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一人社長は会社設立後に社会保険加入が必要?役員報酬・保険料・手続きを解説

更新日:2026.09.10

一人社長として会社設立をすると、「自分だけでも社会保険に加入する必要があるのか」「役員報酬を低くすれば加入不要なのか」と疑問に感じる方も多いでしょう。

結論からいうと、法人事業所は原則として健康保険・厚生年金保険の適用事業所となるため、一人社長でも会社から役員報酬を受け取り、被保険者となる実態があれば社会保険への加入が必要です。一方、役員報酬が0円で労務の対償となる報酬を受けていない場合など、会社設立をしたからといって必ず社長本人が社会保険の被保険者になるとは限りません。

一人社長の会社設立では、役員報酬、社会保険料、所得税・住民税、法人税、会社の資金繰りまで合わせて設計することが重要です。役員報酬は社長の手取りや将来の厚生年金、法人に残る利益にも影響します。

この記事では、一人社長が会社設立後に社会保険へ加入する条件から、役員報酬0円・低額報酬の考え方、社会保険料の計算、必要な手続き、未加入時のリスク、社労士などへ依頼する判断基準まで詳しく解説します。

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一人社長でも会社設立後は社会保険への加入が原則必要

一人社長が会社設立をした場合、「従業員を雇っていないから社会保険は不要」と考えるのは注意が必要です。社会保険の適用は、法人か個人事業か、社長が会社から継続的に報酬を受けているかなどで判断されます。

日本年金機構は、常時従業員を使用する法人事業所について「事業主のみの場合を含む」として、健康保険・厚生年金保険への加入を義務付けています。つまり、一人社長の会社設立でも、社長本人がその法人に使用され、役員報酬を受け取る場合は社会保険への加入が原則必要です。

一人社長でも健康保険・厚生年金保険の加入対象になる

株式会社や合同会社などの法人は、原則として健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所です。従業員が何十人もいる会社だけでなく、社長一人だけで運営する一人会社も対象となります。

IDEMAE編集部

重要なのは、「法人が社会保険の適用事業所になること」と「一人社長本人が被保険者になること」を分けて考えることです。

厚生年金保険では、適用事業所で働き、労務の対償として給与や報酬を受ける使用関係がある人が被保険者となります。そのため、一人社長が会社の経営に継続的に関与し、その対価として役員報酬を受け取っていれば、原則として健康保険・厚生年金保険の加入対象になります。

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役員報酬0円なら社会保険に加入できない場合がある

一方、一人社長の役員報酬を0円にしている場合は扱いが異なります。

社会保険の被保険者になるためには、法人との使用関係があり、労務の対償として報酬を受けていることが重要です。役員報酬が完全に0円で、会社から経常的な報酬を受け取っていない一人社長は、通常、その法人の健康保険・厚生年金保険の被保険者資格を取得できません。

この場合、一人社長は原則として国民健康保険や国民年金など、別の制度への加入を検討することになります。

気をつけておきたい注意点

税理士_依頼_おすすめの注意点

ただし、社会保険料を抑える目的だけで役員報酬0円を選ぶのは注意が必要です。法人から社長個人へ給与として生活資金を移せなくなるためです。

役員報酬が8万8,000円未満でも「社会保険に入らなくてよい」とは限らない

一人社長の社会保険で特に誤解されやすいのが「月額8万8,000円」という金額です。

一定の短時間労働者については、社会保険の加入要件の一つとして所定内賃金月額8万8,000円以上という基準があります。しかし、この基準をそのまま一人社長の役員報酬へ当てはめて、「役員報酬を8万8,000円未満にすれば社会保険に加入しなくてよい」と考えるのは適切ではありません。

法人役員の被保険者資格については、役員として会社経営へ継続的に関与しているか、業務の対価として経常的に報酬が支払われているかといった実態を踏まえて判断されます。2026年3月の厚生労働省通知でも、法人役員について形式ではなく実態を総合的に確認する考え方が示されています。

