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定期同額給与は支給日がズレても大丈夫?土日・振込遅れ・未払い時の対応を解説
更新日:2026.10.02
役員報酬を毎月支給している会社では、「定期同額給与の支給日が1日ズレた」「土日だったので翌営業日に振り込んだ」「役員報酬の振込を忘れて数日遅れてしまった」といったことが起こる場合があります。
定期同額給与は法人税の計算上、役員給与を損金に算入するための重要な要件です。そのため、「定期同額給与の支給日にズレが出ると、役員報酬がすべて損金不算入になるのではないか」と不安になる経営者もいるでしょう。
結論からいうと、定期同額給与の支給日が予定日から1日ズレたという事実だけで、直ちに定期同額給与ではなくなると一律に判断できるわけではありません。
国税庁の法人税基本通達では、定期同額給与における「支給時期が1月以下の一定の期間ごと」である給与について、あらかじめ定められた支給基準に基づき、月以下の期間を単位として規則的に反復または継続して支給されるものとしています。つまり、「毎月25日なら1日もズレてはいけない」という日付だけの基準ではなく、事前の支給基準と実際の継続的な支給状況が重要です。
定期同額給与は支給日がズレても大丈夫かどうかに関するおすすめ記事
一方、支給日のズレが毎月繰り返されている、数か月分をまとめて支給している、資金不足による未払いが常態化しているといったケースでは慎重な判断が必要です。また、支給日のズレと役員報酬の支給額の変更は別の問題であり、途中で増額・減額している場合には定期同額給与の改定ルールも確認しなければなりません。
この記事では、「定期同額給与 支給日 ズレ」と検索している法人経営者や経理担当者に向けて、土日祝による前倒し・翌営業日払い、振込忘れ、未払い、未払計上、翌月まとめ払いなどのケース別に解説します。定期同額給与の支給日にズレが生じた後の確認方法や、損金不算入を避けるために日頃から整えておきたい運用まで詳しく見ていきましょう。
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定期同額給与は支給日がズレても大丈夫?結論から解説

定期同額給与の支給日にズレが生じたとき、最初に確認したいのは「何日ズレたのか」だけではありません。
ズレが生じた理由、会社がもともと定めていた支給基準、過去の支給状況、役員報酬の金額、未払いの有無などをまとめて確認する必要があります。
土日祝などによる一時的な支給日のズレは直ちに問題になるとは限らない
例えば、役員報酬を「毎月25日払い」としている会社で、25日が日曜日だったため24日の金曜日に振り込んだとします。このような定期同額給与の支給日のズレについて、「1日前倒ししたから定期同額給与ではない」と直ちに判断されるとは限りません。
法人税基本通達9-2-12では、「1月以下の一定の期間ごと」の給与について、あらかじめ定められた支給基準に基づいて規則的に反復・継続して支給されるものとしています。また、支給基準には慣習によるものも含まれます。
IDEMAE編集部
定期同額給与は支給日がズレても大丈夫かどうかについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
おすすめ記事:事前確定届出給与の所定支払日のズレ
そのため、会社が「支給日が金融機関の休業日に当たる場合は前営業日に支給する」とあらかじめ決め、そのルールに従って毎回同様に処理しているのであれば、定期同額給与としての規則性を説明しやすくなります。
翌営業日払いについても、税法上「前倒しでなければならない」「翌営業日は認められない」という一律のルールが示されているわけではありません。重要なのは、自社で定めた支給ルールに沿って継続的に運用しているかです。
したがって、定期同額給与の支給日のズレを考えるときは、「何日までなら大丈夫」という日数だけで判断するのは適切ではありません。
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振込忘れなどで数日ズレた場合も理由と実態を確認する
「25日に振り込む予定だったのに経理担当者が忘れ、27日に振り込んだ」というケースは、土日祝によるズレとは事情が異なります。
ただし、これについても「2日遅れたため、その年の役員報酬がすべて損金不算入になる」と機械的に決まるわけではありません。
IDEMAE編集部
確認すべきなのは、本来の役員報酬が毎月同額で定められており、それまで規則的に支給されていた中で偶発的に振込が遅れたのか、それとも以前から支給日が不規則だったのかという点です。
例えば、毎月25日に30万円を支給しており、1年間で一度だけ操作ミスにより27日になったケースと、「今月は25日、翌月は翌月5日、その次は28日」というように支払いが常にバラバラなケースでは、定期性を説明するうえで状況が大きく異なります。
「定期同額給与 支給日 ズレ」で重要なのは、1回のミスだけを見るのではなく、1事業年度を通した支給実態を見ることです。
