労務 社会保険

社長は社会保険・厚生年金保険に入れない?社長の社会保険事情を解説!

更新日:2026.05.26

「社長は社会保険に入れない」「代表取締役は厚生年金に入れない」「一人社長なら社会保険に入らなくてもいい」といった情報を見かけて、不安や疑問を感じている方は少なくありません。特に会社設立直後は、社長自身が社会保険や厚生年金に入れないケースがあるのか、役員報酬を設定していない場合はどうなるのかなど、判断に迷う場面も多いでしょう。

しかし結論からいうと、法人の社長は原則として社会保険(健康保険・厚生年金)への加入義務があります。社長だから社会保険に入れないわけではなく、一定の条件を満たす限り、社長本人も社会保険や厚生年金の被保険者となります。

IDEMAE編集部

一方で、役員報酬がゼロの場合や会社が休眠状態にある場合など、例外的に社長が社会保険や厚生年金に入れないケースも存在します。

また、社長が本来社会保険や厚生年金に入る必要があるにもかかわらず、誤解や手続き漏れによって社会保険に入らない状態が続くと、罰則や遡及徴収、延滞金、採用活動への影響など、経営上のリスクにつながる可能性があります。

この記事では、「社長は社会保険に入れないのか」「社長が厚生年金に入れないケースとは何か」「一人社長でも社会保険に入る必要があるのか」といった疑問に答えながら、社長の社会保険・厚生年金の基本ルール、入れないケース、加入手続き、未加入リスクまでわかりやすく解説します。

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【結論】社長は厚生年金に入れない?

「社長は社会保険に入れない」「代表取締役は厚生年金に入れない」と耳にして、不安や疑問を感じる方は少なくありません。特に会社設立直後は、社長自身が社会保険に入れないケースがあるのか、厚生年金に入れない条件はあるのかを気にする方も多いでしょう。しかし実際には、法人の社長は原則として社会保険・厚生年金へ加入する立場です。「社長だから社会保険に入れない」という考え方は基本的には誤解です。ここでは、社長と社会保険、厚生年金の関係について、入れないと言われる理由も含めて整理します。

法人の社長は原則として社会保険・厚生年金に入れないわけではない

「社長だから社会保険に入れない」「代表者は厚生年金に入れない」という認識は、基本的には誤りです。

株式会社や合同会社などの法人は、従業員がいなくても原則として社会保険の適用対象になります。つまり、社長1人の会社であっても、法人である以上、社会保険と厚生年金の加入義務が発生します。

また、社長や代表取締役などの役員も、役員報酬を受け取っている場合は社会保険の被保険者として扱われます。そのため、社長という立場だから社会保険に入れないわけではありません。

押さえておきたいポイントは次のとおりです。

  • 法人の社長は原則として社会保険に入れないのではなく加入対象になる。
  • 社長1人の会社でも厚生年金への加入義務がある。
  • 役員報酬が発生している社長は社会保険に入れない扱いにはならない。
  • 社長や代表取締役であること自体は厚生年金に入れない理由にはならない。

つまり、「社長だから社会保険に入れない」のではなく、「法人で役員報酬を受けている社長は社会保険・厚生年金に加入する」が原則です。

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個人事業主と法人の社長では社会保険・厚生年金の扱いが異なる

「社長は社会保険に入れない」という誤解が生まれやすい背景には、個人事業主との制度の違いがあります。

個人事業主の場合、事業主本人は原則として国民健康保険と国民年金に加入します。そのため、個人事業主本人は通常、厚生年金には入りません。このルールと混同され、「社長も社会保険に入れないのではないか」と考えられることがあります。