IDEMAE編集部

たとえば役員報酬が月4万5,000円であっても、「4万5,000円だから自動的に社会保険の対象外」という仕組みではありません。一人社長が社会保険の被保険者に該当するかどうかは、金額だけでなく実態を含めた判断が必要です。

なお、厚生年金保険の標準報酬月額は現在、1等級の8万8,000円から設定されています。そのため、被保険者に該当するのであれば、実際の役員報酬が低額だからといって厚生年金保険料が役員報酬額に完全比例して際限なく下がるわけではありません。

一人社長は雇用保険・労災保険には原則加入しない

健康保険・厚生年金保険と雇用保険・労災保険を混同しないことも重要です。

代表取締役などの一人社長は、通常、会社と雇用関係にある労働者ではないため、雇用保険には原則加入しません。代表取締役や業務執行権を持つ取締役は、原則として雇用保険の被保険者にならないとされています。

また、労災保険も労働者を対象とする制度であるため、一人社長は原則として通常加入の対象外です。ただし、労災保険には中小事業主等の特別加入制度があります。業務上のケガなどに備えたい一人社長は、事業内容や加入条件を確認したうえで特別加入を検討するとよいでしょう。

一人社長が会社設立時に決めたい役員報酬と社会保険の関係

一人社長が会社設立をする際、社会保険とセットで考えたいのが役員報酬です。役員報酬の金額は、社長の手取りだけでなく、社会保険料、所得税・住民税、法人税、法人に残る利益などに影響します。

IDEMAE編集部

そのため、「社会保険料が安くなる金額はいくらか」だけで一人社長の役員報酬を決めるのではなく、会社と個人を合わせた負担で考える必要があります。

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役員報酬によって社会保険料の基礎となる標準報酬月額が決まる

一人社長の社会保険料は、単純に役員報酬へ一定率を掛けるだけで決まるわけではありません。健康保険・厚生年金保険では、毎月の報酬を一定の幅に区分した「標準報酬月額」を使って保険料を計算します。

厚生年金保険の場合、現在の標準報酬月額は1等級8万8,000円から32等級65万円までです。役員報酬だけでなく、社会保険上の報酬に該当する手当などがあれば、それらも含めて報酬月額を判断します。

会社設立時には資格取得届へ報酬月額を記載し、その内容をもとに標準報酬月額が決定されます。その後も、原則として毎年の算定基礎届による定時決定や、固定的賃金が大きく変わった場合の随時改定などによって標準報酬月額が見直されます。

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役員報酬0円・4万5,000円・8万8,000円ではどうなる?

一人社長が会社設立時に役員報酬を決める際は、金額ごとの違いを理解しておくと判断しやすくなります。

IDEMAE編集部

役員報酬0円の場合は、会社から労務の対償となる報酬を受けていないため、原則としてその法人で社会保険の被保険者資格を取得することはできません。

役員報酬4万5,000円のように低額の報酬を設定した場合は、4万5,000円という金額だけで加入・未加入が決まるわけではありません。役員として実際に経営へ継続的に関与し、その業務への対価として報酬が経常的に支払われているのかを確認する必要があります。

役員報酬8万8,000円についても同様です。「8万8,000円なら必ず加入」「8万8,000円未満なら加入不要」という一本の境界線が一人社長に存在するわけではありません。

一人社長は会社設立後に社会保険加入が必要かどうかに関するおすすめ記事:法人成りしたら社会保険はどうなる?一人社長でも加入が必要な理由とメリット・デメリット

特に2026年には、法人役員などの被保険者資格について、経営への経常的な参画や、業務の対価として経常的に報酬を受けているかなど、実態を総合的に見て判断する考え方が改めて示されています。

社会保険料を抑えるためだけに形式的な役員報酬を設定するのではなく、実際の仕事内容と報酬の関係を説明できる状態にしておくことが重要です。

社会保険料だけで役員報酬を決めるのはおすすめできない

一人社長にとって社会保険料は大きな固定費になりやすいため、役員報酬を低くしたくなるのは自然です。しかし、社会保険料だけを見て役員報酬を極端に低くすると、別の問題が生じます。