毎月支給日がバラバラになっている場合は注意が必要
定期同額給与の支給日のズレが恒常的になっている場合には注意が必要です。国税庁は定期給与について、あらかじめ定めた支給基準に基づき「規則的に反復又は継続して支給されるもの」としています。
したがって、下記の表も「何日なら絶対にセーフ」という基準ではありません。
| 支給状況 | 考え方 |
|---|---|
| 土日祝のため毎回同じルールで前倒し | 支給基準を説明しやすい |
| 一度だけ振込操作が1〜2日遅れた | 事情や過去の運用を含めて判断 |
| 毎月数日ずつ支給日が違う | 規則性を説明できるか確認が必要 |
| 資金不足で翌月に支払うことが頻繁にある | 定期的な支給の実態について慎重な確認が必要 |
| 数か月分をまとめて支給する | 「1月以下の一定期間ごと」の要件との関係に注意 |
気をつけておきたい注意点
定期同額給与の支給日にズレがあった場合は、日数だけではなく、ズレの理由、回数、支給基準、支給額、未払い期間などを総合的に確認する必要があります。
「支給日のズレ」と「支給額のズレ」は別の問題
定期同額給与について調べる際に特に混同しやすいのが、支給日のズレと支給額のズレです。
例えば、「30万円の役員報酬を25日ではなく27日に支払った」というケースと、「毎月30万円だった役員報酬を今月だけ35万円支払った」というケースは同じではありません。
後者は定期同額給与の「各支給時期における支給額が同額」という要件に直接関係します。国税庁では、法人が役員に支給する給与のうち、定期同額給与、事前確定届出給与、一定の業績連動給与などの要件を満たさないものについて、原則として損金算入を認めない仕組みを示しています。
ここがポイント!
「支給日が1日ズレた」と「報酬額を変更した」を一緒に考えないようにしましょう。
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定期同額給与の支給日に関する基本ルール

定期同額給与の支給日のズレが問題になるか判断するには、そもそも定期同額給与がどのような役員給与なのかを理解する必要があります。
特に重要なのが「1月以下の一定期間ごと」「同額」「あらかじめ定めた支給基準」という3つのポイントです。
IDEMAE編集部
定期同額給与は支給日がズレても大丈夫かどうかについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
定期同額給与は「1月以下の一定期間ごと」に支給する役員給与
国税庁によると、定期同額給与の基本となるのは、その支給時期が1か月以下の一定の期間ごとであり、事業年度の各支給時期における支給額、または一定の控除後の金額が同額である給与です。
一般的な中小企業であれば、「毎月25日に50万円」「毎月末日に30万円」などと役員報酬を決めて支給するケースが該当します。
一方、「毎月30万円分として計算しているから」という理由だけで、90万円を3か月ごとに支給するような方法が当然に定期同額給与になるわけではありません。
法人税基本通達では、年1回や年2回などの支給について、各月の一定額を基礎に計算していたとしても、定期同額給与には該当しない例を示しています。
IDEMAE編集部
そのため、定期同額給与の支給日のズレを考える際にも、単に帳簿上で毎月費用計上しているかだけではなく、どのような支給基準で役員給与を支給しているかを見る必要があります。
「毎月同じ日」であることだけが要件ではない
「定期同額給与」という名称から、「毎月必ず同じ日に銀行振込を行わなければならない」と理解されることがあります。しかし、法人税法上の表現は「毎月25日」のような特定の日付ではなく、「その支給時期が1月以下の一定の期間ごと」です。
さらに法人税基本通達では、あらかじめ定めた支給基準に基づいて規則的に反復・継続して支給することが示されています。
IDEMAE編集部
したがって、定期同額給与の支給日にズレがある場合は、「カレンダー上の日付が完全一致しているか」だけを見るのではなく、「会社として一定の支給ルールが存在し、それに従って継続的に支給しているか」を見ることが重要です。
土日祝を挟めば実際の振込日が24日や26日になることはあります。そのため、会社として「金融機関休業日の場合は前営業日」といったルールを決めておけば、支給日のズレについて説明しやすくなります。
支給日・対象月・計上日・振込日を分けて考える
定期同額給与の支給日のズレでは、「何月分の給与なのか」と「いつ振り込んだのか」を混同しないことも重要です。
例えば、「4月分役員報酬を5月25日に支給する」という翌月払いの会社では、4月分という給与対象月と、実際の支給日である5月25日が一致しません。
さらに会計上は4月末に、役員報酬/未払金として計上し、5月25日に、未払金/普通預金として精算しているケースもあります。
この場合、「4月分だから4月25日が支給日」ということにはなりません。
ここがポイント!
