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合同会社の役員が就任した場合の登記手続きに必要な書類について解説
公開日:2023.11.22
更新日:2024.02.01
合同会社を経営していて、役員が就任した場合にどのような手続きが必要か分からないという方も多いと思います。
この記事では、合同会社に役員が就任した場合に必要な登記手続きについて解説します。また、登記手続きの際に提出が必要となる書類の記載例とあわせて解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
株式会社の役員就任時に必要な書類については以下の記事で解説しています。株式会社の方は、以下の記事を参考にしてください。
参考記事:役員が入社(就任)したらどうする?役員変更登記の手続きのやり方や書類の書き方解説
合同会社の業務執行社員とは
合同会社と株式会社では、それぞれ役員の正式名称が異なります。
株式会社では会社の代表を「代表取締役」と呼びますが、合同会社では「代表社員」と呼ばれます。また、株式会社では役員のことを「取締役」と呼ぶのに対して、合同会社では「業務執行社員」と呼びます。
合同会社の代表社員についてはこちらでも詳しく解説されています。
合同会社の役員(業務執行社員)になる場合には、出資を行わなければなりません。合同会社では出資を行った方が「社員」となることができ、それに加えて経営も行う立場の役員のことを合同会社で業務執行社員としています。
合同会社で業務執行社員を定める際には株式会社の取締役と同様に、登記事項として登記申請を行う必要があり、定款にも業務執行社員の記載を行わなければなりません。
一方で、合同会社には出資は行って社員にはなったものの、業務は執行しない社員も存在します。出資を行っただけの場合も合同会社の「社員」にはなりますが、業務執行社員にはならないため、登記手続きは必要ありませんので注意しましょう。
合同会社の業務執行社員について更に詳しく知りたい方や、代表社員との違いについて知りたい方はこちらの記事(合同会社の代表社員とは?業務執行社員との違いや人数について解説)もあわせてご覧ください。
また、業務執行社員と代表社員それぞれの場合の登記手続きについては以下の記事でも詳しく解説されています。
合同会社の社員加入手続き、業務執行社員と代表社員の登記を解説!
合同会社の役員が就任した場合に必要となる書類
前述の通り、合同会社に役員が就任した場合には「変更登記」の手続きを行う必要があります。役員の就任における変更登記の手続きを行う際は、以下の5つの書類が必要となります。
- 合同会社変更登記申請書
- 総社員の同意書
- 払込証明書
- 通帳のコピー
- 増資に関する決定書
ここで言う変更登記が必要な役員とは、「代表社員」と「業務執行社員」のどちらも対象となります。
それぞれの書類について、詳しく解説していきます。
株式会社に役員(取締役)が就任した際に提出が必要な書類については、以下の記事で解説しております。株式会社の方は、あわせてご覧ください。
「役員(取締役)が就任した際に、登記手続きで提出が必要な書類」
合同会社変更登記申請書
合同会社に新たに役員が就任する場合には、「合同会社変更登記申請書」の提出が必要です。この書類は管轄の法務局へ提出する書類で、法務局の公式サイトからダウンロードを行うことができます。
合同会社変更登記申請書には、登記すべき事項として新たに就任する役員の名前や住所、就任した日付などの記載を行います。
また、提出する際は登録免許税代の収入印紙を貼付することも忘れないよう注意してください。
書類の作成を行う際は、以下の記載例を参考に記入を進めていきましょう。
合同会社の役員変更登記については、こちらの記事でも解説されています。
総社員の同意書
合同会社に新たに役員が就任した場合には、「総社員の同意書」が必要です。総社員の同意書は、合同会社のすべての社員が同意したことを証明するための書類で、合同会社が定款の変更を行う際には必ず提出を行う必要があります。
(参考記事:合同会社の総社員の同意書について)
今回の場合ですと、合同会社に役員(業務執行社員)が入社した場合には、定款の変更が必要です。総社員の同意をもって定款を変更したと証明するために、合同会社に役員が就任した際には「総社員の同意書」の提出が必要になります。
総社員の同意書には、新たに就任する業務執行社員の住所や氏名、入金する額、役員報酬や追加する条文などの情報を記載する必要があります。
合同会社変更登記申請書と同様に、法務局の公式サイトより書類のテンプレートをダウンロードいただけます。書類の作成を行う際は、以下の記載例を参考に記入を進めていきましょう。
払込証明書
合同会社に新たに役員が就任した際に提出が必要な「払込証明書」は、新たに就任する役員から払込(出資)が合った旨を証明するために、会社が作成する書類です。