一方で、法人の社長になると扱いは大きく変わります。

区分 社会保険の扱い 加入制度
法人の社長 原則加入義務あり 健康保険+厚生年金
個人事業主 原則として事業主本人は対象外 国民健康保険+国民年金

法人化した時点で、社長本人も社会保険・厚生年金の加入対象になる点は重要です。

社長は厚生年金に入れない?社長の社会保険事情に関するおすすめ記事:一人社長も社会保険の加入義務はある?会社設立時の手続きと必要書類

なぜ「社長は社会保険に入れない」「厚生年金に入れない」と言われるのか

実際には社長が社会保険に入れないケースは限定的ですが、一部の例外や誤解から「社長は入れない」という情報が広がることがあります。

代表的なのは、役員報酬が発生していないケースです。役員報酬が0円の場合は、社会保険料を計算する基礎がないため、社長であっても社会保険・厚生年金に加入しない取り扱いになることがあります。

また、非常勤役員で実態として労務提供がほとんどない場合なども、社会保険や厚生年金に入れない判断となるケースがあります。

誤解されやすいケースとしては次のようなものがあります。

  • 社長だが役員報酬を設定していない。
  • 非常勤役員で実態上勤務していない。
  • 法人化前の個人事業主の制度と混同している。
  • 一部の例外ケースだけを見て「社長は社会保険に入れない」と理解している。

IDEMAE編集部

ただし、こうしたケースは例外です。基本ルールとしては「法人の社長で役員報酬があるなら、社会保険・厚生年金には入れないのではなく、加入義務がある」と理解しておくことが重要です。

会社を設立した際の1人社長の社会保険事情

従業員を雇用せず、社長1人で会社(法人)を設立するケースは少なくありません。このような形態は一般的に「一人社長」と呼ばれます。一人社長の場合、「従業員がいないから社会保険に入れないのではないか」「社長1人なら厚生年金に入れないのではないか」と誤解されることがあります。

しかし実際には、一人社長だから社会保険や厚生年金に入れないわけではなく、役員報酬が発生していれば原則として社会保険・厚生年金への加入義務が生じます。社長だから社会保険に入れないという誤解を避けるためにも、一人社長の制度を正しく理解しておきましょう。

なお、一般的に社会保険という言葉は、健康保険・厚生年金保険・介護保険を指します。一方で、労災保険や雇用保険は社会保険とは区別され、「労働保険」として扱われます。

一人社長の会社は社会保険・厚生年金の強制適用事業所になる

一人社長として会社を設立した場合、まず確認すべきなのが社会保険と厚生年金の加入手続きです。

法人は、従業員の有無にかかわらず原則として社会保険・厚生年金の強制適用事業所に該当します。つまり、一人社長で従業員がゼロであっても、「社長だから社会保険に入れない」「厚生年金に入れない」という扱いにはなりません。

法人の事業所(事業主のみの場合を含む)は原則として強制適用事業所となるため、一人社長でも社会保険や厚生年金への加入義務があります。

また、社長本人も社会保険の被保険者となり、役員報酬に応じて健康保険料や厚生年金保険料を負担します。役員報酬が設定されている限り、一人社長だから社会保険に入れないということは基本的にありません。

IDEMAE編集部

社長は厚生年金に入れない?社長の社会保険事情について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。

おすすめ記事:法人成りしたら社会保険はどうなる?一人社長でも加入が必要な理由とメリット・デメリット

押さえておきたいポイントは次のとおりです。

  • 一人社長でも法人なら原則として社会保険に加入する。
  • 社長1人の会社でも厚生年金の加入対象になる。
  • 従業員がいないことは社会保険に入れない理由にはならない。
  • 役員報酬が発生している社長は社会保険・厚生年金への加入義務がある。

一人社長で従業員がいなければ労働保険には入れない

一人社長の場合、社会保険と労働保険を混同しないことも重要です。

社会保険とは異なり、一人社長で従業員を雇用していない場合、原則として労働保険(労災保険・雇用保険)の対象にはなりません。そのため、「社長だから労働保険に入れない」というケースはあります。

ただし、ここで注意したいのは、労働保険に入れないことと、社会保険や厚生年金に入れないことは別の話だという点です。

社長は厚生年金に入れないのか?一人社長の社会保険事情はここがポイント!

