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本店移転に必要な登記簿謄本!取得するのに必要な手続きとは?

公開日:2023.11.23

更新日:2024.01.30

会社の登記事項が記された「登記簿謄本」。会社を経営されている方であれば、一度は聞いたことがある書類だと思います。

 

この登記簿謄本は、会社として様々な手続きを行う際に提出を求められる書類で、この記事でご紹介する「本店移転の登記手続き」を行ったあとには、登記簿謄本の提出が必要となる場面があります。

 

これから本店移転を行う予定のある方は、本店移転の登記手続きを行った後に必ず登記簿謄本の取得を行っておき、その後の手続きをスムーズに進めていきましょう

 

この記事では、本店移転に必要な登記簿謄本の基本的な知識から、取得方法・提出先なども解説していきます。これから本店移転を控えている方は、ぜひ最後までお読みください。

本店移転の概要や本店移転登記の際に必要な手続きや進め方については、こちらの記事(法人の本店移転登記とは?本店移転登記の手続きや進め方、必要書類について解説します)でも解説しています。本店移転の理解を深めたい方は、あわせてご覧ください。

登記簿謄本とは?

まずは、本店移転の手続きを行う際に必要な「登記簿謄本」の基本について解説していきます。

こちらの記事(登記簿謄本とは?取得方法と登記事項証明書との違いを解説)でも解説されていますが、登記簿謄本には、「不動産登記」「商業登記」「法人登記」などの種類があります。

 

それぞれの種類によって登記簿謄本に記載されている事項が異なり、不動産登記の場合は土地や建物の所在や所有者の名称などが記載され、商業登記・法人登記の場合は、会社名や本店所在地、資本金などが記載されています。

 

商業登記と法人登記などについて、より詳しい内容を知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

参考記事:「商業・法人登記について|法務省

登記簿謄本と登記事項証明書の違いとは?

登記簿謄本の基本を理解できたところで、次に「登記簿謄本」と「登記事項証明書」の違いについて解説していきます。

登記簿謄本と似た言葉で「登記事項証明書」という書類があります。この2つについては、名称は違うものの、証明内容は同じです

 

現在は、登記簿謄本のデータ化が進み、インターネット上で登記簿謄本を取得することも可能になりました。データ化が進む前は、登記内容を紙で保管していたため、取得をする際は謄本(原本を書写した文書)として受け取っていました。

その名残で登記簿謄本と呼ばれていることも多いですが、登記簿謄本と登記事項証明書は同じ内容を証明している書類と捉えていただいて問題ありません

 

登記簿謄本と登記事項証明書の違いについては、以下の記事も参考になるかと思いますので、合わせてご覧ください。
 

参考記事:

登記簿謄本と登記事項証明書の違い

登記簿謄本とは?登記事項証明書との違いや取得方法をわかりやすく解説

登記事項証明書(登記簿謄本)の4つの種類

登記事項証明書(登記簿謄本)には、以下の4つの種類があります。

  • 現在事項証明書(現在の登記事項証が記載されている書類)
  • 履歴事項証明書(現在と抹消された登記事項が記載されている書類)
    • 履歴事項一部証明書
    • 履歴事項全部証明書
  • 閉鎖事項証明書(過去に閉鎖された登記事項が記載されている書類)
  • 代表者事項証明書(代表者に関する情報が記載されている書類)
 

この記事でご紹介する本店移転や、その他の会社の手続きに行う際には登記簿謄本の中でも履歴事項全部証明書」を取得・提出すれば問題ありません

登記簿謄本の中にも様々な種類があり複雑かもしれませんが、会社の手続きで登記簿謄本が必要になる場合には、「履歴事項全部証明書を取得すれば基本的には問題ない」と覚えておきましょう。

 

この記事では、それぞれの登記事項証明書(登記簿謄本)の詳細の説明は割愛しますが、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

参考記事:「法人の登記簿謄本とは?登記簿謄本の種類や記載内容について解説

本店移転時に登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する理由

本店移転を行う際には、登記事項証明書(登記簿謄本)の提出が必要となります。厳密には、法務局へ行う本店移転の登記手続き自体には、登記事項証明書(登記簿謄本)の提出は必要ありません

 

本店移転を行う際には、法務局への登記手続きの後に、保険関係(社会保険や労働保険)の手続きやオフィスの賃貸借契約の手続きなどを行う必要があります。

その際に、本店移転後の住所が記載された登記事項証明書(登記簿謄本)の提出がもとめられるため、本店移転時には登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する必要があります。

 

ここで提出する登記事項証明書(登記簿謄本)は、前述の通り本店移転後の住所が記載されたものでなければなりません。登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する際は、必ず本店移転の登記手続きが終わったあとに取得を行いましょう。

 

本店移転を行う際の本店移転登記手続きのやり方や、本店移転登記手続きを行った後に各役所へ必要な手続きとそのやり方については、それぞれ以下の記事でも解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

 

参考記事:

本店移転登記に必要な書類を記載例付きで分かりやすく解説!

