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会社設立

会社設立に必要な書類10種について詳しく解説!

公開日:2023.10.05

更新日:2024.01.30

「これから起業をして事業を展開していきたい」
「個人で事業を進めてきたが、売上や規模の拡大に伴い、会社設立を検討している」

これから会社設立をしようと思っている方の中でも、会社を設立する際に何から始めればよいか分からない方も多いと思います。

この記事では、会社設立の際に必要な書類について解説していきます。複雑な手続きと思っている会社設立も、そこまで難しいものではありません。
これから会社設立を検討している方は、ぜひこの記事を参考に、会社設立に必要な書類の作成を進めていきましょう。
なお、この記事では株式会社を前提に会社設立の手続き時に必要な書類について解説していきます。

会社設立の流れ

会社設立に必要な書類について理解を深める前に、まずは会社設立を行う際の流れについて把握しておきましょう。


会社設立に必要な手続きは、以下の流れに沿って進めていきます。
  • 1. 会社の概要を決める
  • 2. 会社用の実印を作成する
  • 3. 定款を作成する
  • 4. 作成した定款について公証役場で認証を受ける
  • 5. 資本金の払い込みを行う
  • 6. 会社設立に必要な書類を用意して、法務局で登記申請する
上記の手続きを進め、最終的に法務局で「登記申請」を行うことで、会社設立自体は完了です。この記事では、「 6.会社設立に必要な書類を用意して、法務局で登記申請する」のステップで必要になる書類を中心に解説していきます。
会社設立の流れについては関連記事「会社設立の流れとは?必要な手続きについて流れに沿って解説」でも解説しているので、気になる方はあわせてご覧ください。
 

会社設立に必要な書類とは


会社設立を行う際には、最終的に「登記申請」と呼ばれる手続きを行う必要があります。
登記申請を行う際には、10種類の書類の作成・提出が必要です。まずはどのような書類が必要なのかを把握しておきましょう。
 
会社設立に必要な書類10種
              
書類名 書類の内容
登記申請書 法務局へ登記申請を行うための書類
登録免許税納付用台紙 登録免許税分の収入印紙を貼付した用紙
定款 会社概要や会社としてのルールを記載した書類
発起人の決定書 発起人が決めた会社設立に関した事項をまとめた書類
設立時取締役の就任承諾書 会社設立時に際して、取締役への就任を承諾した書類
設立時代表取締役の就任承諾書 会社設立時に際して、代表取締役への就任を承諾した書類
設立時取締役の印鑑証明書 会社設立時に就任した、取締役全員の印鑑証明書
資本金の払込みがあったことを証する書面 通帳のコピーなど、資本金を支払ったことを証明するためのもの
印鑑届出書 会社として使用する印鑑(会社実印)の印鑑登録をするために必要な書類
「登記すべき事項」を記載した書面、もしくは保存したCD-R 会社設立時に登記事項として記載を行う項目をまとめた書類(データ)

それぞれの書類について、詳しく解説していきます。

会社設立に必要な書類① 登記申請書

登記申請書とは、登記申請を行うための基本となる書類で、商号(会社名)や本店所在地(会社住所)をはじめ、登録免許税の金額や添付する書類の一覧の記載を行います。
登記申請書には主に以下の項目を記載します。記載すべき内容については、会社の規模や設立する会社形態によっても多少異なります。
  • ・商号(会社名)
  • ・本店所在地
  • ・登記の事由
  • ・登記すべき事項
  • ・課税標準金額(資本金)
  • ・登録免許税
  • ・添付する書類の一覧
法務局が記載例(株式会社設立登記申請書)を公開しているので、あわせてご覧ください。