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社会保険や厚生年金は法人単位で加入義務が判断されるため、一人社長でも原則加入対象です。一方、労災保険については特別加入制度を利用することで、一人社長でも加入できる場合があります。

整理すると次のようになります。

  • 一人社長で従業員がいない場合、雇用保険には入れない。
  • 労災保険は特別加入制度を利用できる場合がある。
  • 社会保険・厚生年金に入れないわけではない。
  • 社会保険と労働保険は加入ルールが異なる。

2社目を設立した社長は2社分の社会保険・厚生年金の手続きが必要になる

一人社長として会社を運営した後、2社目を設立するケースもあります。この場合も、「すでに1社で社会保険に加入しているから、もう社会保険に入れない」というわけではありません。

法人を複数設立した場合、それぞれの法人が社会保険・厚生年金の強制適用事業所になります。そのため、2社とも社会保険や厚生年金に関する手続きが必要です。

また、社長本人が2社で役員報酬を受け取っている場合は、両方の会社の報酬額をもとに社会保険料や厚生年金保険料を算定します。

ただし、健康保険証については主たる事業所を選択して届出を行う仕組みです。納付する社会保険料や厚生年金保険料は、各会社の役員報酬額に応じて按分されます。

複数法人を経営している場合も、「社長だから社会保険に入れない」「厚生年金に入れない」という考え方ではなく、どの法人でどのように加入手続きを進めるかを整理することが重要です。

一人社長の社会保険(厚生年金等)への加入手続き

法人を設立した社長は、原則として社会保険(健康保険・厚生年金)への加入手続きが必要です。しかし、「社長だから社会保険に入れないのではないか」「一人社長なら厚生年金に入れないのではないか」と誤解してしまい、手続きが遅れるケースもあります。

実際には、役員報酬が発生している法人の社長は、原則として社会保険・厚生年金の加入対象です。そのため、社長が社会保険や厚生年金に入れない状態を避けるためにも、会社設立後は期限内に必要書類を提出することが重要です。

社会保険の加入手続きは、原則として会社設立(登記)日から5日以内に行います。提出先は管轄の年金事務所で、窓口・郵送・e-Gov(電子申請)から提出できます。

おすすめ記事:社長は社会保険に入れない?一人社長の加入義務と例外条件をわかりやすく解説

まずは全体像を確認しましょう。

書類名 目的 主な添付書類 提出期限
健康保険・厚生年金保険 新規適用届 会社を社会保険・厚生年金へ登録する 登記事項証明書、法人番号通知書 設立日から原則5日以内
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届 社長本人を社会保険・厚生年金へ加入登録する 原則なし 設立日から原則5日以内
健康保険 被扶養者(異動)届 社長の家族を扶養登録する 住民票、収入証明書等 該当時速やかに
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社長が社会保険(厚生年金等)に入るために必要な書類①:健康保険・厚生年金保険 新規適用届

「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」は、会社そのものを社会保険・厚生年金の対象として登録するための書類です。

社長が社会保険や厚生年金に入るためには、まず法人を適用事業所として登録する必要があります。この届出を提出しないと、社長本人も社会保険や厚生年金に入れない状態になる可能性があります。

特に一人社長の場合、「従業員がいないから社会保険に入れない」と誤解されがちですが、法人である以上、原則として社会保険・厚生年金の加入手続きが必要です。

提出時のポイントを整理すると次のとおりです。

項目 内容
書類名 健康保険・厚生年金保険 新規適用届
目的 法人を社会保険・厚生年金の適用事業所として登録
記載内容 会社名、所在地、法人番号、設立日等
添付書類 登記事項証明書(90日以内)、法人番号通知書
注意点 登記情報と表記を完全一致させる

社長が社会保険(厚生年金等)に入るために必要な書類②:健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届

「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」は、社長本人を社会保険・厚生年金へ加入させるための書類です。

IDEMAE編集部

会社だけ社会保険へ登録しても、この届出を提出しなければ社長本人は社会保険や厚生年金に入れない状態になります。また、ここで申告した役員報酬額をもとに、毎月の社会保険料や厚生年金保険料が決定されます。

