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社会保険の加入条件や手続きのやり方、必要書類を解説!
公開日:2024.01.06
更新日:2024.01.25
会社の経営を行っていると、従業員の入退社に伴って社会保険の加入や脱退などの手続きを行う必要があります。
従業員ごとに社会保険への加入手続きを行うことに加えて、会社設立を行なった際には従業員の手続きとは別に、会社として社会保険に加入するための手続きが必要となります。
また、従業員の雇用形態や会社の状況によっても社会保険の加入手続きのやり方や書類も異なります。
この記事では、社会保険への加入条件をはじめ、加入手続きのやり方や必要書類について解説していきます。
従業員の入社を控えている方や、これから新しく会社を設立する方、社会保険の加入手続きのやり方を知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
社会保険とは
社会保険と言っても1つの保険を指すわけではなく、様々な保険を総称したものを「社会保険」と呼びます。
まずは、広義の意味での社会保険と、狭義の意味での社会保険について把握しましょう。
こちらの記事(社会保険とは?社会保険の概要について解説)でも解説されていますが、社会保険には広義の意味と狭義の意味の2つがあります。
広義の社会保険とは、
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 介護保険
- 雇用保険
- 労災保険
の5つの保険をまとめた呼び方です。
狭義の社会保険とは、上記の5つの内、
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 介護保険
の3つの保険を指します。
雇用保険と労災保険の2つについては、まとめて「労働保険」と呼ばれています。
どちらも「社会保険」という名前で少しややこしいですが、広義と狭義のどちらの場合でも使われる言葉なので、事前に理解しておきましょう。
社会保険と国民健康保険の概要や手続きのやり方の違いについて解説している記事もありますので、詳しく知りたい方はご覧ください。
この記事では、健康保険と厚生年金保険、介護保険の3つを指す「狭義の社会保険」について解説を行います。
雇用保険の加入条件や必要な手続き・書類については、以下の記事で解説をしています。雇用保険の詳細については、以下の記事からご確認ください。
参考記事:「雇用保険の加入条件や必要な手続き、書類について解説」
健康保険
社会保険の1つである「健康保険」とは、病気やケガなどに備えて加入しておく公的な医療保険制度です。
被保険者となる本人だけでなく、扶養家族も対象となり、病気やケガなどで急な出費などが必要な時に、安定した生活を送れるような保険制度となっています。
みなさんが普段病院に行った際に、受診料などが3割負担で済んでいるのも、この健康保険があるからです。
厚生年金保険
健康保険は、病気やケガなどに備えた保険なのに対して、「厚生年金保険」は将来に備えるための公的な年金制度です。
正社員やアルバイト・パートといった雇用形態に限らず、20〜60歳の人は「国民年金」という公的年金に加入しています。この国民年金に加えて、厚生年金保険に加入することで、より多くの年金をもらうことができ、将来に備えることができます。
国民年金とは違い、厚生年金保険はすべての方が加入できるわけではありません。対象の企業に勤めており、加入条件を満たすことで、厚生年金保険に加入することが可能です。
厚生年金保険に加入する場合は、保険料を加入者と企業で折半して支払いを行います。厚生年金保険の加入条件は、後ほど詳しく解説していきます。
介護保険
労働者が40歳以上になると、必ず「介護保険」に加入する必要があります。介護保険は、65歳以上の介護が必要な方が介護を受けるために、40歳以上の労働者が介護保険料を支払うことで、社会全体で介護を支えることを目的に作られた制度です。
事業所の社会保険への加入条件
事業所として社会保険への加入が必須かどうかについては、従業員の人数や業種によって異なります。事業所は従業員数や業種によって、「強制適用事業所」と「任意適用事業所」に分けられます。
強制適用事業所と任意適用事業所の違いについて、それぞれ詳しく解説していきます。
強制適用事業所
以下の条件に当てはまる場合には、強制適用事業所となります。
- 法人の事業所(事業主の場合を含む)
- 従業員が常時5人以上いる個人の事業所
強制適用事業所の場合には、事業所として社会保険に加入する必要があります。
任意適用事業所
一方で、以下の条件に当てはまる場合は任意適用事業所となります。
- 従業員が常時5人未満の個人の事業所
- 農林漁業、サービス業などを行なっている事業所
上記の条件に当てはまる場合には、従業員の半数以上が厚生年金保険の適用事業所となることに同意して、事業主が申請を行うことで任意適用事業所となることが可能です。
強制適用事業所や任意適用事業所については、こちらのページで(適用事業所について|日本年金機構)も解説されているので、併せてご覧ください。
従業員の社会保険への加入条件
上記の通り、法人の場合には強制適用事業所となるため、1人会社の場合でも必ず社会保険に加入しなければいけません。
正社員として働く場合には必ず社会保険に加入する必要がありますが、アルバイトやパートの場合は、労働時間や雇用期間によっても加入条件が異なります。
アルバイトやパートを雇用する場合には、以下の条件に当てはまる場合に社会保険に加入する必要があります。
- 週の所定労働時間が常勤の3/4以上
- 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
- 学生ではない
こちらの記事でも社会保険の加入条件について詳しく解説されていますが、
加入条件の判定のやり方については以下の画像が参考になるかと思います。
なお、社会保険の加入条件は段階的に範囲が拡大されているので、会社を経営されている方は必ずチェックしておきましょう。