定期同額給与の支給日のズレを確認するときは、給与の対象月・支給予定日・帳簿上の計上日・実際の振込日の4つを整理することが重要です。
特に役員報酬を変更した事業年度では、この整理が曖昧だと後述する3か月ルールの判断まで分かりにくくなります。
手取り額が変わっただけなら「支給額のズレ」とは限らない
健康保険料や厚生年金保険料、住民税などが変わると、役員報酬の額面を変えていなくても実際の振込額が変わることがあります。
例えば、額面50万円の役員報酬を毎月支給していても、住民税や社会保険料が変われば銀行口座へ振り込まれる手取り額は毎月完全に同じとは限りません。
IDEMAE編集部
定期同額給与は支給日がズレても大丈夫かどうかについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
おすすめ記事:役員報酬、4月から変更していい?節税とリスクの境界線
国税庁では、定期同額給与について「支給額」または「支給額から源泉税等を控除した金額」が同額であるものとしています。ここでいう源泉税等には、所得税、特別徴収される地方税、社会保険料などが含まれます。
そのため、振込額だけを見て「今月だけ金額が違うから定期同額給与ではない」と判断するのは早計です。役員報酬の額面、控除額、手取り額を分けて確認しましょう。
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定期同額給与の支給日がズレるケースを原因別に解説

「定期同額給与 支給日 ズレ」と検索する方の状況はさまざまです。ここでは、実務で起こりやすいケースごとに、どの点を確認すべきか解説します。
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土日・祝日で定期同額給与の支給日がズレた場合
役員報酬の支給日が土日祝日に重なることは珍しくありません。例えば毎月25日払いとしていて、5月25日が日曜日→5月23日金曜日に前倒しとするケースがあります。
このような場合は、土日祝日のときにどう支給するかをあらかじめ決め、同じ方法で運用することが重要です。
法人税基本通達は、支給基準について「慣習によるものを含む」としています。そのため、毎月の支給実態や継続した運用も判断材料になります。
IDEMAE編集部
ただし、「土日なら前倒しが法律上必須」「翌営業日なら必ず定期同額給与から外れる」といった法人税上の明確な日付ルールがあるわけではありません。
今後の定期同額給与の支給日のズレを防ぎたい場合は、「毎月25日。ただし金融機関休業日の場合は前営業日」など、社内でルールを明文化しておくと管理しやすくなります。
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銀行振込の処理で着金が翌日になった場合
支給日当日に振込手続きを行ったものの、受付時間や金融機関側の処理によって着金が予定より遅れるケースもあります。
この場合は、「会社がいつ振込手続きをしたのか」「本来の支給日はいつだったのか」「なぜ着金が遅れたのか」が分かる資料を残しておくことが大切です。
国税庁は給与所得の収入すべき時期について、契約や慣習、株主総会の決議などによって支給日が定められている一般の給与では、その支給日を収入時期としています。
ただし、この所得税上の収入時期と、法人税における定期同額給与の支給要件はまったく同じ論点ではありません。
「振込予約をした日だけ見れば大丈夫」と単純化せず、予定された支給基準と実際の処理状況をセットで保存しておきましょう。
定期同額給与の振込を忘れて1日・数日遅れた場合
担当者のミスによって定期同額給与の支給日にズレが発生した場合は、気づいた時点で速やかに支給することが基本です。
IDEMAE編集部
また、単に振り込むだけではなく、本来の支給日・実際の支給日・遅れた理由・役員報酬の金額・過去の支給履歴を確認しておきましょう。
例えば、毎月25日に40万円を支給している会社で、ある月だけ28日になったのであれば、それまでの銀行明細や給与台帳から規則的な支給実績を確認できます。
一方、以前から「会社にお金がある日に振り込んでいる」といった状態なら、定期同額給与の支給日にズレがあるというより、そもそもあらかじめ定めた支給基準に基づく規則的な支給になっているかが問題になります。
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資金繰りが悪く役員報酬を支払えなかった場合