記入時は、特に基礎年金番号や役員報酬額の入力ミスに注意しましょう。

項目 内容
書類名 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届
目的 社長本人を社会保険・厚生年金へ登録
記載内容 氏名、生年月日、住所、基礎年金番号、役員報酬
添付書類 原則なし
注意点 報酬額が保険料計算の基準になる

確認しておきたい項目です。

  • 基礎年金番号は年金手帳や通知書で確認する。
  • 役員報酬額は慎重に設定する。
  • 新規適用届と同時提出すると手続きがスムーズになる。

社長が社会保険(厚生年金等)に入るために必要な書類③:健康保険 被扶養者(異動)届(家族を扶養に入れる場合)

社長に扶養家族がいる場合は、「健康保険 被扶養者(異動)届」も提出します。

この届出を行うことで、社長本人だけでなく家族も健康保険を利用できるようになります。

ただし、家族を社会保険の扶養に入れるには収入や生活実態などの条件があります。条件を満たさない場合は扶養に入れないため、事前確認が重要です。

項目 内容
書類名 健康保険 被扶養者(異動)届
目的 家族を健康保険の扶養へ登録
対象 配偶者、子ども、両親など
主な添付書類 住民票、課税・非課税証明書
注意点 年収要件・同居要件を確認する

扶養認定の主な基準です。

  • 年間収入130万円未満(原則)。
  • 60歳以上・障害者は年間180万円未満。
  • 別居の場合は仕送り実態が必要なケースがある。

社長が社会保険や厚生年金に入れない状態を防ぐためにも、会社設立後は「新規適用届」「被保険者資格取得届」を優先し、家族がいる場合は被扶養者届までまとめて進めると漏れなく対応できます。

社長が厚生年金に入れないケース

「法人の社長なら必ず社会保険や厚生年金に加入するのでは?」「社長でも厚生年金に入れないことはあるの?」と疑問を持つ方は少なくありません。原則として法人の社長は社会保険・厚生年金の加入対象ですが、一定の条件では社長であっても社会保険や厚生年金に入れないケースがあります。

社長が社会保険や厚生年金に入れない状態になると、将来受け取る年金額や保障内容にも影響する可能性があるため、例外的に加入できないケースを正しく理解しておくことが重要です。

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社長が厚生年金に入れないケース①:役員報酬がゼロの場合

法人の社長であっても、役員報酬がゼロの場合は原則として厚生年金に入れないケースとなります。また、社会保険についても同様に加入対象外となる可能性があります。

なぜなら、社会保険や厚生年金の保険料は役員報酬額を基準として算出される仕組みだからです。会社は社長の役員報酬から社会保険料や厚生年金保険料を控除して納付します。そのため、役員報酬が設定されていない社長は、社会保険料や厚生年金保険料の計算自体ができず、制度上、社会保険や厚生年金に入れない扱いとなります。

「法人の社長だから社会保険に自動で加入できる」「社長なら厚生年金に必ず入れる」と考えてしまうケースもありますが、役員報酬の設定は重要な前提条件です。

加入を希望する場合は、まず役員報酬の設定を行い、社長として社会保険・厚生年金に加入できる状態を整えましょう。

IDEMAE編集部

社長は厚生年金に入れない?社長の社会保険事情について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。

おすすめ記事:法人設立時は一人社長も社会保険加入が必須!必要書類・手続きや保険料の計算例も紹介

確認しておきたいポイントは次のとおりです。

  • 社長でも役員報酬がゼロの場合は社会保険に入れない場合がある。
  • 厚生年金保険料は役員報酬を基に計算される。
  • 社長だから例外的に社会保険へ入れるわけではない。
  • 社会保険や厚生年金に入りたい場合は役員報酬設定が必要になる。

社長が厚生年金に入れないケース②:会社が休眠状態の場合

法人の社長であっても、会社が休眠状態にある場合は、社会保険や厚生年金に入れないケースがあります。

ここでいう休眠状態とは、単に登記上会社が存在しているだけではなく、実際に事業活動を行っておらず、取引や売上、従業員雇用なども発生していない状態を指します。

通常、法人の社長は社会保険や厚生年金への加入義務がありますが、会社が実質的に事業停止している場合には、社会保険や厚生年金の適用対象外となり、社長本人も社会保険や厚生年金に入れない状態となることがあります。