たとえば月5万円の役員報酬にすれば、月30万円の役員報酬と比べて社会保険料負担は抑えやすくなります。一方、社長個人が毎月30万円の生活費を必要としているなら、役員報酬5万円では生活資金が不足します。

IDEMAE編集部

一人社長は会社設立後に社会保険加入が必要かどうかについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

おすすめ記事:一人社長でも社会保険の加入は義務?会社設立した時の手続きと必要書類をわかりやすく解説

法人名義の預金は、100%株主の一人社長でも社長個人のお金ではありません。会社口座から生活費を自由に引き出すと、役員貸付金や役員給与などの税務問題につながる可能性があります。

そのため会社設立前には、「社会保険料を最小化できる役員報酬」ではなく、「会社の利益と個人の生活を無理なく両立できる役員報酬」を考えることが大切です。

役員報酬は税金・手取り・会社利益を含めて決める

一人社長の役員報酬を決める際は、社会保険のほか税務上のルールも確認しなければなりません。

法人税法上、役員給与を法人の損金に算入するためには、原則として定期同額給与などの要件を満たす必要があります。定期同額給与は、毎月など一定の期間ごとに同額を支給する役員給与で、通常の改定は事業年度開始から3か月以内に行うことなどが求められます。

会社設立後に利益が出たからと役員報酬を期中で自由に増額すると、増額部分を損金にできない可能性があります。

ここがポイント!

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したがって、一人社長が会社設立をする際は、初年度の売上予測、固定費、社長の生活費、法人税、所得税・住民税、社会保険料まで見ながら役員報酬を決めることが重要です。

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一人社長の社会保険料はいくら?会社設立前に負担額を確認

一人社長が会社設立を検討するとき、気になるのが毎月の社会保険料です。会社設立後は、社長本人の給与から控除される本人負担分だけでなく、法人が負担する事業主負担分も発生します。

売上がまだ安定していない会社設立直後ほど、社会保険料を毎月の固定費として資金繰りへ織り込んでおくことが大切です。

一人社長は会社設立後に社会保険加入が必要かどうかに関するおすすめ記事:一人社長の社会保険料の計算は?【令和6年最新】

健康保険・厚生年金保険は標準報酬月額から計算する

健康保険料と厚生年金保険料は、原則として標準報酬月額にそれぞれの保険料率を掛けて算出します。協会けんぽの健康保険料率は都道府県ごとに異なります。たとえば2026年度の東京都の健康保険料率は9.85%です。また、40歳から64歳までの介護保険第2号被保険者には全国一律1.62%の介護保険料率が加わります。

さらに2026年4月分からは、新たに子ども・子育て支援金制度が始まり、協会けんぽの一般被保険者では0.23%の支援金率が加わっています。

厚生年金保険料率は18.3%です。健康保険や厚生年金などの保険料は、原則として会社と被保険者で負担します。

たとえば東京都の協会けんぽに加入する40歳未満の一人社長で、標準報酬月額が20万円なら、健康保険料の本人負担は概算9,850円、厚生年金保険料の本人負担は18,300円です。さらに子ども・子育て支援金の本人負担分が加わります。

実際の納付額は加入先、年齢、標準報酬月額、端数処理などによって異なるため、会社設立時には最新の保険料額表で確認しましょう。

一人社長は本人負担と会社負担を合わせて考える

一般の会社員であれば、給与明細から引かれる社会保険料を中心に見ることが多いでしょう。しかし一人社長は、本人負担分だけを見ると実際の負担感を見誤ります。

一人社長の場合、本人負担分は役員報酬から控除されますが、会社負担分も自分が経営する法人の資金から支払われます。

一人社長は会社設立後に社会保険加入が必要かどうかに関するおすすめ記事:法人設立時は一人社長も社会保険加入が必須!必要書類・手続きや保険料の計算例も紹介

たとえば本人負担が毎月3万円、会社負担もおおむね3万円であれば、会社と一人社長を合わせると毎月約6万円規模のキャッシュアウトになります。年間では約72万円です。

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個人事業主の国民健康保険・国民年金とも比較する

個人事業主から一人社長へ法人成りする場合は、会社設立前後で加入する制度が変わります。

個人事業主では、一般に国民健康保険と国民年金へ加入します。会社設立後に法人の健康保険・厚生年金保険の被保険者になれば、国民健康保険から健康保険へ、国民年金第1号被保険者から厚生年金保険の被保険者へ移行します。

このとき、「法人化すると社会保険料が必ず高くなる」「必ず安くなる」とは一概にいえません。

ここがポイント!