より注意したいのが、資金不足による未払いです。例えば、役員報酬を月額50万円と決めているものの、資金繰りが厳しいため今月は支払わず、翌月に100万円まとめて支給するケースです。
気をつけておきたい注意点
単純な1日の振込忘れとは異なり、定期同額給与の支給日のズレが資金不足によって継続している場合は、「1月以下の一定期間ごと」「規則的に反復または継続して支給」という要件との関係を慎重に確認する必要があります。
また、「資金繰りが悪いから役員報酬そのものを減額すればよい」と考える場合にも注意してください。
国税庁の法人税基本通達では、業績悪化改定事由について、経営状況が著しく悪化したことなど、役員給与を減額せざるを得ない事情が必要とされています。一時的な資金繰りの都合や、単に業績目標に達しなかったことなどは含まれないと明記されています。
したがって、「今月現金が足りない」→「今月だけ役員報酬を半分にする」という処理が当然に認められるわけではありません。資金繰りと役員報酬の税務上の改定ルールは分けて考える必要があります。
未払計上すれば支給日のズレは問題ないとは限らない
定期同額給与の支給日のズレを調べると、「振り込めなくても未払金として計上すれば大丈夫」という説明を見かけることがあります。
しかし、未払計上を万能な対処方法として考えるのは避けた方がよいでしょう。
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例えば、月額30万円の役員報酬について支給日に、役員報酬30万円/未払金30万円と仕訳をすれば、会計上は役員報酬の債務を認識できます。
一方、法人税基本通達が定期給与に求めているのは、あらかじめ定めた支給基準に基づいて規則的・継続的に「支給」されることです。
したがって、未払計上をしているという事実だけをもって、何か月支払いを遅らせても必ず定期同額給与として認められると断定することはできません。
一時的な未払いなのか、未払いが常態化しているのか、後から数か月分をまとめて支払っているのかなど、実際の状況を確認する必要があります。
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翌月にまとめて支給する場合は特に注意する
例えば、毎月30万円の定期同額給与について、4月30万円・5月未払い・6月に60万円という支払い方になった場合、帳簿上毎月30万円を計上していたとしても、実際の支給間隔は通常の毎月払いとは異なります。
特にこれが何度も続けば、「1月以下の一定期間ごとに規則的に支給」という定期給与の基本要件との関係が問題になりやすくなります。
また、後からまとめて支給する際に「不足分を調整する」という名目で役員報酬自体を増額するのも注意が必要です。
国税庁は、すでに終了した職務に対して、事後的に役員給与を増額して一括支給したケースについて、その一括支給額は定期同額給与などに該当せず、損金算入できないとする質疑応答事例を示しています。
「支給日がズレたから後で金額を合わせればよい」とは考えないようにしましょう。
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定期同額給与の支給日がズレたときの対応方法

定期同額給与の支給日にズレが発生してしまった場合、過去に戻って振込日を変更することはできません。
そのため、事実を隠したり帳簿の日付だけを合わせたりするのではなく、本来の支給ルールと実際の支払状況を整理したうえで適切に処理することが重要です。
まず本来の支給日と実際の振込日を確認する
最初に次の資料を確認します。
- 株主総会・取締役会等の議事録
- 役員報酬を決めた社内資料
- 給与台帳
- 総勘定元帳
- 預金通帳・銀行明細
- インターネットバンキングの振込履歴
特に「毎月何日にいくら支給すると決めていたのか」と「実際にいつ支給したのか」を一覧化すると、定期同額給与の支給日のズレが単発なのか継続的なのか判断しやすくなります。
IDEMAE編集部
定期同額給与は支給日がズレても大丈夫かどうかについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
例えば12か月分を確認し、11回は毎月25日、1回のみ担当者の入力ミスで27日だったのであれば、その事実関係を明確にできます。
逆に毎月違う日に支払っているなら、今後の支給方法を見直した方がよいでしょう。
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定期同額給与の支給日がズレた理由を残しておく