社長の社会保険(厚生年金等)事情に関する気をつけておきたい注意点

税理士_依頼_おすすめの注意点

ただし、休眠後に事業を再開した場合は、再び社長として社会保険や厚生年金への加入義務が発生するため注意が必要です。社会保険に入れない状態を継続したまま事業再開してしまうと、後から社会保険料や厚生年金保険料の遡及対応が必要になる可能性もあります。

そのため、会社を休眠させる場合や再開する場合は、休眠届や社会保険の資格喪失届などの手続きを適切に進め、社長本人が社会保険・厚生年金に入れない状態になっているかどうかを整理しておくことが大切です。

社長が厚生年金に入れない場合はどうする?

法人の社長は原則として社会保険・厚生年金の加入対象ですが、役員報酬がない場合や休眠状態など、条件によっては社長でも社会保険や厚生年金に入れないケースがあります。では、実際に社長が社会保険や厚生年金に入れない場合、その後はどの制度に加入し、将来どのような影響が生じるのでしょうか。

社長が社会保険や厚生年金に入れない期間が長くなると、将来受け取る年金額や保障内容に差が出る可能性があるため、仕組みを理解しておくことが重要です。

参考記事:一人社長でも、役員報酬が出ていれば社会保険に加入しなければいけません

社長が社会保険・厚生年金に入れない場合は原則として国民年金へ加入する

社長が社会保険や厚生年金に入れない場合、原則として加入先は国民年金となります。

通常、法人の社長は社会保険(健康保険・厚生年金)に加入しますが、社長が厚生年金に入れない状態になった場合は、厚生年金の被保険者ではなくなり、国民年金へ加入する流れになります。

国民年金と厚生年金には大きな違いがあります。国民年金は保険料が一定額である一方、厚生年金は収入や報酬額に応じて保険料と将来の受給額が変動する仕組みです。そのため、社長が社会保険や厚生年金に入れない期間が続くと、厚生年金に加入していた場合と比較して将来受け取れる年金額が少なくなる可能性があります。

IDEMAE編集部

特に法人の社長は役員報酬が高くなるケースもあるため、社会保険や厚生年金に入れない影響が将来の受給額に与える差は小さくない場合があります。

理解しておきたいポイントは次のとおりです。

  • 社長が社会保険に入れない場合は、原則として国民年金へ加入する。
  • 社長が厚生年金に入れない期間は、厚生年金の受給額に反映されない。
  • 国民年金は定額制であり、厚生年金のように収入連動ではない。
  • 社長が社会保険や厚生年金に入れない状態が長いほど、老後の年金総額へ影響しやすい。

社長が厚生年金に入れない期間が長いほど将来の年金額に影響しやすい

社長が社会保険や厚生年金に入れない期間が長くなるほど、将来受け取れる年金総額への影響は大きくなります。

厚生年金は加入期間と報酬額に応じて将来の受給額が増える仕組みです。そのため、社長が社会保険や厚生年金に入れない期間は、その分だけ厚生年金の積み上げが行われません。

「今は社長だから社会保険や厚生年金に入れないままでも問題ない」と考えてしまうと、後から想定より年金額が少ないという事態につながる可能性があります。

社長として社会保険や厚生年金に入れない状況が発生している場合は、役員報酬設定や会社運営状況を見直し、加入対象になる条件を満たせるか早めに確認することが大切です。制度を理解したうえで適切に対応することが、将来の保障を整える第一歩といえるでしょう。

社長が社会保険(厚生年金など)に入れない・入らない場合の5つのリスク

法人の社長は、原則として社会保険(健康保険・厚生年金)への加入義務があります。しかし、「社長だから社会保険に入れないと思っていた」「厚生年金に入れない状態をそのままにしていた」「手続きが面倒で社会保険に入らないまま運営していた」というケースも少なくありません。