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国民健康保険料は自治体、前年所得、世帯構成などによって変わる一方、会社の健康保険・厚生年金保険は標準報酬月額を基礎に計算します。また厚生年金へ加入すれば、基礎年金に加えて厚生年金部分が将来の年金額へ反映されます。

配偶者などを扶養に入れられる可能性もある

社会保険には、一定の条件を満たす家族を健康保険の被扶養者にできる仕組みがあります。配偶者が一定の要件を満たして国民年金第3号被保険者になれば、配偶者本人が国民年金保険料を個別に納付しない形になる場合もあります。

一方、国民健康保険には会社の健康保険のような「扶養」という考え方がないため、世帯の加入人数なども保険料へ影響します。

IDEMAE編集部

そのため、配偶者や子どもがいる一人社長は、自分一人の社会保険料だけでなく世帯全体で比較すると、会社設立による負担の変化を判断しやすくなります。

ただし、被扶養者の認定には収入などの要件があり、個別状況によって判断が変わります。会社設立前に家族の働き方や収入見込みも確認しておきましょう。

一人社長が会社設立後に行う社会保険手続きと必要書類

一人社長が会社設立後に社会保険の適用要件を満たす場合は、年金事務所などへの手続きが必要です。会社設立登記をしただけで、健康保険・厚生年金保険への加入手続きがすべて自動で完了するわけではありません。

特に新規適用届は事実発生から5日以内と期限が短いため、役員報酬を決める作業と並行して準備を進めるのがおすすめです。

IDEMAE編集部

一人社長は会社設立後に社会保険加入が必要かどうかについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

おすすめ記事:一人社長も社会保険の加入義務はある?会社設立時の手続きと必要書類

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健康保険・厚生年金保険 新規適用届を提出する

会社設立後に最初に必要となる代表的な書類が「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」です。

新規適用届は、法人を健康保険・厚生年金保険の適用事業所として登録するための届出です。社会保険の適用要件を満たした事実発生から5日以内に、事務センターまたは管轄の年金事務所へ提出します。

一人社長は会社設立後に社会保険加入が必要かどうかに関するおすすめ記事:一人​社長ガイド|社会保険・​給料(役員報酬)・節税まで​徹底解説

提出方法は、電子申請、郵送、窓口持参があります。

法人の場合は、法人番号によって事業所の実在確認ができない場合など、登記事項証明書などの添付書類が必要になることがあります。会社設立直後は登記情報の反映状況によって必要書類が変わる可能性もあるため、最新の日本年金機構の案内を確認しておくと安心です。

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健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届を提出する

新規適用届が「会社」を社会保険へ登録する書類であるのに対し、「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」は一人社長本人を被保険者として届け出るための書類です。

IDEMAE編集部

会社設立後、一人社長が役員報酬を受け取り被保険者となる場合は、資格取得届も原則として事実発生から5日以内に提出します。

ここで報酬月額を記載するため、会社設立時点で役員報酬を決めておくことが重要です。社会保険手続きまで考えると、会社設立前から初年度の役員報酬をシミュレーションしておく方がスムーズです。

家族を扶養に入れるなら被扶養者(異動)届も確認する

一人社長の配偶者や子どもなどを健康保険の扶養へ入れる場合は、「健康保険 被扶養者(異動)届」などの手続きが必要です。

配偶者が国民年金第3号被保険者の要件を満たす場合は、国民年金第3号被保険者関係届も関係します。

IDEMAE編集部

被扶養者に該当するかは、同居・別居、年間収入、被保険者による生計維持など複数の要件から判断されます。単に「配偶者の収入が少ないから必ず扶養に入れる」とは限りません。