税務上の処理では、数字だけでなく「なぜその処理になったのか」を後から説明できることも重要です。
例えば、下記のような事情があります。
「25日が日曜日だったため社内ルールにより23日に支給した」
「金融機関の振込処理により着金が翌営業日になった」
「担当者の操作ミスを26日に発見し、同日に振り込んだ」
IDEMAE編集部
特に定期同額給与の支給日のズレが例外的に発生した場合は、振込記録や社内連絡などを保存しておくと、後から経緯を確認しやすくなります。
ただし、後から架空の議事録を作ったり、実際とは異なる振込日で帳簿を処理したりすることは避けなければなりません。実際に起きた事実を前提として対応してください。
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未払いの場合は源泉所得税も確認する
役員報酬が未払いになっている場合は、法人税上の定期同額給与だけでなく源泉徴収の処理にも注意が必要です。
国税庁によると、役員や使用人へ毎月支払う給与が定められた支給日に支払われず未払いとなった場合、原則として実際に給与を支払う際に源泉徴収を行います。
また、給与の一部だけを支払い、残額が未払いの場合には、実際に支払った金額に対応する部分の所得税等を源泉徴収します。
さらに、年末調整時点で未払給与が残っている場合には、国税庁はその未払給与も年間の給与等の支払金額の総額に含めて年末調整を行う取扱いを示しています。
つまり、「銀行から振り込んでいないから何もしなくてよい」とは限りません。
ここがポイント!
定期同額給与の支給日のズレが年をまたぐ場合や未払期間が長い場合は、法人税だけでなく源泉所得税・年末調整まで確認しましょう。
今後は支給ルールを明確にして自動振込などを利用する
定期同額給与の支給日のズレを繰り返さないためには、毎月人が覚えて振り込む方法より、支給ルールを明確にしたうえで自動化する方が安全です。
例えば、「役員報酬は毎月25日払い」「25日が金融機関休業日の場合は前営業日」「毎月20日までに振込予約を行う」などのルールを設定します。
あわせて給与台帳、会計ソフト、インターネットバンキングの処理を連動させれば、振込忘れの可能性を抑えられます。
IDEMAE編集部
定期同額給与は「毎月同じ金額を会計ソフトへ入力するだけ」の制度ではありません。決議、給与計算、会計処理、銀行振込まで一連の運用をそろえることが重要です。
支給日のズレ以外にも注意!定期同額給与が損金不算入になるケース

定期同額給与の支給日のズレだけを確認して安心するのは早計です。
実務では支給日のズレよりも、事業年度途中の増額・減額や遡及改定によって定期同額給与の要件から外れるケースにも注意する必要があります。
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役員報酬を事業年度途中で自由に増額・減額することはできない
定期同額給与は、毎月好きなタイミングで金額を変更できる仕組みではありません。
国税庁では、定期給与の通常改定について、原則として事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月を経過する日までに行われる改定など、一定の条件を定めています。
例えば3月決算法人で4月から新事業年度が始まる会社の場合、通常の役員報酬改定ではこの3か月ルールを確認する必要があります。
IDEMAE編集部
ただし、「事業年度開始から3か月以内であれば何度でも自由に変更できる」という意味ではありません。いつ、どの機関で報酬額を決め、いつから新しい役員報酬を適用したのかを整理する必要があります。
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役員報酬と給与は両方もらえる?支給できるケースや使用人兼務役員の条件と注意点を解説
この記事では、役員報酬と給与は両方もらえるのか、役員報酬と給与を両方支給できるケース、使用人兼務役員の条件、役員報酬と給与の違い、損金算入や社会保険・雇用保険の注意点まで詳しく解説します。
月末締め・翌月払いでは給与対象月と支給日を混同しない
定期同額給与では、月末締め翌月払いの会社で3か月ルールを判断するときに混乱しやすくなります。
例えば4月開始の事業年度で、「6月に役員報酬改定を決議」「7月分から増額」「7月分を8月25日に支払う」といったケースでは、「実際の振込が8月だから4か月目の改定だ」と単純に判断するのは適切ではありません。
