- 記事をカテゴリから探す
- 本店移転
- 株式会社の本店移転登記申請書の書き方ついて記載例とともに解説
株式会社の本店移転登記申請書の書き方ついて記載例とともに解説
公開日:2024.01.10
更新日:2024.01.30
会社の本店移転(住所変更)を行なう際には、 自社の管轄の法務局にて、本店移転登記手続きを行う必要があります。本店移転登記手続きの際には、様々な書類の作成や提出を行います。
この記事では、株式会社が本店移転登記手続きを行う際に必ず提出を行う「本店移転登記申請書」を中心に本店移転登記に必要な書類の書き方について、記載例を交えながら解説していきます。
これから会社の引っ越しなどで本店移転登記手続きを控えている方は、ぜひこの記事を参考に本店移転登記手続きを進めていただければと思います。
本店移転登記とは?
本店移転登記申請書の書き方を解説する前に、まずは本店移転登記について簡単に解説していきます。株式会社や合同会社といった会社形態に関わらず、すべての会社は商号(会社名)や本店所在地(会社住所)などが登記事項として定められています。
登記事項として定められている項目を変更する際には、管轄の法務局へ変更登記申請を行う必要があり、本店所在地も例外ではありません。本店所在地(会社住所)を変更することを「本店移転」と呼び、本店移転を行う際には本店移転登記の手続きを行わなければなりません。
本店移転や本店移転登記の概要については、関連記事「本店移転登記とは?本店移転登記に必要な手続きや書類について解説」でも解説しています。
本店移転登記に必要な書類
では、本店移転登記に必要な書類について解説していきます。この記事では、株式会社の本店移転登記に必要な書類について解説していきますので、合同会社で本店移転登記を行う方は以下の記事を参考にしてください。
関連記事
「合同会社の本店移転登記の手続きのやり方について詳しく解説します」
株式会社の本店移転登記を行なう際には、以下の書類が必要です。
・株式会社本店移転登記申請書
・株主総会議事録(定款の変更が必要な場合)
・株主リスト(株主総会議事録を添付する場合)
・取締役会議事録(取締役会を設置している場合)
・取締役会の決定書(取締役会を設置していない場合)
・印鑑届出書(管轄外への本店移転の場合)
・印鑑カード交付申請書(管轄外への本店移転の場合)
本店移転登記申請書をはじめ、本店移転登記に必要なそれぞれの書類について、記載例を交えながら詳しく解説していきます。
本店移転登記に必要な書類① 株式会社本店移転登記申請書
株式会社が本店移転登記を行なう際には「株式会社本店移転登記申請書」という書類を提出します。この株式会社本店移転登記申請書は、法務局へ本店移転登記手続きを行なう際に必ず提出が必要となる書類です。
株式会社本店移転登記申請書は、こちらのページ(株式会社本店移転登記申請書|法務局)からダウンロードが可能です。
株式会社本店移転登記申請書には、以下の項目の記載を行います。
・会社法人番号
・本店
・登記すべき事項
・登録免許税
・添付書類
・日付
・申請人(会社名、代表取締役の住所・氏名)
・管轄の法務局
本店移転登記申請書に記載を行う「登記すべき事項」の項目の書き方については、以下の記事で詳しく解説されているので、あわせて参考にしてください。
参考記事
「本店移転登記申請書に記載する登記すべき事項の書き方について」
「本店移転の際に登記すべき事項の項目がある書類と注意点について解説」
本店移転登記申請書の作成を行なう際には、管轄内の本店移転か管轄外の本店移転かで作成する本店移転登記申請書の枚数が異なることに注意してください。
管轄内の本店移転の場合は、本店移転登記申請書を1枚作成すれば問題ありませんが、管轄外の本店移転を行う場合には、移転前の管轄の法務局と移転後の管轄の法務局のそれぞれに本店移転登記申請書を2枚提出する必要があります。この場合、本店移転登記申請書に記載する内容も少し異なるので注意してください。
以下にそれぞれの本店移転の場合の本店移転登記申請書の記載例を掲載しているので、それぞれの記載例を参考にしてください。こちらの記事(本店移転登記申請書とは?書き方や注意点を解説)では、本店移転登記申請書の書き方をはじめ、本店移転登記申請書を作成する際の注意点についても解説されているので、あわせてご覧ください。
管轄内移転の場合の本店移転登記申請書(本店移転前の管轄の法務局宛)
まずは、本店移転前の管轄へ提出する、本店移転登記申請書についてです。本店移転前の管轄の法務局宛の本店移転登記申請書は、以下の記載例を参考にしてください。
管轄外移転の場合の本店移転登記申請書(本店移転後の管轄の法務局宛)
次に、本店移転後の管轄の法務局へ提出する、本店移転登記申請書についてです。移転後の管轄の法務局へ提出する本店移転登記申請書は、以下の記載例を参考にしてください。
こちらの書類は本店移転後の管轄の法務局へ提出を行うため、移転前の本店移転登記申請書と宛先の記載が異なります。ここには、本店移転後の管轄の法務局を記載するようにしてください。