国民健康保険から会社の健康保険へ切り替える

会社設立前に個人事業主などとして国民健康保険へ加入していた一人社長は、会社の健康保険資格を取得した後、国民健康保険の脱退手続きも確認しましょう。

会社の健康保険へ加入したからといって、市区町村の国民健康保険の資格喪失手続きまで必ず自動で完了するわけではありません。自治体へ届出が必要になるため、加入していた市区町村の案内に従って手続きを行います。

一方、国民年金第1号被保険者から厚生年金保険へ切り替わる場合は、厚生年金保険の資格取得に伴って国民年金の資格が切り替わります。

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会社員を続けながら一人会社を設立した場合は二以上事業所勤務を確認する

近年は、本業の会社員を続けながら副業で一人会社を設立するケースもあります。この場合、「本業の会社ですでに社会保険へ入っているから、新しい会社の社会保険手続きは不要」とは限りません。

たとえばA社で会社員として社会保険へ加入しながら、新たにB社を設立して一人社長となり、B社からも役員報酬を受け取って社会保険の加入要件を満たす場合、B社についても新規適用届や資格取得届が必要です。

さらに、複数の適用事業所で被保険者になる場合は「被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出し、主となる事業所を選択します。

一人社長が社会保険に未加入だった場合のリスクと専門家への依頼

一人社長の会社設立後に社会保険の手続きを忘れていた場合、「今さら届け出ると問題になりそうだから、そのままにしておこう」と考えるのは危険です。

日本年金機構は未適用事業所の把握や加入指導を進めています。一人社長であっても、社会保険の適用要件を満たしているなら、未加入を放置せず速やかに状況を確認することが重要です。

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社会保険に未加入だと遡って加入を求められる可能性がある

社会保険の適用対象であるにもかかわらず加入手続きをしていなかった場合は、過去にさかのぼって資格取得や保険料負担を求められる可能性があります。

そのため、「一人社長だから年金事務所には分からないだろう」と考えるのではなく、会社設立時点から適正に社会保険手続きを行うことが重要です。

会社設立後5日を過ぎても放置しない

新規適用届や資格取得届は原則として事実発生から5日以内ですが、期限を過ぎたからといって社会保険へ加入できなくなるわけではありません。

会社設立から数週間、数か月経って手続き漏れに気付いた場合でも、まずは管轄の年金事務所や専門家へ確認し、必要な届出を進めることが大切です。

気をつけておきたい注意点

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むしろ、期限を過ぎていることを理由にさらに放置すると、遡及する期間が長くなり、保険料負担や事務処理が大きくなる可能性があります。

一人社長の会社設立では、税務署、都道府県、市区町村、年金事務所など複数の届出が短期間に集中します。会社設立手続きのチェックリストを作り、社会保険だけ抜け落ちないようにしましょう。

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一人社長なら社会保険手続きを自分で行うこともできる

一人社長だからといって、社会保険手続きを必ず社労士へ依頼しなければならないわけではありません。

新規適用届や資格取得届などは、一人社長自身で作成して提出することも可能です。役員が自分一人で扶養家族もおらず、会社員との兼業などもないシンプルな会社であれば、自分で手続きを進められるケースもあります。

一方で、役員報酬をいくらにするか迷っている、扶養家族がいる、本業の会社でも社会保険へ加入している、設立から時間が経っている、社会保険料を含めた資金繰りを確認したいといったケースでは、専門家へ相談するメリットが大きくなります。

手続きそのものと、役員報酬の最適額を判断することは別の問題です。

IDEMAE編集部

社会保険の届出は社労士、役員報酬や法人税の相談は税理士の専門分野となるため、両方をまとめて検討できる体制があると会社設立後の判断がスムーズになります。

社労士へ依頼する費用だけでなく業務範囲を比較する

社会保険の新規適用を社労士へスポットで依頼する場合、料金は事務所によって異なります。公開料金を見ると、小規模事業者の社会保険新規適用手続きについて2万円台から5万円台程度の設定例がありますが、資格取得届や被扶養者届が別料金になっている事務所もあります。