国税庁の制度では「給与改定がいつされたのか」や、改定前・改定後の各支給時期における給与がそれぞれ同額になっているかを確認します。
定期同額給与は支給日がズレても大丈夫かどうかに関するおすすめ記事
月末締め翌月払いを採用している場合は、決議日・給与の対象期間・給与改定日・最初の支給時期・実際の支給日を時系列で整理したうえで判断することが重要です。
この点は「定期同額給与 支給日 ズレ」と「定期同額給与 3か月ルール」が交差しやすい部分なので、判断に迷う場合は税理士へ確認するとよいでしょう。
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臨時改定事由があれば年度途中でも変更できる場合がある
事業年度途中でも、役員の職制上の地位や職務内容に重大な変更があるなど、「臨時改定事由」に該当する場合には、改定前後の役員給与がそれぞれ定期同額給与として認められる可能性があります。
国税庁は例として、社長の退任に伴って副社長が社長へ就任した場合や、合併によって役員の職務内容が大幅に変わった場合などを挙げています。
気をつけておきたい注意点
単に、「利益が増えたから報酬も増やしたい」「想定より忙しくなった」「資金に余裕が出た」というだけで臨時改定事由になるとは限りません。
定期同額給与の支給日のズレと同様に、「理由がある」というだけではなく、その理由が税法上の要件に当てはまるかを確認する必要があります。
一時的な資金繰りを理由にした減額にも注意する
会社の売上が落ちた場合、役員報酬を途中で減らしたいこともあるでしょう。一定の業績悪化改定事由に該当すれば、事業年度途中の減額でも定期同額給与として認められる場合があります。
ただし、国税庁は「一時的な資金繰りの都合」や「単に業績目標値に達しなかったこと」は、経営状況の著しい悪化に類する理由には含まれないとしています。
IDEMAE編集部
つまり、「今月だけ現金が足りないから30万円を10万円にする」「来月入金があるから再び30万円へ戻す」といった処理は慎重に判断しなければなりません。
資金不足で支給日がズレている会社では、「未払いにするか」「役員報酬を減らすか」という二つの問題が同時に発生しやすいため注意しましょう。
定期同額給与自体は原則として税務署への事前届出が不要
定期同額給与について、「税務署へ毎年届出を提出する必要があるのか」と疑問に思う方もいます。定期同額給与には、事前確定届出給与のように、定期同額給与として損金算入するための専用の事前届出制度はありません。
一方、税務署への届出が不要だからといって、会社内で何も決めなくてよいわけではありません。
ここがポイント!
役員報酬について誰にいくら支給するかを適切な手続きで決め、株主総会議事録など必要な資料を保存しておくことが重要です。
また、役員に賞与を支給して損金算入したい場合などは事前確定届出給与のルールが関係します。定期同額給与と事前確定届出給与では支給時期や手続きの考え方が異なるため、混同しないようにしましょう。
定期同額給与の支給日のズレに関するQ&A

定期同額給与の支給日にズレが出た場合は、ズレた日数だけでなく、その原因や支給実態まで確認する必要があります。
ここでは、「定期同額給与 支給日 ズレ」でよくある疑問についてQ&A形式で解説します。
Q.定期同額給与の支給日が1日遅れたら損金不算入になりますか?
定期同額給与の支給日が予定日から1日遅れたという事実だけで、直ちに役員報酬が損金不算入になると一律に決まるわけではありません。
本来の支給基準、ズレた理由、過去の支給状況、支給額などを確認します。国税庁は定期給与について、あらかじめ定めた支給基準に基づいて、月以下の期間を単位として規則的に反復・継続して支給されるものとしています。
定期同額給与は支給日がズレても大丈夫かどうかに関するおすすめ記事
ただし、「1日なら必ず問題ない」という明確な安全基準があるわけでもありません。支給日がズレた場合は速やかに支給し、同じミスを繰り返さない運用に変更しましょう。
Q.定期同額給与の支給日が土日・祝日の場合はどうすればよいですか?
支給日が土日祝日に当たる場合は、前営業日または翌営業日に支給する運用が考えられます。
IDEMAE編集部
重要なのは、「土日なら必ず前倒し」といった法人税上の一律ルールではなく、自社であらかじめ支給基準を定め、その基準に従って継続的に処理することです。
今後の定期同額給与の支給日のズレを避けるなら、「25日が金融機関休業日の場合は前営業日」のように社内ルールを明確にしておくとよいでしょう。
Q.定期同額給与の支払いを忘れたらどうなりますか?