管轄外の本店移転の場合は、2つの本店移転登記申請書の提出を行います。なお、書類の提出先はどちらも「本店移転前の管轄の法務局」なので、別々に提出しないように注意してください。
管轄内の本店移転登記と管轄外の本店移転登記の違いについては、関連記事「管轄内の本店移転と管轄外の本店移転の違いについて徹底解説」でも解説しています。あわせて参考にしてください。また、それぞれの本店移転における必要書類は以下の記事でも解説されているので、気になる方はご覧ください。
参考記事:「本店移転登記の必要書類は?管轄内・外での違いについて解説」
本店移転登記手続きは、本店移転登記申請書を提出するだけではありません。
本店移転登記申請書と合わせていくつかの添付書類を提出することになります。以下では登記申請時の添付書類の記載例を紹介します。
本店移転登記に必要な書類② 株主総会議事録(定款の変更が必要な場合)
本店移転に伴って定款の変更が必要な場合には、株主総会議事録という書類を提出する必要があります。本店所在地(会社住所)は定款に必ず記載しなければならず、本店所在地が変われば定款の変更が必要となります。
管轄外への本店移転の場合には、必ず定款の変更を行う必要がありますが、管轄内の本店移転の場合には定款内の本店所在地の記載方法によっても異なります。定款の変更が必要かどうかについては、こちらの記事(本店移転に定款変更は必ず必要?本店移転の際に確認すべきポイントを解説)も参考にしてください。
株主総会議事録には、議決権数や本店移転後の本店所在地などの記載を行います。実際に株主総会議事録を作成する際には、以下の記載例を参考にしてください。
株主総会議事録の記載例
本店移転登記に必要な書類③ 株主リスト(株主総会議事録を添付する場合)
定款変更に伴って株主総会議事録を提出する際には、株主リストという書類もあわせて提出する必要があります。株主リストとは、会社の株主の情報を記載する書類で、自社の株主の株式数や議決権数、総議決権数などを記載します。
この書類には株主全員分の記載を行う必要がありますが、10名を超える場合には、株主リストに記載されている議決権数が総議決権数の3分の2に達していれば問題ありません。実際に書類を作成する際には、以下の記載例を参考にしてください。
株主リストの記載例
本店移転登記に必要な書類④ 取締役会議事録(取締役会を設置している場合)
会社として取締役会を設置している場合には、取締役会議事録という書類の提出が必要です。取締役会が設置されていない場合は、次にご紹介する「取締役の決定書」という書類の提出を行います。
書類の作成を行う際には、以下の記載例を参考にしてください。また、取締役会の概要や設置義務については、以下の記事も参考にしてください。
参考記事:「取締役会とは?概要や設置義務について詳しく解説」
取締役会議事録の記載例
本店移転登記に必要な書類⑤ 取締役の決定書(取締役会を設置していない場合)
前述の通り、取締役会を設置していない会社の場合には、取締役の決定書という書類を提出します。
記載する内容は取締役会議事録と同様で、出席した取締役の氏名や本店移転を決議した旨を記載します。どちらも決まった書類のフォーマットがあるわけではないので、記載例を参考に書類の作成を進めていきましょう。
取締役の決定書の記載例
本店移転登記に必要な書類⑥ 印鑑届書(管轄外移転の場合)
管轄外への本店移転の場合には、印鑑届出書という書類を提出する必要があります。管轄の法務局が変わるため、新しい管轄の法務局へ会社の印鑑を届け出るためにこの書類が必要となります。管轄内の本店移転の場合には、この書類の提出は必要ありません。
本店移転登記において印鑑届出書が必要になるケースについては、以下の記事でも解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事:「本店移転登記手続きで印鑑届出書が必要になる場合を分かりやすく解説」
印鑑届出書の記載例
本店移転登記に必要な書類⑦ 印鑑カード交付申請書(管轄外移転の場合)
管轄外への本店移転の場合は、上記の「印鑑届出書」を提出して、改めて会社の印鑑の登録を行います。そのため、これまで使用していた印鑑カードが使えなくなり、新しい法務局から印鑑カードの交付を受けるためにこの書類を提出する必要があります。
実際に書類の作成を行う際は、以下の記載例を参考にしてください。
印鑑カード交付申請書の記載例
以上が、株式会社の本店移転登記手続きの際に提出が必要となる書類です。本店移転登記申請書をはじめ、本店移転登記手続きに必要な書類は、以下の記事でも解説しています。より理解を深めたい方は、あわせて参考にしてください。
参考記事
本店移転登記申請書の提出方法と注意点
本店移転登記申請書をはじめ、本店移転登記手続きの必要書類を把握できたところで、実際に本店移転登記申請書の提出方法と注意点について解説していきます。