社会保険の適用拡大についての詳細は、以下のページをご覧ください。
またこちらの記事でも社会保険の加入条件や適用拡大、手続きのやり方について解説されていますので、加入手続きのやり方や加入条件を知りたい方はご覧ください。
また、短時間労働者の社会保険の加入条件や手続きのやり方についてはこちらの記事が参考になるかと思います。
事業所が新たに社会保険に加入する場合の手続きのやり方
社会保険に加入する場合には、まず会社として社会保険に加入する手続きを済ませる必要があります。実際に、社会保険に加入する際に必要な手続きについて解説していきます。
社会保険の加入手続きに必要な書類
事業所として社会保険へ加入する際には、日本年金機構(年金事務所)への手続きを行う必要があります。年金事務所への手続きは、以下の書類を提出します。
- 健康保険・厚生年金保険新規適用届
- 添付書類
健康保険・厚生年金保険新規適用届
社会保険の適用事業所になるためには、健康保険・厚生年金保険新規適用届を提出する必要があります。
健康保険・厚生年金保険新規適用届は、日本年金機構の公式サイトからダウンロードが可能です。書類の作成を行う際は、以下の記載例を参考に記入を進めていきましょう。
添付書類
事業所として社会保険に加入する際には、健康保険・厚生年金保険新規適用届とあわせて以下の書類を添付する必要があります。
- 90日以内に発行された登記簿謄本(履歴事項全部証明書)のコピー
- 法人番号指定通知書もしくは、国税庁法人番号公表サイトのコピー
法人番号指定通知書が手元にない場合は、国税庁法人番号公表サイトを印刷する形でも問題ありません。
こちらのページ(国税庁法人番号公表サイト)から必要情報を入力することで、該当のページを表示することが可能です。表示されたページを印刷して、添付書類として提出を行いましょう。
社会保険の加入手続きに必要な書類の提出先と提出期限
事業所として社会保険に加入する際に必要な書類は、管轄の日本年金機構の事務センター(年金事務所)へ提出します。会社設立から5日以内に提出する必要があるので、提出が遅れないように注意してください。
自社の管轄の年金事務所がわからない場合は、こちらのページ(年金事務所管轄区域|日本年金機構)からお探しください。
従業員が新たに社会保険に加入する場合の手続きのやり方
上記の手続きを経て、事業所(会社)として社会保険への加入手続きは完了しますが、社会保険は従業員ごとに加入を行う必要があります。
ここでは従業員が新たに社会保険に加入する場合の手続きのやり方を解説します。
社会保険の加入手続きに必要な書類
従業員が社会保険に加入する際には、以下の書類を提出します。
- 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
- 健康保険被扶養者(異動)届
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届は、会社として加入する際に提出する書類とは違い、添付書類の提出は原則必要ありません。
こちらのページ(健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届|日本年金機構)から書類のダウンロードを行い、以下の記載例を参考に書類の作成を進めていきましょう。
60歳以上の方の再雇用の場合など、添付書類が必要となる場合もあります。そのような場合の手続きのやり方については以下のページもご覧ください。
健康保険・厚生年金保険の資格取得の手続きについて|日本年金機構
健康保険被扶養者(異動)届
入社する従業員に扶養家族がいる場合には、健康保険被扶養者(異動)届の提出が必要です。
まずは、以下の画像を参考に、入社する従業員に扶養家族がいるかどうかの確認を行いましょう。
入社する従業員に扶養家族がいる場合には、以下のページから記入書類のダウンロードを行い、記載例を参考に書類の作成を進めていきましょう。
<健康保険 被扶養者(異動)届の記載例>
健康保険被扶養者(異動)届を提出する際に は、「続柄」や「収入要件」を確認するための戸籍謄本や住民票、収入を確認するための給与明細や源泉徴収票などの添付書類を提出する必要があるので、事前に準備を行っておきましょう。
また、扶養家族と別居している場合などは、追加で添付書類が必要となる場合があります。あわせて、こちらのページ(被扶養者に関する手続きについて|日本年金機構)も確認しておきましょう。
社会保険の加入手続きに必要な書類の提出先と提出期限
事業所(会社)として社会保険に加入する場合と同様に、従業員が新たに社会保険に加入する場合も、管轄の日本年金機構の事務センター(年金事務所)へ提出を行います。入社日の翌日から起算して、5日以内に提出する必要があるので注意してください。
まとめ
この記事では、健康保険や厚生年金保険といった社会保険の加入条件や、加入する際に必要な手続きと書類について解説を行いました。
これから会社設立を行う方は、1人会社だとしても、社会保険に必ず加入する必要があります。社会保険の加入手続きを行う際には、事業所(会社)として社会保険に加入する手続きと、従業員ごとに社会保険に加入する手続きを行う必要があります。
また、事業所としての社会保険への加入手続きは1度で良いですが、従業員としての社会保険への加入手続きは、従業員が新たに入社するタイミングで、その都度手続きを行う必要があります。
社会保険への加入手続きは、会社を経営していく中で必ず発生する業務です。社会保険への加入手続きを今後も効率良く行なっていくためにも、社会保険の概要や必要な手続き・書類をしっかりと理解しておきましょう。
提出必要書類の一覧
- 健康保険・厚生年金保険新規適用届
- 90日以内に発行された登記簿謄本(履歴事項全部証明書)のコピー
- 法人番号指定通知書もしくは、国税庁法人番号公表サイトのコピー
- 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
- 健康保険被扶養者(異動)届
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