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本店移転

合同会社の本店移転登記の必要書類について、書き方とともに解説

公開日:2023.11.14

更新日:2024.01.30

本店移転(会社の住所変更)を行う際には様々な手続きが必要となりますが、本店移転を行った際にまず行わなければならないのが「本店移転登記」です。
株式会社や合同会社など、どのような会社形態でも法人として会社概要が法務局で登録(登記)されており、本店移転を行った際にはこの登記情報の変更(本店移転登記)を行う必要があります。
本店移転登記を行う際にはいくつかの書類の提出が必要となりますが、株式会社と合同会社によって提出する書類が少し異なります

この記事では、合同会社の本店移転登記に必要な書類について、記載例もあわせてご紹介していきます。合同会社を経営していて、本店移転(会社の引っ越しや住所変更)を控えている方は、ぜひ参考にしてください。合同会社における、本店移転登記の手続きややり方については、こちらの記事(合同会社の本店移転登記に必要な手続きとやり方を解説)を参考にしてください。

合同会社の本店移転とは

    

こちらの記事(法人の本店移転登記とは?本店移転に必要な手続きややり方について解説)でも解説していますが、株式会社や合同会社といった会社の形態に関わらず、本店移転を行った際には本店移転登記という手続きが必要となります。
株式会社の本店移転登記に必要な書類や書類の書き方については、こちらの記事(株式会社の本店移転登記に必要な書類と記載例をご紹介)でも解説していますが、株式会社の本店移転登記の場合には、主に以下の書類の提出が必要となります。 
 

<株式会社の本店移転登記に必要な書類(管轄外移転の場合)>

  • ・本店移転登記申請書
  • ・取締役会議事録又は取締役決定書
  • ・株主総会議事録(定款変更がある場合)
  • ・株主リスト(株主総会議事録を添付する場合)
  • ・委任状(代理人に手続きを依頼する場合)
  • ・印鑑届書
  • ・印鑑カード交付申請書

本店移転登記の際に必要な基本的な書類は、株式会社も合同会社も大きくは変わりませんが、株式会社の場合は本店移転を行う際に、株主総会決議が必要となるため「株主総会議事録」と「株主リスト」といった書類が必要となります。
一方で合同会社が本店移転を行う際には、株主総会決議の必要はないため、株主総会議事録や株主リストの代わりに総社員の同意書」という書類が必要となります。

合同会社の本店移転には管轄内移転と管轄外移転がある

合同会社の本店移転登記を行う際には、まずは本店移転が「管轄内」で行われるのか「管轄外」で行われるのかを確認する必要があります。
管轄内か管轄外かによって提出する書類や提出先が異なるため、本店移転登記を行う際には事前に確認しておきましょう。
本店移転における、管轄内移転と管轄外移転については、以下の記事でも解説しています。より詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。

参考記事
本店移転における管轄内移転と管轄外移転の違いについてを解説
本店移転の手続き完全ガイド|失敗しないコツと申請方法を徹底解説

合同会社の管轄内移転とは

まずは、合同会社の管轄内での本店移転について解説していきます。

合同会社の管轄内での本店移転とは、現在の本店所在地(会社の住所)を管轄している法務局と、移転後の本店所在地を管轄する法務局が同じである場合のことを指します。

合同会社の管轄外移転とは

本店移転前後の法務局が同じ場合を「管轄内の本店移転」と呼ぶのに対して、本店移転前後の管轄の法務局が異なる場合は「管轄外の本店移転」となります。
合同会社の本店移転が都道府県をまたがる場合はもちろん管轄外の本店移転となりますが、渋谷区から新宿区へ本店移転を行う場合にも、管轄の法務局は変わるため「管轄外の本店移転」となります。

合同会社の本店移転を行う際は、管轄内移転か管轄外移転かを確認する

本店移転が管轄内か管轄外によって提出する書類が異なるため、本店移転登記を行う前に事前に確認しておきましょう。確認する際に重要なことは「管轄の法務局が変わるかどうかです。
法務局の公式サイトでも「各法務局の一覧」を公開しているので、本店移転を行う際はチェックしておきましょう。