会社設立に必要な書類② 登録免許税納付用台紙


会社設立を行う際には、「登録免許税」と呼ばれる税金の支払いが必要です。登録免許税は法務局へ現金で支払うわけではなく、事前に登録免許税分の金額の収入印紙を購入しておきます。購入した収入印紙は、登録免許税納付用台紙へ貼付を行い提出します。
購入する収入印紙の金額(登録免許税の金額)は、設定する資本金と会社形態によって異なります。
基本的なルールとして「資本金の1,000分の7(0.7%)」とされています。株式会社を設立する場合に、上記の金額が15万円に満たない場合は一律で15万円の支払いが必要となり、合同会社の場合は6万円に満たない場合は一律で6万円の支払いが必要となります。
「資本金の1,000分の7(0.7%)」という条件を満たす場合は、非常に高額な資本金を設定した場合(株式会社:約2,145万円以上、合同会社:約857万円以上)となるので、基本的には株式会社の場合は15万円、合同会社の場合は6万円の登録免許税がかかると覚えておきましょう。
会社の商業登記に必要な登録免許税については、関連記事「会社設立にかかる費用は?株式会社と合同会社それぞれの場合を解説」で解説しています。
また、国税庁のホームページである「会社の商業登記に必要な登録免許税の税額表|国税庁」など会社設立時にかかる費用を紹介しているサイトもあわせてご覧ください。

会社設立に必要な書類③ 定款

定款とは、会社の基本情報をはじめ、会社としてのルールをまとめたものです。
関連記事「会社設立の流れとは?必要な手続きについて流れに沿って解説」にて、定款の作成から認証について解説していますが、定款は作成と認証だけでなく、法務局へ登記申請を行う際にも提出が必要です。

定款を作成する際には、必ず記載しなければならない事項(絶対的記載事項)があることに注意してください。
会社法27条では
株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一  目的
二  商号
三  本店の所在地
四  設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
五  発起人の氏名又は名称及び住所
と定められています。

定款を作成する際は、関連記事「会社設立の流れとは?必要な手続きについて流れに沿って解説」や会社設立時の定款の作成方法について解説している記事が参考になるかと思います。

会社設立に必要な書類④ 発起人の決定書


発起人の決定書とは、商号や本店所在地を発起人全員で決定したことを証明するための書類です。
定款に掲載している本店所在地が番地を含めて記載している」という条件に当てはまらない場合は提出が必要となるので、作成を行いましょう。

会社設立に必要な書類⑤ 設立時取締役の就任承諾書

前提として、取締役の就任は会社の委任を受けて就任するため、会社設立時に就任承諾書という書類が必要となります。この書類は、取締役に就任する方が就任について承諾したことを証明する書類です。
取締役が複数人就任する場合は、その人数分の就任承諾書が必要となります。
設立時取締役の就任承諾書は、以下の項目を記載します。
  • ・日付
  • ・就任する設立時取締役の住所
  • ・就任する設立時取締役の氏名
  • ・会社名
  • ・就任する設立時取締役の押印
実際に就任承諾書の作成を進める際は就任承諾書の書き方を解説している記事などをご覧ください。

会社設立に必要な書類⑥ 設立時代表取締役の就任承諾書

設立時取締役の就任承諾書と同様に、設立時代表取締役の就任承諾書も作成を行います。記載する内容は、設立時取締役の就任承諾書と基本的には同じ内容です。
もし、1人で会社を設立し、取締役と代表取締役を兼任する場合は、就任承諾書は1枚のみ提出すれば問題ありません。

会社設立に必要な書類⑦ 設立時取締役の印鑑証明書

設立時取締役の印鑑証明書については、発起人が取締役に就任する場合に提出が必要となります。定款には、発起人の氏名や住所の記載および押印がされています。この押印の証明を行うために、定款に押印したものと同じ印鑑の証明書が必要となります。

会社設立に必要な書類⑧ 資本金の払込みがあったことを証する書面


会社設立の際には、資本金を用意する必要があります。その資本金が準備されたことを証明するために、この資本金の払込みがあったことを証する書面の提出が必要となります。
会社設立の手続きを行った際に、発起人の個人口座(会社設立前は法人の銀行口座がないため)に資本金の振込を行います。
この振込を行った銀行口座の通帳をコピーして、登記申請の際に提出を行います。通帳をコピーする際は、「通帳の表紙」「1ページ目(口座番号や名義人が記載されているページ)」、「資本金の振込が記載されているページ」のコピーを行います。
会社設立時の資本金の払込手続きについて手順を解説している記事もありますので、詳しい内容について知りたい方はご覧ください。

