります。雇用保険の加入条件については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

参考記事:「雇用保険の加入条件について解説します

 

雇用保険適用事業所設置届の記入書類は、こちらのページ(雇用保険適用事業書設置届|ハローワーク)からダウンロードが可能です。書類をダウンロードして、以下の記載例を参考に記入を進めていきましょう。

雇用保険適用事業所設置届は、管轄のハローワークへ提出します。

添付書類

雇用保険適用事業所設置届を提出する際は、「登記簿謄本(履歴事項全部証明書)」と「労働保険関係成立届の事業主控え」も添付書類として提出します。

 

登記簿謄本(履歴事項全部証明書)は、90日以内に取得したものを提出する必要があります。注意してください。

 

前述のとおり、労働保険関係成立届の事業主控えは、「労働保険関係成立届」を労働基準監督署へ提出した後に控えとして取得できるものです。雇用保険への加入手続きを行う際には、先に労災保険への加入手続きを済ませてから手続きを行いましょう。

従業員に関する手続き

雇用保険への加入手続きにおいて、会社に関する手続きは従業員を初めて雇う場合にのみ対応すれば問題ありません。一方で、従業員に関する手続きについては、従業員ごとの手続きが必要となります。そのため、2人目以降の従業員を雇用する際にも、都度対応していく必要があります

雇用保険被保険者資格取得届

雇用保険被保険者資格取得届は、雇用保険の加入条件を満たした従業員を雇用した場合に提出が必要となる書類です。提出する書類はこちらのページ(雇用保険被保険者資格取得届|ハローワーク)からダウンロードをして、以下の記載例を参考に記入を進めていきましょう。作成した書類は、管轄のハローワークへ提出を行います。

添付書類

雇用保険被保険者資格取得届を提出する際は、添付書類として「雇用契約書」もあわせて提出を行います。雇用契約書は、会社と従業員との間で、雇用に際してのルールを定めておくための契約書です。雇用契約書を作成する際には、様々なルールがあります。雇用契約書を作成する際には、以下の記事を参考に作成を進めていきましょう。

参考記事:「雇用契約書とは?記載すべき事項と作成時のポイントを解説

社会保険への加入手続き

社会保険とは、「健康保険」と「厚生年金保険」を含む保険のことで、正社員を雇用した場合には必ず加入しなければなりません。また、アルバイトやパートを雇用する際にも、条件によって加入有無が変わります

 

雇用する従業員が社会保険への加入条件に満たすかどうかは、こちらの記事(社会保険の加入条件とは?)を参考にしてください。

 

前述の「労災保険」や「雇用保険」と同様に、社会保険の手続きについても、会社に関する手続きは初めて従業員を雇う際の1度だけです。

従業員に関する手続きについては、従業員を雇用する度に行う必要があるので、これから従業員を雇う際にも必ず手続きを行いましょう。

 

社会保険の概要について詳しく知りたい方は、こちらの記事(社会保険とは?加入条件や国民健康保険との違い)も参考にしてみてください。

会社に関する手続き

社会保険への加入に際しては、

  • 新規適用届
  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)

の2つの書類を提出します。

新規適用届

新規適用届は、社会保険に加入する従業員を雇う際に提出が義務付けられている書類です。新規適用届は、日本年金機構の公式サイトにてダウンロードをすることができます。以下の記載例を参考に記入を進めていきましょう。

作成した書類は、管轄の日本年金機構の事務センター(年金事務所)へ提出を行います。


添付書類

新規適用届とあわせて、添付書類として登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を提出する必要があります。90日以内に取得した登記簿謄本(履歴事項全部証明書)が必要ですので、注意しておきましょう。

従業員に関する手続き

社会保険の加入に際しては、従業員に関する手続きとして、

  • 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届
  • 健康保険 被扶養者(異動)届

の2つの書類の提出が必要です。

健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届

健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届は、従業員ごとに作成が必要です。

新規適用届と同様に、日本年金機構の公式サイトから必要書類のダウンロードを行うことができます。以下の記載例を参考に記入を進め、管轄する日本年金機構の事務センター(年金事務所)へ提出を行います。

健康保険 被扶養者(異動)届

健康保険 被扶養者(異動)届は、従業員の扶養親族の有無によって提出が必要かどうかが異なる書類です。まずは、雇う従業員に扶養親族がいるかを確認するために、以下の画像を参考に判定を行いましょう。

 

雇用する従業員に扶養親族がいた場合には、健康保険 被扶養者(異動)届の作成を進めていきましょう。健康保険 被扶養者(異動)届は、以下のページからダウンロードを行って、記載例を参考に書類作成を進めていきましょう。

 

健康保険 被扶養者(異動)届|日本年金機構

 

健康保険 被扶養者(異動)届は、健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届とあわせて、管轄する日本年金機構の事務センター(年金事務所)へ提出を行います。

 

書類の作成に関しては上記の記載例を参考に作成しましょう。
従業員入社の手続きについては以下の記事も参考になるかと思います。

関連記事:「従業員を雇う際に必要な書類の書き方を徹底解説

参考記事:「従業員の雇用手続きについて解説!必要書類や加入する保険は?

まとめ

この記事では、初めて従業員を雇う際に必要な手続きや、提出する書類について解説しました。会社の規模の拡大に伴い従業員を雇う予定のある方は、この記事を参考に必要な手続きを進めていきましょう。

 

それぞれの手続きは、雇用形態や勤務状況によっても加入有無が変わります。初めて雇う従業員がどの保険に入る必要があるのか、忘れずに確認を行いましょう。

 

この記事でご紹介した手続きは、従業員を雇用するタイミングで、従業員ごとに必要な手続きもあります。

今後、従業員を増やしていくタイミングで必要な手続きの流れについては、以下の記事でも解説しています。ぜひ、あわせてご覧ください。

 

参考記事:「従業員を雇う際に必要な手続きの流れ

参考記事:「人を雇うときに必要な手続きとは?

 

また、従業員を雇うと年末調整などの手続きも発生します。

提出必要書類の一覧

  • 労働保険関係成立届
  • 概算保険料申告書
  • 雇用保険適用事業所設置届
  • 労働保険関係成立届の事業主控え
  • 新規適用届
  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)

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