 

合同会社における本店移転登記の必要書類

合同会社の本店移転を行う際に、管轄内か管轄外を確認できた後は、実際に本店移転登記に必要な書類の準備を進めていきましょう。

管轄内か管轄外によって本店移転登記に必要な書類は異なるため、それぞれの場合に応じて解説していきます。
必要書類の書き方を理解するにあたって、合同会社の本店移転登記について全体像を解説しているサイトなども参考になるかと思いますので合わせてご確認ください。

合同会社の管轄内移転時における必要書類

合同会社が管轄内の本店移転を行う場合には、以下の書類が必要となります。

  • ・本店移転登記申請書
  • ・総社員の同意書

それぞれの書類について、記載例とあわせて解説していきます。

本店移転登記申請書

本店移転登記申請書とは、本店移転を行った旨を記載した書類で、登記申請の際に必ず必要となる書類です。会社名や法人番号をはじめ、会社の基本的な情報の記載を行います。また
押印や収入印紙の貼付も行います。

 

本店移転登記申請書は、こちらのページ(商業・法人登記の申請書|法務局)からダウンロードを行うことが可能です。

 

合同会社の本店移転登記申請書を作成する際は、以下の記載例を参考に記入を進めていきましょう。

 

合同会社の本店移転登記申請書の書き方については以下の記事でも解説されています。

合同会社(LLC)の本店移転・会社移転手続きについて

総社員の同意書

本店移転を行う際には、登記事項の変更だけではなく、定款内の本店所在地の変更も行う必要があります。株式会社の場合は定款の変更を行う際に株主総会を開催する必要がありますが、合同会社の場合は「総社員の同意」があれば定款の変更を行うことが可能です。

 

総社員の同意をもとに、適切なプロセスを経て定款の変更が行われたことを証明するために、この「総社員の同意書」の提出を行います。

こちらの記事(合同会社における社員や代表者印とは?)でも解説されていますが、合同会社の社員とは「出資していて経営に参加できる人」を指します。
登記申請書と違い、総社員の同意書の記入用紙の配布は行われていませんが、WordやGoogleドキュメントを使って、自分で簡単に作成することができます。

以下の記載例を見ながら、書類の作成を進めていきましょう。

 

合同会社が管轄内の本店移転を行う場合に必要な、「本店移転登記申請書」と「総社員の同意書」は、それぞれ移転日(※移転日は総社員の同意書内で定めます)の翌日から2週間以内に提出する必要があります。期限を過ぎることがないように注意しましょう。
合同会社の管轄内移転の場合の必要書類については以下の記事でも解説されています。

合同会社の管轄外移転時における必要書類

次に、合同会社が管轄外の本店移転を行う際に必要な書類について解説していきます。
本店移転前後で管轄の法務局が変わるため、本店移転登記申請書を移転前後の管轄の法務局宛に作成する必要があります。
 

本店移転登記申請書(移転前の管轄法務局提出分)

まずは本店移転前の管轄だった法務局宛の「本店移転登記申請書」を作成します。
管轄内と管轄外で記載する内容はほとんど変わりません。

記入する書類はこちらのページ(合同会社の登記申請書の様式|法務局)からダウンロードを行い、以下の記載例を参考に作成を進めていきましょう。

本店移転登記申請書(移転後の管轄法務局提出分)

本店移転後の管轄の法務局宛の「本店移転登記申請書」もあわせて提出が必要ですが、記載する内容はほとんど同じです。宛先の記載だけ異なるので注意しましょう

 

 

本店移転登記申請書の提出を行う際には、登録免許税として3万円分の収入印紙を貼付する必要がありますが、管轄外の本店移転を行う際には本店移転登記申請書を2部作成する必要があるため、2枚分の収入印紙(3万円分 ✕ 2つ)が必要となります。また、どちらの書類も押印を行う必要があるので、押印と収入印紙の貼付を忘れないようにしましょう。