定期同額給与の振込を忘れた場合は、気づいた時点で速やかに支給し、本来の支給日と実際の振込日、遅延理由を確認してください。
一度だけの振込ミスなのか、過去にも頻繁に遅延しているのかで状況が異なります。
定期同額給与の支給日にズレが繰り返し発生し、毎月の支払いが不規則になっている場合は、定期給与の要件との関係について税理士へ確認することをおすすめします。
Q.役員報酬を未払金に計上すれば定期同額給与になりますか?
未払金として会計処理したという理由だけで、必ず定期同額給与になるとは断定できません。
定期同額給与では、1月以下の一定期間ごとに、あらかじめ定めた支給基準に基づいて規則的に支給されることが重要だからです。
ここがポイント!
資金不足による未払いが長期間続いている場合や、複数月分をまとめて支給している場合は、帳簿上の未払計上だけではなく実際の支給状況を含めて確認しましょう。
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Q.定期同額給与の支給日が毎月バラバラでも大丈夫ですか?
毎月の支給日が違うからといって直ちに定期同額給与ではないとは限りませんが、合理的な支給基準がなく支払いが不規則になっている場合は注意が必要です。
特に「会社の口座残高に余裕がある日に払う」「経営者が思い出した日に振り込む」といった運用では、規則的・継続的な支給を説明しにくくなります。
毎月の定期同額給与の支給日にズレがある場合は、支給日を固定し、土日祝の場合のルールまで決めておくとよいでしょう。
Q.定期同額給与を減額した場合はどうなりますか?
事業年度途中で定期同額給与を自由に減額すると、定期同額給与の要件から外れる可能性があります。
IDEMAE編集部
一方、事業年度開始後の一定期間内に行われる通常改定や、職務内容の重大な変更による臨時改定、経営状況の著しい悪化などによる一定の減額改定であれば、改定前後の給与が定期同額給与として認められる場合があります。
単なる一時的な資金繰り悪化は、業績悪化改定事由には含まれないとされているため注意してください。
Q.給料の振り込みが1日遅れたら違法ですか?
従業員への給与と役員報酬では、確認するルールが異なります。労働者に対する賃金については、労働基準法第24条で、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払うことが求められています。
一方、代表取締役など役員の報酬について「定期同額給与 支給日 ズレ」を検討する場合は、法人税法上の役員給与の損金算入要件が中心です。
「給料日が遅れた」という同じ状況でも、従業員給与の労働法上の問題と、役員報酬の定期同額給与の税務上の問題は分けて考えましょう。
まとめ

定期同額給与の支給日にズレが生じたからといって、予定日から1日遅れただけで直ちに役員報酬の全額が損金不算入になると一律に判断できるわけではありません。
「定期同額給与 支給日 ズレ」で重要なのは、何日ズレたかだけではなく、あらかじめ定めた支給基準があるか、その基準に従って規則的・継続的に役員報酬を支給しているか、支給額が同額か、支払い遅れが一時的か常態化しているかを確認することです。
定期同額給与は支給日がズレても大丈夫かどうかに関するおすすめ記事
土日祝によって定期同額給与の支給日が前後する場合は、金融機関休業日の取扱いを社内で決め、同じルールで運用すると管理しやすくなります。また、振込忘れによって定期同額給与の支給日にズレが発生した場合は、速やかに振り込み、本来の支給日・実際の振込日・遅延理由が分かる資料を残しておきましょう。
特に注意したいのが、資金不足による未払いです。会計上で未払金を計上しているだけで、長期間支払わなくても必ず定期同額給与として認められるとは限りません。複数月分をまとめて支給している場合や、定期同額給与の支給日のズレが毎月発生している場合は、定期給与としての支給実態を確認する必要があります。
IDEMAE編集部
さらに、支給日のズレと支給額の変更は別の問題です。事業年度途中で役員報酬を増額・減額する場合には、通常改定、臨時改定事由、業績悪化改定事由などの要件も確認しなければなりません。
定期同額給与の支給日にズレが発生すると、法人税上の損金算入だけでなく、未払金の会計処理、源泉所得税、給与台帳、社会保険料など複数の処理に影響する場合があります。支払い遅れが複数回ある場合や、未払期間が長期化している場合、役員報酬の金額まで変更している場合は、申告前に税理士へ相談し、税務・労務・経理をまとめて確認すると安心です。
定期同額給与は支給日がズレても大丈夫かどうかに関するおすすめ記事:役員報酬の支給日がバラバラでも問題ない?定期同額給与との関係性についても解説
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