社長が社会保険や厚生年金に入らない、または本来は入れない状態ではないにもかかわらず未加入のまま放置すると、罰則や遡及徴収だけでなく、採用・資金繰り・信用面にも大きな影響が生じる可能性があります。ここでは、社長が社会保険(厚生年金等)に入らない・入れない場合の主なリスクを整理します。

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社長が社会保険(厚生年金等)に入らない・入れない場合のリスク①:罰則による金銭的・刑事的負担が発生する

社長が加入要件を満たしているにもかかわらず、社会保険や厚生年金に入らない状態を継続した場合、法令違反として扱われる可能性があります。

健康保険法や関連法令に基づき、社会保険への加入義務があるにもかかわらず未加入であった場合には、最大50万円以下の罰金または6ヵ月以内の懲役刑が科される可能性があります。

特に注意したいのは、社会保険に入らない責任が法人だけでなく社長本人に及ぶ場合がある点です。社長が「厚生年金に入れないと思っていた」「社会保険に入れないと勘違いしていた」としても、加入義務が免除されるわけではありません。

また、行政指導や信用低下につながるリスクもあるため、社長として法令順守の観点からも社会保険・厚生年金への適切な対応が必要です。

社長が社会保険(厚生年金等)に入らない・入れない場合のリスク②:保険料の遡及徴収で大きな資金負担が発生する

社長が社会保険や厚生年金に入らないまま運営を続け、後から未加入が判明した場合、過去分の社会保険料や厚生年金保険料を遡って支払う必要があります。

原則として、最長で過去2年分まで社会保険料が遡及徴収される可能性があります。徴収対象には役員報酬だけでなく賞与も含まれるため、社長が社会保険や厚生年金に入らない期間が長いほど、一括負担額が大きくなる傾向があります。

特に中小企業や一人社長の場合は、急な支出によって資金繰りや事業計画に影響が及ぶケースもあります。

社長は厚生年金に入れない?社長の社会保険事情に関するおすすめ記事:社長は社会保険(厚生年金や健康保険など)に入れない?社会保険に入れる場合と、入れない場合や注意点を解説します!

注意しておきたいポイントは次のとおりです。

  • 社長が社会保険に入らない期間が長いほど遡及負担は増える。
  • 厚生年金保険料もまとめて徴収対象になる。
  • 役員報酬や賞与も算定対象になる。
  • 一括納付によって資金計画の見直しが必要になる場合がある。

社長が社会保険(厚生年金等)に入らない・入れない場合のリスク③:延滞金によって負担がさらに増える

社長が社会保険や厚生年金に入らない状態を放置し、納付期限までに保険料を支払わなかった場合は、保険料本体に加えて延滞金も発生します。

延滞金は期間によって計算方法が異なり、一般的に「3ヵ月以内」と「3ヵ月超」の期間に分けて計算されます。社長が社会保険や厚生年金に入らない期間が長引くほど、延滞金負担も増加します。

IDEMAE編集部

たとえば、保険料30万円を120日遅延し、一定の延滞率を適用した場合、保険料本体とは別に数千円規模の延滞金が追加されることがあります。遅延期間や年度ごとの利率によって金額は変動するため、最新情報を確認することが重要です。

社長が「社会保険に入れないと思って放置していた」というケースでも、延滞金が免除されるわけではありません。

社長が社会保険(厚生年金等)に入らない・入れない場合のリスク④:従業員分の保険料まで会社負担になる可能性がある

社長が社会保険や厚生年金に入らないまま会社運営を続けていた場合、後から未加入が発覚すると、従業員分の社会保険料についても追加負担が生じる可能性があります。

特に問題となりやすいのは、すでに退職した従業員がいるケースです。退職後に過去分の保険料を回収することは現実的に難しいため、結果として会社や社長が全額を負担することになる場合があります。

社会保険や厚生年金に適切に加入していれば避けられる支出であるため、社長が社会保険に入らない判断は慎重に行う必要があります。

社長が社会保険(厚生年金等)に入らない・入れない場合のリスク⑤:求人活動が制限され採用機会を失う

社長が社会保険や厚生年金に入らない状態を続けると、採用活動にも影響が及ぶ可能性があります。

社会保険に未加入の企業は、条件によっては求人活動の制限を受ける場合があります。特に公共の職業紹介サービスを活用しにくくなることで、人材確保の機会損失につながるケースがあります。