そのため、一人社長が会社設立時の社会保険手続きを依頼する際は、単純な料金だけでなく、「どこまで料金に含まれるか」を確認することが重要です。

IDEMAE編集部

特に確認したいのは、新規適用届、資格取得届、扶養手続き、役員報酬に関する相談、給与計算、算定基礎届、月額変更届などへの対応です。

一人社長の会社設立では、社会保険だけでなく税務・経理も同時に始まります。顧問料の安さだけで比較するのではなく、税務・労務・経理を一つの窓口で相談できるか、役員報酬の変更が社会保険と税金の両方へどう影響するかまで説明してもらえるかを確認するとよいでしょう。

一人社長の会社設立・社会保険に関するQ&A

一人社長の会社設立と社会保険については、役員報酬の金額や副業の有無などによって判断が変わることがあります。ここでは、一人社長が会社設立前後に疑問を持ちやすいポイントをQ&A形式で解説します。

Q.一人社長で役員報酬がない場合、社会保険はどうなりますか?

役員報酬が0円で、法人から労務の対償となる経常的な報酬を受けていない一人社長は、原則としてその法人の健康保険・厚生年金保険の被保険者資格を取得できません。

その場合は国民健康保険・国民年金など別の制度への加入が必要になることがあります。会社設立時に社会保険料だけを理由として役員報酬0円を選ぶのではなく、生活費や税金も含めて判断しましょう。

Q.役員報酬が4万5,000円の一人社長は社会保険に加入しますか?

役員報酬が4万5,000円だからという理由だけで、社会保険の加入対象外になるわけではありません。

一人社長が法人経営へ継続的に関与し、役員としての業務の対価として報酬を経常的に受けているかなど、実態を踏まえて被保険者資格が判断されます。「8万8,000円未満なら加入しなくてよい」という短時間労働者の基準と混同しないことが重要です。

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Q.会社員のまま一人会社を設立したら社会保険はどうなりますか?

本業の会社ですでに社会保険へ加入していても、新たに設立した法人で一人社長となり、役員報酬を受けて加入要件を満たす場合は、新しい法人でも社会保険手続きが必要です。

ここがポイント!

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複数の適用事業所で被保険者になる場合は、二以上事業所勤務届などの手続きも必要になります。副業で会社設立する場合は、設立前に社会保険料への影響を確認しておくと安心です。

Q.一人会社の社長でも福利厚生費は認められますか?

一人会社でも、事業に必要な福利厚生関連の支出がすべて否定されるわけではありません。ただし、社長個人だけが受ける私的な利益については、福利厚生費ではなく役員給与などと判断される可能性があります。

特に一人社長では「従業員全体を対象とする福利厚生」という性質を示しにくい支出もあるため、会社設立後に個人的な飲食・旅行・健康関連費用などを安易に福利厚生費へ計上しないことが大切です。判断が難しい支出は税理士へ確認しましょう。

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まとめ

一人社長が会社設立をする場合、従業員が自分一人だけでも、役員報酬を受け取り被保険者となる実態があれば、原則として健康保険・厚生年金保険への加入が必要です。

一方、役員報酬が0円の場合や、法人との使用関係・報酬の実態が認められない場合は、社長本人が社会保険の被保険者にならないケースもあります。

IDEMAE編集部

一人社長は会社設立後に社会保険加入が必要かどうかについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

おすすめ記事:会社設立後の社会保険、社長1人でも加入は義務!税理士が手続き・保険料・メリットを徹底解説【新宿】

一人社長の社会保険で重要なのは、役員報酬を8万8,000円未満にすれば加入不要といった単純な判断をしないことです。会社設立時には、社会保険料だけでなく、役員報酬、社長の手取り、法人税、所得税・住民税、将来の年金、会社の資金繰りまで含めて比較する必要があります。

また、会社設立後の社会保険手続きには短い期限があるため、法人登記が完了してから考え始めるのではなく、会社設立前から役員報酬と社会保険を一緒に設計しておくとスムーズです。

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自分で判断するのが難しい場合は、社会保険だけでなく税務・労務・経理まで一元的に相談できる専門家を活用するとよいでしょう。

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