本店移転登記申請書は法務局へ提出を行います。前述の通り、管轄外への本店移転の場合にも、本店移転前の管轄の法務局へすべての書類を提出することに注意してください。また、本店移転登記手続きは、本店移転を行ってから2週間以内に書類の提出を行う必要があります。本店移転登記申請書の提出が遅れることのないように、余裕をもって本店移転登記申請書の作成を進めていきましょう。
本店移転登記申請書の提出方法
本店移転登記申請書を提出する際には、法務局へ直接持参する方法と郵送で提出を行う2つの方法があります。
法務局の窓口で直接提出する場合には、書類に不備があった場合にその場で指摘をしてくれるなどのメリットもありますが、開局時間や担当者の工数などを踏まえると、郵送で本店移転登記申請書を提出することをおすすめします。
本店移転登記申請書を郵送で提出する場合には、書留での送付がおすすめです。また、送付する封筒には「登記申請書在中」と記載して郵送しましょう。
本店移転登記申請書の提出時の注意点
本店移転登記申請書の作成と提出を行う際には、以下の点に注意しましょう。
・製本
・押印
・収入印紙の貼付
本店移転登記申請書の提出時の注意点① 製本
本店移転登記申請書を作成する際には、書類が複数枚になることがほとんどなので、提出を行なう際には必ず「製本」を行いましょう。
本店移転登記申請書の印刷後、左側2ヶ所をホッチキスで留めて製本を行います。本店移転登記申請書を製本する際は、以下の画像も参考にしてください。
本店移転登記申請書の提出時の注意点② 押印
本店移転登記申請書の製本を行った後は、それぞれのページの必要箇所へ押印を行います。本店移転登記申請書には、各ページをまたぐように契印、各ページの右上に捨印の押印を行います。また、会社と代表取締役の情報を記載している部分にも押印を行います。本店移転登記申請書には、すべて「会社実印」で押印を行います。以下の画像も参考にしてください。
本店移転登記申請書の提出時の注意点③ 収入印紙の貼付
本店移転登記手続きを行なう際には、登録免許税という税金を必ず支払います。この登録免許税は現金で支払うわけではなく、金額分の収入印紙を購入し、本店移転登記申請書に貼付して提出を行います。
前述の通り、管轄外への本店移転の場合には本店移転登記申請書を2枚提出する必要があります。この場合は、それぞれの本店移転登記申請書へ収入印紙を貼付する必要があるので、収入印紙を貼り忘れることがないように注意してください。
以下の画像もあわせて、参考にしてください。
本店移転登記申請書の書き方のまとめ
この記事では、株式会社が本店移転登記手続きを行う際に必要な、本店移転登記申請書をはじめとする提出書類の書き方について解説を行いました。本店移転登記手続きを行なう際には様々な書類を提出する必要があります。特に本店移転登記申請書は、管轄内・外によって提出枚数が変わり、押印や収入印紙の貼付を行う必要があるので、本店移転登記申請書の作成を行う際には注意しながら対応を進めていきましょう。
本店移転登記申請書の書き方については、以下の記事でも解説されているので、あわせて参考にしてください。
参考記事:「法人の本店移転の手続きに必要な書類や申請期限を詳しく解説」
提出必要書類の一覧
- 株式会社本店移転登記申請書
- 株主総会議事録(定款の変更が必要な場合)
- 株主リスト(株主総会議事録を添付する場合)
- 取締役会議事録(取締役会を設置している場合)
- 取締役会の決定書(取締役会を設置していない場合)
- 印鑑届出書(管轄外への本店移転の場合)
- 印鑑カード交付申請書(管轄外への本店移転の場合)
おすすめ記事一覧
-
【最強の法人カード】セゾンプラチナビジネスアメックスの特徴について解説
法人カードの書類のやり方や手続きについてわかりやすく解説しますので、初心者の方にもおすすめです。
2024.09.20
-
個人事業主から法人化(会社設立)するために必要な手続きについて解説!
会社設立の書類の手続きの流れや書類について詳しく解説します。
2024.08.07
-
本店移転をするには定款変更が必要?やり方とポイントについて解説
この記事では本店移転の書類や管轄のやり方や手続きについて徹底解説します!
2024.01.30
-
本店移転登記をしないと罰則を受ける可能性がある?過料についても解説
本店移転の書類に関する詳細な手続きの流れや全体像について解説しています。
2024.01.30
参考リンク
新着記事一覧
-
【最強の法人カード】セゾンプラチナビジネスアメックスの特徴について解説
法人カードの書類のやり方や手続きについてわかりやすく解説しますので、初心者の方にもおすすめです。
2024.09.20
-
個人事業主から法人化(会社設立)するために必要な手続きについて解説!
会社設立の書類の手続きの流れや書類について詳しく解説します。
2024.08.07
-
本店移転をするには定款変更が必要?やり方とポイントについて解説
この記事では本店移転の書類や管轄のやり方や手続きについて徹底解説します!
2024.01.30
-
本店移転登記をしないと罰則を受ける可能性がある?過料についても解説
本店移転の書類に関する詳細な手続きの流れや全体像について解説しています。
2024.01.30