また、求職者側も「社会保険に入れない会社」「厚生年金に入れない会社」を避ける傾向があるため、採用競争力の低下や採用コスト増加につながる可能性があります。

社長自身が社会保険や厚生年金に適切に加入し、制度運用を整えることは、会社の信頼性や採用力を維持するうえでも重要です。

社長は社会保険・厚生年金保険に入れるのかに関するQ&A(FAQ)

Q. 社長は社会保険・厚生年金に入れないのですか?

社長は社会保険や厚生年金に入れないわけではありません。株式会社や合同会社などの法人は、社長1人だけの会社であっても、原則として健康保険・厚生年金保険の適用事業所になります。そのため、法人から役員報酬を受け取っている社長は、原則として社会保険・厚生年金の加入対象になります。日本年金機構でも、株式会社などの法人の事業所は「事業主のみの場合を含む」として厚生年金保険の適用事業所になると示されています。

ただし、社長が社会保険・厚生年金に入れないケースもあります。

IDEMAE編集部

たとえば、役員報酬が0円で標準報酬月額を決められない場合、社長本人は健康保険・厚生年金の被保険者になれない可能性があります。

そのため、「社長は社会保険に入れない」「社長は厚生年金に入れない」と一律に考えるのではなく、法人か個人事業主か、役員報酬を受け取っているか、年齢要件を満たしているかで判断する必要があります。

Q. 一人社長でも社会保険・厚生年金に加入する必要がありますか?

一人社長でも、法人を設立して役員報酬を受け取っている場合は、原則として社会保険・厚生年金に加入する必要があります。従業員がいない一人社長の会社でも、法人事業所は健康保険・厚生年金保険の加入が法律上義務づけられており、事業主のみの場合も対象に含まれます。

そのため、「一人社長だから社会保険に入れない」「従業員がいないから厚生年金に入れない」とは限りません。むしろ、法人で役員報酬を受け取る一人社長は、国民健康保険・国民年金ではなく、会社の社会保険・厚生年金に加入するのが原則です。ただし、役員報酬が0円の場合や非常勤役員に近い実態の場合などは、社長本人が社会保険・厚生年金に入れないケースもあるため、年金事務所や専門家に確認しましょう。

参考:「一人社長でも会社設立時には社会保険は必要?手続きや必要書類を解説!

Q. 社長が社会保険・厚生年金に入れない場合はどうなりますか?

社長が社会保険・厚生年金に入れない場合は、一般的に国民健康保険や国民年金に加入することになります。たとえば、役員報酬が0円の一人社長は、会社自体は社会保険の適用事業所に該当しても、社長本人は健康保険・厚生年金の被保険者になれない可能性があります。

IDEMAE編集部

この場合、「社長だから社会保険料が完全になくなる」というわけではありません。

社長本人は国民健康保険料や国民年金保険料を負担する必要があります。また、厚生年金に入れない期間は、将来の老齢厚生年金の受給額にも影響する可能性があります。そのため、社長が社会保険・厚生年金に入れない状態にするかどうかは、目先の保険料だけでなく、将来の年金、健康保険の給付、会社の融資評価、役員報酬設計まで含めて判断することが大切です。

Q. 社長の厚生年金は何歳まで加入できますか?

社長の厚生年金は、原則として70歳まで加入対象になります。日本年金機構の説明では、厚生年金保険料の納付は70歳、具体的には70歳の誕生日前日が属する月の前月までとされています。一方、健康保険は原則として75歳までが対象です。

そのため、70歳未満の社長が法人から役員報酬を受け取っている場合は、原則として厚生年金に加入します。70歳以上になると厚生年金の被保険者ではなくなりますが、法人から報酬を受け取っている場合は「70歳以上被用者」として届出が必要になることがあります。社長が高齢で「もう厚生年金に入れないのでは」と考えている場合でも、社会保険の手続き自体が不要になるとは限らないため注意が必要です。

Q. 社長の社会保険・厚生年金の加入手続きはいつまでに必要ですか?

法人を設立し、健康保険・厚生年金保険の適用を受ける場合は、原則として「新規適用届」を提出します。

社長は社会保険(厚生年金)に入れない?に関するポイント!