- 新しく就任する役員の名前
- 払込を受けた金額
- 新たに就任する役員が入金を完了させた日
といった項目の記入を行います。
実際に払込証明書の作成を行う際は、以下の記載例を参考に記入を進めていきましょう。
払込証明書の作り方については、こちらの記事(払込証明書の作り方について)も参考にしてみてください。
通帳のコピー
上記の「払込証明書」とあわせて、通帳のコピーを添付書類として提出する必要があります。払込証明書だけでは実際に入金があったかを判断することができないため、通帳のコピーを添付して入金の証明を行います。
銀行の通帳を持っている場合は、「表紙」「裏表紙」「入出金明細ページ」の印刷を行います。入出金明細ページは、名前や金額がしっかりと分かるように印刷を行なってください。
もしネットバンキングなどを利用していて通帳をお持ちではない場合は、以下の情報がわかるWebの振込明細ページの印刷を行いましょう。
- 銀行名 / 支店名 / 口座番号
- 通帳の名義人(御社名)
- 増資金額の振込(日付、振込人、金額)
増資に関する決定書
最後に「増資に関する決定書」という書類の作成を行います。増資に関する決定書は、新たに入社する役員が出資した金額がそのまま資本金の増資になるため、資本金が増えた旨を伝えるための書類です。
払込を受けた金額や日付、すでに業務執行社員として働かれている人数などの記載を行い、書類の作成を進めていきます。
実際に「増資に関する決定書」を作成する際は、以下の記載例を参考に記入を進めていきましょう。
合同会社の増資や、増資に関する証明書については、以下の記事も参考にしてください。
参考記事:「合同会社の資本金の増資について」
合同会社の役員が就任した場合の必要書類の提出先と提出期限
合同会社の役員が就任した場合は、上記の書類を作成して管轄の法務局へ提出を行います。また、法務局へ提出する書類には期限が定められており、合同会社に新たに加入する役員が、出資金の入金を完了させた日から2週間以内に提出を行う必要があります。
管轄の法務局を探す際は、法務局の公式サイトか株式会社SoVaが提供している管轄の役所判定ツールなどを活用していきましょう。
登記申請手続きが遅れてしまうと、過料を支払う対象となってしまう可能性もありますので、時間に余裕をもって必要書類の作成を行い、入金から2週間以内に提出を行えるようにしましょう。
合同会社の役員が就任した場合にかかる費用
合同会社の役員が就任した場合には、登記申請を行う際に「登録免許税」という税金がかかります。また、登記手続きを自分で行えば、登録免許税に加えて印刷代や郵送費で済みますが、専門家(司法書士)に依頼する場合は、別途費用がかかってしまいます。
登録免許税
合同会社の役員が就任した場合には、登録免許税という税金を支払う必要がありますが、資本金が1億円以下の会社の場合は1万円、資本金が1億円以上の会社の場合は3万円の登録免許税を支払う必要があります。
こちらの記事(登録免許税とは?納付方法について解説)でも解説されていますが、収入印紙を購入することで登録免許税を支払うことが可能です。収入印紙は法務局や郵便局にて購入することが可能です。
登録免許税を支払ったことを証明するために、取得した収入印紙は登記申請書に貼付して提出を行います。
司法書士に支払う報酬(登記手続きを代行する場合)
合同会社に役員が就任した場合の登記手続きは、自分で行わず司法書士と呼ばれる専門家に依頼することも可能です。
司法書士に登記手続きの代行を依頼する場合は、必要な情報だけを司法書士に伝えることで、登記手続きを完了させてくれます。
司法書士に登記手続きを依頼する場合は、前述の登録免許税に加えて専門家への報酬を支払う必要があるため、必要な費用は増えてしまいます。
自分で書類の準備をするのが面倒くさいと思う方や、このくらいの書類の量であれば自分でもできそうと思う方もいらっしゃると思います。
必要な費用と自分で行う労力とのバランスを考えながら、自分に合ったやり方で登記手続きを行なっていきましょう。
まとめ
この記事では、合同会社に役員が就任した場合に行う登記手続きと、必要な書類について解説を行いました。この記事のまとめは以下の通りです。
・合同会社に役員が就任した場合は、登記手続きが必要
・登記手続きの際には、「登記申請書」や「総社員の同意書」をはじめ5つの書類を提出する必要がある
・必要書類は、役員の入金から2週間以内に法務局へ提出し、登録免許税(1万〜3万)の支払いも必要
・司法書士に登記手続きを依頼する場合は、3万円ほどの報酬が必要
合同会社に新たに役員が入社した際には、ぜひ今回の記事を参考に登記手続きや必要書類の準備を進めていきましょう。
提出必要書類の一覧
- 合同会社変更登記申請書
- 総社員の同意書
- 払込証明書
- 通帳のコピー
- 増資に関する決定書
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