本店移転の登記申請後に必要な手続きについて徹底解説

本店移転時に登記事項証明書(登記簿謄本)を提出する先

本店移転を行う際には、以下の役所に対して登記簿謄本の提出を行う必要があります。

 
  • 日本年金機構(年金事務所)事務センター
  • 労働基準監督署
  • 公共職業安定所(ハローワーク)
  • 移転前の都道府県税事務所
  • 移転後の都道府県税事務所
  • 移転前の市町村の役所
  • 移転後の市町村の役所
 

雇用保険や労災保険の加入状況や、本店移転前後の住所によっては登記事項証明書(登記簿謄本)の提出が不要な役所もありますが、多くの会社で上記の役所ごとに登記事項証明書(登記簿謄本)の提出が必要ということを覚えておきましょう。

登記事項証明書(登記簿謄本)の取得方法

では、実際に登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する方法について解説します。

登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する際に必要な書類

登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する際には、登記事項証明書交付申請書」という書類を提出する必要があります。

法務局に「登記事項証明書交付申請書」が用意されているので、名前や住所などの必要事項を記入して提出を行いましょう。

 

前述の通り、会社手続きを行う際に必要な登記簿謄本は「履歴事項全部証明書」ですので、請求事項内の①全部事項証明書(謄本)の欄の「履歴事項証明書」にチェックを入れ、請求部数の記入を行いましょう。

 

登記事項証明書交付申請書は、こちらから実際の書類をダウンロードすることも可能です。

事前に自身で記入を進めて、法務局へ持参する形でも問題ありません。

登記事項証明書(商業・法人登記)の交付請求書|法務局

登記事項証明書(登記簿謄本)の取得方法

上記で説明した登記事項証明書(登記簿謄本)の取得に必要な書類は、直接法務局へ行った場合に必要な書類です。

 

登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する際には、

  • 法務局へ直接行き取得する
  • 法務局ホームページよりオンライン請求する

の2つのやり方があります。取得の際にかかる費用も異なるので、自分にあったやり方で登記事項証明書(登記簿謄本)を取得しましょう。

 

登記事項証明書(登記簿謄本)のそれぞれの取得方法について、詳しく解説していきます。

法務局に直接行き取得する

法務局へ直接行き、登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する場合は、本店移転後の法務局で手続きを行います。本店移転後の法務局ということに注意しましょう。

 

法務局で行う手続きは、上記で説明した「登記事項証明書交付申請書」の記入を行えば手続きを進めることができます。分からないことがあれば法務局の方へ聞くことができるのは、法務局で手続きを行う1つのメリットです。

法務局ホームページよりオンライン請求する

こちらのページ(各種証明書請求手続き|法務局)でも紹介されている通り、登記事項証明書(登記簿謄本)の取得は、法務局へ行かずにオンラインで手続きを進めることも可能です。

 

登記事項証明書(登記簿謄本)をオンラインで請求する場合には、申請者情報の登録やインターネット上で必要情報の入力が必要ですが、インターネット上で簡単に請求を行うことが可能です。

 

手続きは平日21時まで(窓口で行う場合は17時15分まで)行うことができるので、平日の日中に法務局へ行く時間がない方は活用していきましょう。

登記事項証明書(登記簿謄本)をオンライン請求する方は、以下のページから手続きを進めていきましょう。

 

登記事項証明書(登記簿謄本)のオンライン請求について|法務局

本店移転登記手続きの際に必要となる登記簿謄本の取得方法については、法務局のホームページや「法人の登記簿謄本とは?登記事項証明書との違いや取得方法を解説」などでも紹介されています。

 

登記事項証明書(登記簿謄本)の取得にかかる費用

登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する場合は、請求方法によって金額が異なります。

法務局に直接行き取得する

法務局へ直接行って登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する場合は「窓口請求」と呼ばれていますが、窓口請求の場合は1部あたり600円の手数料がかかります。

法務局ホームページよりオンライン請求する

一方で、法務局のHPからオンライン請求を行う場合は、1部あたり480円もしくは500円で取得を行うことができます。

 

オンライン請求を行った後に、登記事項証明書(登記簿謄本)を郵送で送って貰う場合(郵送受取)は、500円の手数料がかかり、自身で窓口で受け取る場合(窓口受取)は480円の費用がかかります。

 

なるべくコストを抑えて登記事項証明書(登記簿謄本)を取得したい方は、オンライン請求で窓口受取を行えば、最安で登記事項証明書(登記簿謄本)を取得することが可能です。

 

登記事項証明書(登記簿謄本)の取得に必要な手数料は、以下のページでもご覧いただけます。併せてご覧ください。

 

参考記事:「登記事項証明書(登記簿謄本)の手数料について|法務省

まとめ

この記事では、本店移転に必要な登記簿謄本の概要から、登記簿謄本が必要な理由や取得方法について解説を行いました。

 

本店移転に必要な登記簿謄本については、以下のことをしっかりと把握しておきましょう、

 
  • 法人の手続きに必要な登記簿謄本は「履歴事項全部証明書
  • 登記簿謄本は、登記手続きの完了後に取得する
  • 本店移転の登記手続き後に、最大で7箇所へ登記簿謄本の提出が必要
  • 登記簿謄本は、法務局窓口かオンラインで取得可能
  • 費用を抑えてで登記簿謄本を取得する場合は、オンライン請求+窓口受取
 

これから本店移転を控えている方にとって、この記事が役に立てば幸いです。本店移転の登記申請やその後に必要な手続きは、提出する書類や提出先の役所も多く少し複雑です。本店移転登記の手続きを自分で行うか迷っている方は、こちらの記事(本店移転登記を自分で行うメリットとデメリットについて、かかる費用を交えながら解説します)を参考にしてください。

本店移転について少しでも不安のある方は、以下の記事もあわせてご覧いただくと、本店移転手続きへの理解が深まると思います。ぜひご覧ください。

 

参考記事:「管轄内の本店移転と管轄外の本店移転の違いについて解説

参考記事:「本店移転の登記後に必要な労務手続きについて解説

参考記事:「本店移転の登記後に必要な税務手続きについて解説

参考記事:「本店移転に伴って必要な、法人地方税に関する手続きについて詳しく解説

提出必要書類の一覧

  • 登記事項証明書交付申請書

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