また、会社設立の際に設定する資本金の金額を迷われている方は、こちらの記事(会社設立時の最適な資本金の金額は?資本金の平均額や設定方法について解説)もあわせて参考にしてみてください。

会社設立に必要な書類⑨ 印鑑届出書

会社設立を行う際には、会社の印鑑(法人実印)の登録を行います。記入用紙は以下のページからダウンロードすることが可能です。
印鑑(改印)届書|法務局
以下の記載例を参考に、記入を進めていきましょう。

会社設立に必要な書類⑩ 「登記すべき事項」を記載した書面もしくは保存したCD-R


最後に、「登記すべき事項」を記載した書面かCD-Rの作成を行います。この書類は紙での提出でも、データ(CD-R)で提出でも、どちらでも問題ありません。
CD-Rで提出を行う際は、記録の方法が定められていますので、こちらのページ(登記すべき事項を記録した、電磁的記録媒体の提出について)を確認してから作成を行いましょう。

会社設立に必要な書類の綴じる順番と提出方法

これまでご紹介した10種の書類を提出することで登記申請の手続きを行うことができますが、ただまとめて提出すればいいわけではなく、作成した書類を順番に綴じて提出する必要があります。

会社設立に必要な書類の綴じる順番

会社設立の登記申請を行う際には、以下の順番に書類を綴じていきましょう。(※数字が小さい書類を前にして綴じていきます)
  • 1. 登記申請書
  • 2. 登録免許税納付用台紙
  • 3. 定款
  • 4. 発起人の決定書
  • 5. 就任承諾書(取締役・代表取締役)
  • 6. 印鑑証明書
  • 7. 資本金の払込みを証する書面
会社設立に必要な書類の綴じ方について図解している記事もありますので参考にしてみてください。

会社設立に必要な書類の提出先と提出方法


会社設立に必要な書類を順番通りに綴じた後は、本店所在地の管轄の法務局へ提出を行います。管轄の法務局はこちらのページ(管轄の法務局のご案内)でも確認することができます。

法務局へ必要書類を提出する際は、法務局の窓口へ直接持参するか、郵送でも可能です。スケジュールとの兼ね合いもあると思うので、自分にあった方法で提出を行いましょう。

会社設立に必要な書類を郵送する際の注意点

会社設立に必要な書類を郵送する際には、以下の点に注意しましょう。
  • 会社設立日は書類が法務局へ到着し、受理された日となる
  • 可能であれば「書留」で郵送する
  • 「登記申請書在中」と封筒に明記する
  • 書類に不備がないよう、念入りにチェックを行う

まとめ


以上で、会社設立に必要な登記申請の手続きは完了です。法務局へ会社設立に必要な書類を提出した後は、不備がなければ2週間前後で登記が完了します。
会社設立の際には10種類の書類が必要と少し量が多いですが、ぜひこの記事を参考に会社設立に必要な書類の準備を進めていただければと思います。書類に不備があると再提出が必要となるため、会社設立の時期は遅れてしまいます。
会社設立は事業のスタートとなる非常に重要な手続きです。気持ちよくスタートを切るためにも、1つ1つの書類の準備を丁寧に行いましょう。

この記事では、会社設立を行う際に提出が必要な書類について解説しましたが、会社設立後にも会社として様々な手続きが必要です。
以下の記事では、会社設立後に必要な手続きについてまとめているので、会社設立後に必要な手続きについて気になる方は、あわせてご覧ください。

参考記事
会社設立は登記申請後にも必要な手続きが!会社設立後に必要な手続きをまとめました
会社設立後に必要な税務手続きと提出書類に付いて解説します
会社設立が終わった後に必要な、社会保険の手続きと提出する書類について解説
会社設立後に行うべき労働保険の手続きと、提出が必要な書類について解説

提出必要書類の一覧

  • 登記申請書
  • 登録免許税納付用台紙
  • 定款
  • 発起人の決定書
  • 設立時取締役の就任承諾書
  • 設立時代表取締役の就任承諾書
  • 設立時取締役の印鑑証明書
  • 資本金の払込みがあったことを証する書面
  • 印鑑届出書
  • 「登記すべき事項」を記載した書面、もしくは保存したCD-R

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