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日本年金機構では、新規適用届の提出時期を「事実発生から5日以内」としています。

そのため、社長1人の法人であっても、社会保険・厚生年金の加入義務がある場合は、設立後に速やかに手続きを行う必要があります。社長が「社会保険に入れないのでは」「厚生年金に入れないのでは」と思って手続きを放置すると、後から未加入を指摘される可能性があります。会社設立時は、法人としての新規適用届、社長本人の被保険者資格取得届、扶養家族がいる場合の被扶養者異動届など、必要書類を確認して進めましょう。

Q. 社長が社会保険・厚生年金に入ると保険料はいくらになりますか?

社長が社会保険・厚生年金に加入する場合、保険料は役員報酬をもとに決まる標準報酬月額によって計算されます。つまり、社長の社会保険料や厚生年金保険料は、役員報酬を高く設定すれば高くなり、役員報酬を低く設定すれば低くなります。

ただし、社会保険料を抑えるためだけに役員報酬を極端に低くしたり、役員報酬0円にしたりすると、社長が厚生年金に入れない、将来の年金額が少なくなる、生活費や融資審査で不利になるなどの問題が起こる可能性があります。

社長の社会保険(厚生年金)に関する注意点

税理士_依頼_おすすめの注意点

社長の社会保険・厚生年金は、単に「入れるか入れないか」だけでなく、役員報酬、法人税、所得税、住民税、将来の年金、会社の資金繰りを総合的に見て決めることが重要です。

Q. 社長は労災保険や雇用保険にも入れますか?

社長が加入対象になる社会保険は、主に健康保険と厚生年金保険です。一方で、労災保険や雇用保険は労働者を対象とする制度であるため、代表取締役などの社長は原則として通常の労働者と同じようには加入できません。

ただし、従業員を1人でも雇用する場合は、会社として労働保険の手続きが必要になるケースがあります。また、役員であっても実態として労働者性がある場合や、中小事業主の労災保険特別加入を検討できる場合もあります。したがって、社長の社会保険・厚生年金だけでなく、従業員を雇った後の労災保険・雇用保険まで含めて、会社設立時に整理しておくことが大切です。

社長は社会保険・厚生年金保険に入れるのかに関するQ&A(FAQ)

まとめ

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社長は社会保険に入れない、厚生年金に入れないというイメージを持たれることがありますが、実際には法人の社長は原則として社会保険(健康保険・厚生年金)の加入対象です。従業員がいない一人社長であっても、役員報酬が発生している限り、社長だから社会保険に入れないという扱いにはなりません。

一方で、役員報酬がゼロの場合や会社が休眠状態である場合など、例外的に社長が社会保険や厚生年金に入れないケースもあります。そのため、「社長だから入れない」「周囲も加入していないから問題ない」と自己判断するのではなく、自社の状況を確認することが重要です。

また、本来社会保険や厚生年金に入る必要がある社長が加入しないまま放置すると、保険料の遡及徴収や延滞金、場合によっては罰則の対象となる可能性があります。さらに、社長自身の将来受け取る年金額が減少するだけでなく、会社の信用低下や採用活動への影響につながるケースもあります。

社長が社会保険や厚生年金に入れない状態を避けるためには、会社設立後の加入手続きを期限内に行い、役員報酬や扶養条件などを適切に設定することが大切です。社会保険や厚生年金の仕組みを正しく理解し、社長として必要な対応を早めに進めることが、将来の安心と安定した会社経営につながるでしょう。

社長は厚生年金に入れない?社長の社会保険事情に関するおすすめ記事:社長は厚生年金に入れない?加入条件や例外、注意点までわかりやすく解説

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