総社員の同意書

本店移転が管轄内や管轄外のどちらの場合でも、合同会社が本店移転登記を行う際には「総社員の同意書」の提出が必要となります。総社員の同意書は、社員の同意のもと定款の変更が行われたことを証明する書類です。

 

法務局による記入用紙の配布は行われていませんが、以下の記載例を参考にWordやGoogleドキュメントなどで作成を行っていきましょう。

印鑑届出書

合同会社や株式会社といった会社形態に関わらず、すべての会社は会社として印鑑の届出(印鑑登録)を行っています。会社の印鑑は法務局で登録されているため、管轄外の本店移転で法務局が変わる際には印鑑届出書を通して、改めて登録を行う必要があります
印鑑届出書は、こちらのページ(印鑑届出書|法務局)からダウンロードすることが可能です。以下の記載例を見ながら、必要事項の記入を進めていきましょう。
本店移転登記の際に必要となる「印鑑届出書」については、こちらの記事(本店移転登記の手続きで「印鑑届出書」が必要となる場合について)でも解説しております。あわせてご覧ください。

印鑑カード交付申請書

管轄の法務局の変更に伴い、これまで使用していた印鑑カードが使用できなくなります。新たに印鑑カードを取得するためには、印鑑カード交付申請書を提出する必要があります。
印鑑カードの交付申請のタイミングはいつでも大丈夫ですが、印鑑届出書とあわせて提出しておくと今後の手間が省けるのでおすすめです。

印鑑カード交付申請書の書類は、こちらのページ(印鑑カード交付申請書|法務局)からダウンロードを行って、以下の記載例を参考に書類作成を進めていきましょう。

 

上記が、管轄外の本店移転を行った際に提出が必要な書類です。それぞれ記載例を確認しながら書類の作成を進めていきましょう。

書類の提出を行う際には、すべての書類を本店移転前の管轄の法務局へ提出することに注意してください。
本店移転後の管轄宛の本店移転登記申請書も作成しましたが、すべて本店移転前の管轄の法務局への提出で問題ありません。

管轄外移転の場合の必要書類の書き方については以下の記事も参考になるかと思います。

 

まとめ

この記事では、合同会社が本店移転登記を行う際に必要な書類と、書類の書き方について解説しました。本店移転を行う際には「管轄内の本店移転」か「管轄外の本店移転」かによっても、提出する書類が異なります。
それぞれの書類は記入する項目が異なり複雑ではありますが、この記事でご紹介している記載例をもとに必要書類の準備を進めていきましょう。
「本店移転登記申請書」と「総社員の同意書」の提出期限が、移転日から2週間以内と決められています。提出期限を過ぎてしまうと過料を支払う可能性もあるので、予め書類の準備や記入を進めておくなど、余裕をもって本店移転登記の手続きを進めていきましょう。

本店移転の登記手続きは、自分で行うだけでなく専門家(司法書士)へ依頼することも可能です。本店移転登記の手続きを自分で行うか迷っている方は、こちらの記事(本店移転登記を自分で行うメリットやデメリットについて解説します)も参考にしてみてください。

 今回は、合同会社の本店移転登記について解説しましたが、本店移転を行った際には登記手続きの後にも様々な手続きが必要です。本店移転移転登記を終えた後の手続きについては、こちらの記事(本店移転登記後に必要な手続きとやり方を徹底解説します)で詳しく解説しています。また、本店移転後に必要な手続きを、それぞれの役所別で以下の記事で解説しています。あわせて参考にしてください。本店移転に伴う手続きを忘れることがないように、本店移転後に必要な手続きもチェックしておきましょう。

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提出必要書類の一覧

  • 本店移転登記申請書
  • 総社員の同意書
  • 印鑑届出書(管轄外の本店移転の場合)
  • 印鑑カード交付申請書(管轄外の本店移転の場合)

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